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女子会出張編〜裏側〜

よろしくお願いします


一応次の章に繋がる話です




─ミラたち女子組が聖教国で女子会を開いていた朝 ─





(ふぁ〜、アレウスさん朝から呼び出しなんて忙しいことですねぇ)


いつも通り腑抜けた声でエリーナがそう言ってくる



「まぁな、昨日いきなり来てくれって言われて俺も割と驚いたよ」



まぁそれでもしょうがないと思う

魔神ナルムヨルグの件以来色々とごたついてるからな



それが主に俺に関係することだからめんどくさいと思っても文句は言えない


正直俺と意志とは関係なく色々出てくるんだけどね



まぁステフやクリスに会える機会だと思えば苦じゃないか


とりあえずイリヤ王国まで転移して、城門まで移動してすんなりと入れてもらう



事前に出迎えとかはしなくていいと伝えてあるのでちょっとした挨拶を交わすだけで済む


そして、メイドさんに応接室まで案内してもらって国王が来るまでしばらく待つことにする


するとポケットから振動が伝わってくる



「ん?一体誰からだ?」



俺がポケットが取り出したのはケータイ...の形をした通信機


通話する機能以外何もついてない

文字通りの携帯電話だ


発信源は不明と出ている

一応携帯を持っている人間の名前は登録してある


とりあえず出てみるか




『おはようございますキング』

「ん?おぉ、その声はミストか。久しぶりじゃないか」


声の主はなんとミストだった


「どうして新しい通信機に繋ぐことができたんだ?」

『やはり新しいものでしたか。実はキングが使用なさっている通信機から出る電波は以前使っているものと同じものですので、回線を繋ぐことは簡単でした』

「そういうことか。調子はどうだ?クリスとは上手くやってるか?」

『キングやドクターのおかげで第2の人生を楽しませてもらってます。マスターともいい感じですよ、今も近くにいますし。マスターの声を聞いておきますか?』



ちょうどいいからクリスとも話すとするか


王城内にいるだろうからわざわざってのもあるけど、気にしなければいいだろう


俺はミストに「頼む」という




『み、ミスト!?あなた今一体何してるの!?なぜか鎧の補助がまったくないように感じるのだけど!?』

「............」



なんかめちゃくちゃ焦りまくっているクリスの声が聞こえる


ついでに物凄い爆発音と金属音も聞こえてきた



『すみません、このようにマスターは会話をする余裕などございません......マスター、私の補助などなくてもこれくらいは勝てるように鍛えてありますから。え?死ぬ?いえいえ人間そんな簡単に死にませんから頑張ってください』

『あなたはいつもいつも......もう、やってやるわよ!!』

「...............」



(なんかクリスティーナさんたくましくなってますね)


うん、俺も今そう思ってたところ



「なぁミスト、一体何やってるんだ?」

『マスターは朝のトレーニング中でございます。ちなみに内容はダイダル帝国軍の方々との模擬戦闘でございます。ざっと50対1くらいでしょうか?』

「おいおい、クリスにあんま無茶させて怪我させるなよ?」

『ご心配なさらず私が鍛えておりますのでマスターはこの程度なら全力でのぞめば余裕ですよ。それに怪我を心配するなら相手の方ですかね、既に何人かは立てないほどですから』


それはまたずいぶんスパルタなことで

まぁミストくらいの達人になればそこら辺のさじ加減はわかるのか


クリスもなかなか頑張ってるみたいだな


ミストも才能はあると言っていたし、この先が楽しみだ



『すいませんマスター、レオーネ皇帝陛下が参戦してきたので私も全力で補助をしなければならなくなりました、失礼します』


ミストは早口な口調でそう言って通信を切る


クリスがレオーネと仲がいいってことは聞いてたけど、まさか本当とはね


てか、模擬戦闘に乱入してくるとかあの皇帝陛下も皇帝陛下だな



「アレウス久しぶりじゃな」

「陛下、お久しぶりでございます」



そんなことを考えているとカイゼル国王陛下が応接室へと入ってくる


「アレウスよ朝食は食べたか?」

「いえ、陛下との話し合いが終わったら食べようかと思っていました」

「では、話しながら食べるとしないか?ワシもまだなのでな」



俺は陛下に「それではお願いします」という


そしてサンドイッチとコーヒーが運ばれてきて会話が始まる



「アレウスよ、お前の領地の方はどうだ?」

「そうですね、色々なプロジェクトを初めてまだまだ改善しなければならない点はありますが今のところは上手くいっております」

「うむ、いずれは自治領地...国になるのだからな、今のうちに色々なものを築いておくのはいいことだぞ。今は大変かもしれぬがな」

「ありがとうございます、できる限りの努力はしていこうと思います」



一国の主の言葉だ、とても説得力がある




「さて、今日は朝早くからきてくれてすまないな。急用というわけではないのだが予定が詰まっておってな今朝が一番都合がよかったのだ」

「いえかまいません、急用でなくとも大事な話ではあると思いますので」



どうやらすぐに本題に入るみたいだな


たぶん本当に忙しいんだろうな

時間に余裕がある時はいつも好きな時に来てくれって感じだったし

時間指定されるのは珍しいことだった



「アレウス前にも一度話したがな、お前の元に数々の国からお前との婚約の申し出の手紙が届いておる」

「............」



俺はとりあえず無言を貫く

詳しい話は分からないがめんどくさいことになりそうなのは何となくわかった



「たぶんお前は断りたがると思っているが、それが難しい話なんだ」

「...というとどういうことでしょうか?」

「うむ、率直に言うとだな。たぶん我が娘だけをお前の元に嫁がせると各国から色々と文句や嫌味を言われそうでわしが嫌なんだ」

「.........なるほど」



もっと国際的な外交問題かと思ったら、ほぼ国王個人の問題だった



「それに断るというのなら、わしカラではなく全てお前から直接何かしらの形で断ることを伝えねばなるまい」

「となると直接出向くか直筆の手紙を出すかですね...一応聞きますがどれくらいでしょうか?」

「ふむ...詳しく数えてないが100は超えておるな」

「.........それは断るのは大変ですね」



直筆で手紙100通出すとか大変ですね、もちろん直接出向くとかもってのほか


今色々忙しいからそういうことに時間を取られるのは面倒だ


「もしかして陛下が私を呼んだのは、なにか良い作があるからではないですか?」

「察しがいいのアレウス、そういうことだ」



おぉさすがは国王陛下頼りになる



(いや、さっきちょっと文句言ってましたよね?)


いいんだよ、さっきはさっきら今は今だ


「前にお前に一応結婚相手の条件を聞いただろ?」

「......確か俺の隣に立てるものとか、そういうことを言った気がしますね」

「うむ、だからそれをアレウスの隣に立てるくらい武力...すなわち戦える力があるもの。つまりお前と共に戦える強さを持ってるものと解釈した」

「実際そのような意味も含めてありますからかまいませんが、それをどうするのですか?」

「簡単な話だ、女性だけの武闘大会を開くのだよ。そして優勝者にはアレウス、お前が可能な限りのことで優勝者の願いを叶えるというものだ」




(......あの、私だけでしょうか...話がいきなりどこかに飛んでいった気がしますが...)


いや、俺も正直この王様何言ってんだと思ってるよ



「アレウス、よく考えてみろ。お前のとこにいる娘達がほかの女性に負けることを想像できるか?」

「......いやあまり...もしかして陛下、そういうことですか?」

「うむ、ある意味この大会は出来レースだ。お前のとこの娘を1人代表に出でもらい大会で優勝してもらえばいいということ」



何となく考えがわかってきたな

だけどどうしてわざわざ闘技大会なんだ?


俺はその理由を国王に聞いてみた



「うむ、これはダイダル帝国のレオーネ陛下からの提案なのだ。たぶんあの皇帝は自らが出場し、アレウスに嫁ごうと考えておる。その案を実行する場合は全て帝国側が主催として行ってくれるらしい」

「なるほどレオーネ陛下がですか...」

「かの皇帝は自分が負けるとは思ってないからこその提案だろうな」

「話はわかりましたが、それで他の国は納得するのですか?」

「わしが考えるにお前のとこの娘誰かが優勝し、その後お前が皆の前で婚約の申し入れを全て断り、お前の意思を伝えれば解決すると考えておる」



あ、結局俺が結局何かしらをしなきゃいけないということなのね



「それにお前もそろそろ結婚しようと考えている時期だろ?国の主になるのだから正妻を決めなければなるまい」

「それは確かに...おっしゃる通りです」

「さらにだ、帝国側が主催になってくれるということならお前は大会があるまでほぼ何もしなくてよくなり諸々の面倒を省ける」



確かによく考えてみると割といい考えに感じてきたぞ

色々な準備をレオーネ皇帝陛下に任せて、最後に俺が公の場で色々話すだけで済ませればいいってことだよな?


まぁ問題があるとすれば...いや、それは俺個人の問題になるのか

そろそろ真面目に解決しないといけないことだし、この際だからちょうどいいのかもしれない



俺はカイゼル陛下に、闘技大会を開く形で話を進めてもらうことをお願いした



その後俺はステフに会いに行き二人の時間を楽しませてもらった



夕方くらいにヘタヘタになって帰ってきたクリスには結構びっくりしたが、あいつもあいつで割と充実してるらしいから問題は無いだろう


ただお姉様だけどずるいと言われたので、今度クリスとの時間も作ることを決めた




正直に言わせてもらおう

俺は国王陛下と話してる時、その後のステフとのデートが楽しみすぎてあまり真面目にかんがえてなかったことを



そのせいですごい大事になるなんて俺は考えてもなかった

お読みいただきありがとうございます


続きを読みたいと言ってくれる方がいたので続きもそれなりに書いてこうかなとと思ってます

個人的にすごい書きたいストーリーなので楽しんで書きたいです

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