なんか連れてこられました
よろしくお願いします
第0部に投稿したものを一纏めにしたり加筆しました
「ん...、ふぁ〜」
長い夢を見てみたいだ。少し頭が重い、それに少し寒いな
「ん?寒いだって?」
俺は急いで起き上がった、そして周りをみると
山、山、山......山しかねぇじゃねぇか!一体どうなってるんだ?
(.........ん?やっと起きたみたいですね)
ん?何か声がする気がするんだが...
(気のせいではありませんよ、あなたに話しかけてるんです)
怖い怖い怖い!ほんとにどうなってるんだ!?
(天界で話してた時とは態度が全然違いますね... まぁいいでしょう。では、ようこそ異世界へ!!)
「あぁ、ついに幻聴が聞こえるように..」
(だから、幻聴じゃ内ですから!落ち着いてください!!)
「あーあー!!聞こえなーい!!」
(だから落ち着いて聞いてくださいって!落ち着かないと.......死にますよ?)
「......」
(あ、案外ビビリなんですね、安心しました、嘘ですから気にしないでください?)
「そ、そうか、よかったよ...」
死ぬとか言わたら黙るしかないだろ...
というか本当に一体何が起こってるんだ?ここはどこだ?
──という俺は誰なんだ?
(では、あらためて異世界へようこそ!あなたは女神たる私、エリーナに選ばれたのです!)
「......へ?」
(あれ?まだ寝ぼけてるんですか、異世界ですよ?い、せ、か、い!)
「わかった、わかったから!ボリュームを下げてくれ!」
(わかってくれたならいいのです。なにか思い出したことはありませんか?)
ん?思い出すこと?なんかあったっけ...
「あぁっ!!」
(なにか思い出したようですね)
「あぁ思い出したよ、あんたあの時の女神だな?」
(あんたではなく、エリーナです。エリーナ様と呼んでもいいんですよ?)
あの女神か...敬う気にもなれないんだが...
(ちょっとあなた失礼ですよ?)
「!?」
なんで思考が読めるんだ?っていうか、どこにいるんだ?あたりを探すが生き物の気配すらない
(思考が読めるのは当然です、なんせあなたの思考の中にいるのですから!)
「なっ!?......とりあえず出ていってもらえますか?」
(...ふぇ?いや、ちょ、ちょっと待ってください、いきなりひど過ぎませんか!?)
「.........(出てけ、出てけ、出てけ、出てけ...)」
(えっ?ちょ、なんか痛い!痛いんですけど!?)
「......(出てけ、出てけ、出てけ、出てけ...)」
悪霊退散それしかないんだ、俺はひたすら念じた
女神だか、なんだか知らないが、俺にとっちゃ祟り神のようなもんだろう、というかこんなアホっぽい女神がいるわけがない
(ねぇ!ほんとに危ないですから!死んじゃいますから!)
「死んじまうのか?それは困るかもしれん」
(ふぅ...やっと落ち着きました...、それに私は女神ですかね?悪霊じゃありませんから、もっと敬ってくださいよ)
「......(ジロッ)」
(ひっ...何かに睨まれた気が...もう言わないんでゆるしてくださいぃ...)
お、見えないが何となく睨むことは出来たな
「なぁとりあえず俺の思考を読まないでくれるか?」
(そ、そうですね、プライベートなことですし、あなたも男の子ですからね、恥ずかしいことを...)
「...(出てけ、出てけ、出てけ、出てけ...)」
(ひっ、ひぃぃ。許じでぐださぁい...)
おっと涙声になってるからそろそろやめるか
「で、なんで俺の思考の中にいるんだ?」
(え、えーと......ゴニョゴニョ(どうやって誤魔化せば...あ、これはちょうどいいかも).....あなたに見て欲しいものがあります!!ちょっとステータスって言ってみてくださいよ!!ほらほら!)
え、なに、いきなり何なの?それで誤魔化そうとかしてるの?やっぱりちょっと頭が残念なのか...
「なぁ誤魔(ほら、早く早く!)......はぁ...ステータス!」
ピロンッ!「うおっ!」
俺は諦めてステータスと唱えた。そして突然目の前に何かが現れた、パソコンの画面みたいだな、ん?何か書かれてるな
名前 未記入
種族人族・男
年齢17
職業 未定
Lv.12
HP 1200/1200
MP960/960
ATK 720
DEF 480
SPD 600
M-A 600
M-D 600
Luck 99999
スキル
鑑定S
隠蔽S
刀剣G
ユニークスキル
「絶対契約」
加護
「運命神の加護」
...ふむ、「ステータス」と言えと言われて、普通に従ってしまったけど、何が起こってるのか理解出来いぞ
とりあえず頭の中にいるっぽい女神に話を話を聞いてみるのが一番だな
「んで、これはどういうことなんだ......えっと、エリーナ
(!?名前で呼んで下さるんですね?嬉しいです!!)
「お、おう、名前で呼ぶのは普通だろ?名前といえば、俺の名前が未記入ってなってるし......それに自分の名前が思い出せないんだが?」
本当に俺の名前って、何だったっけ?というか自分が何者かも思い出せないぞ...
(あ、説明するのを忘れてました。あなたを転生させるのにちょっとばかしエネルギーが必要であなたの魂に影響を及ぼす記憶を少しだけ、転生エネルギーに還元させてもらいました。ま、そんな事は置いといて名前を決めましょう!!)
「おい、こらそんな事ってレベルじゃないだろ。しっかり説明しろよ」
(んー...だから少し転生にエネルギーが必要だったから、その燃料として記憶をエネルギーに昇華させてもらいました。でも適当な記憶じゃ使い物にならないので名前とか、思い出とか...そういった個人的な記憶、魂に刻まれていく記憶を使わせていただきました。あ、でも安心してください、常識や体の動かし方など生きる事に大事な記憶は使っていませんし、あなたが転生前に所有していた知識などは消えてませんから)
「......じゃあ俺は今以前の思い出を忘れているのか?」
(そうですね、でも忘れたことを忘れてしまってるので思い出す事はもう不可能ですね)
そんな簡単に言うもんじゃないだろ、この野郎
でも実際何を思い出すのかもわからない状態だし、知識的な記憶とかはわすれてないんだったら別に気にしなくてもいいのか、それに生きていけるわけだし、記憶が全部消えてバカになったわけだし問題はないか
というかそんな禅問答みたいなことで悩んでても一生解決しないよな。よし、開き直ろう
(1つ補足を入れときますが、こちらの世界では西洋名が一般的なのでそういった名前にした方がいいですね)
なるほど、西洋名か、という事は横文字系の名前ということだな
ということで新しい名前だな、とりあえず知識は消えてないみたいだし、その知識の中からヒントを探して...んー...
「アレウスっていうのはどうだ?」
(なぜその名前に?)
「全能神ゼウスと軍神アレスをくっつけた名前な気がする......たぶん。本当の理由はわからないがすぐに頭に浮かんだからそれなりに愛着があったんだろうし」
アレウス、その名前が俺の記憶の片隅に残っていた。たぶん名前の由来もゼウスとアレスので間違ってないだろう
(あぁゼウス先輩とアレス先輩ですか、まぁいいんじゃないんですか)
「え、なに?知り合いなの?」
(まぁ昔の色々とありましてね)
さすが神様というべきだろうか、なんかどんな関係かすごい気になるんだけど
(まぁ私のことはいいですよ、厨二くさいですけどいい名前ですよ)
なんか引っかかる言い方だが気にしないでおこう
それにアレウスって名前は普通にいい名前だと我ながら思ってるし
「それじゃあ、俺は今日からアレウスだ、よろしくな、エリーナ」
(はい!ではあらためまして...アレウスさん異世界へようこそ!)
「はいはい、ありがとさん。それでこのステータスっていうのについて聞きたいんだが...なに、この世界はゲームの中か、何なのか?」
(なかなか適当なあしらい方ですね......まぁいいですけど。ちなみにそのステータスというのはあってなきようなものですかね)
「...どういうことだ?」
(んー...簡単に言っちゃえば人の生命力とかをすべて数値化させたといえばいいでしょうか?どんな世界にもスキルというものが存在するんですよ、簡単に言えば個人が持つ技能のことですかね?そういうのは世界によっていろいろスキルのシステムの設定が違うんですが、まぁそういうのは今は置いておきましょう。それで、話を戻すとスキルのシステムをちょこっと私がいじって「鑑定」という名前で個人を数値化するスキルを作り上げたってわけです!!)
サラリと世界の秘密のようなことを言っていた気がするけど、バカの戯言とスルーしておこう、こっちもいちいちつっこんでたら話が進まないみたいだしな
それでステータスというのは、実際には存在しないステータスを勝手に作りあげたというわけか、もしかしてこいつは何気にすごいヤツなのか?
「まぁその説明はありがたいんだけどよ、とりあえずなんでエリーナは俺の思考の中にいるんだ?」
(いや、あはは......なんででしょうねぇ...ヒュ〜ヒュ〜...」)
エリーナが吹けない口笛で誤魔化そうとする
「……おいっ!色々誤魔化そうとするな!それに色々わかってないぞ!」
(えー?何のことですかー?わからないなー)
この野郎......あからさまに棒読みだしよ...
「駄女神って創作の中だけだと思ってたよ...」
(むむ!なかなか失礼なこと言ってくれますね?)
失礼って、まんまじゃないか
「はぁ......それは置いといて、もうお前がなんで俺の思考にいるかは諦める。だから、この世界について教えてくれないか?ここは俺の知識にはない世界なんだろ?」
エリーナはいろいろグチグチ言ってるがとりあえずこの世界についていろいろ教えてもらった
エリーナが言うのにはこの世界には三つの大陸があって、その大陸ごとに様々な種族が国を作っているらしい
俺が今いるのは人族の大陸アインス大陸だ
種族の話を聞くとおとぎ話のドワーフやエルフ、獣人もいるらしい。ツヴァイ大陸が獣人、エルフやドワーフの大陸がノイン大陸だとか
簡単に言っちゃえばファンタジーな不思議世界ってところだな
「まるでなにかの物語みたいだな...」
俺は説明を聞いてそれが最初に口に出た
(それはあながち間違ってはいませんよ?この世界の住人がアレウスさんがもといた世界に転生して物語を書いたんですからね)
「なるほど、あれは現実を元にした話だったってことか」
(物わかりが早くて助かります)
早いというが、もう色々と諦めているんだけどな
それと俺がここに来た理由も死んだ俺の魂が天界をふらついていたところをエリーナが発見したからという頭の痛くかる理由もわかっている
という俺1回死んでるっぽいんだよね、全く覚えないけどさ、死因は別に知りたくないんだけどさ
だって、それに聞けば恥ずかしさで悶えてまた死ぬと思いますよ?なんて言われたら聞きたくなくなるわ
「で、俺を転生させた目的は?」
(目的ですか...?あー、目的ですよね、はい、目的...)
「.....お前目的も無しに俺を転生させたのか」
(い、いや〜、まぁ!異世界の観光とか、ね!ほらそれで十分でしょう!死んだ哀れな魂に対する女神様のプレゼントですよ!喜びましょう!まぁそれで、そんな話は置いといて.....)
俺の魂を哀れ扱いされたのとか、転生をそんな話扱いされたのはなかなか腹がたつけど、こいつに腹をたててたらすぐに胃に穴が開く気がするからもうほっておこう
そしてエリーナの話は続く、この世界では魔法や神様ってのは常識のことらしい
「なぁ俺にも魔法は使えるのか?」
(魔法ですか?私の加護がありますし、使えますね)
私の加護...?ってことはまさか...
「な、なぁ俺の持つ運命神の加護の運命神ってエリーナのことなのか?」
(そうですよ?それがなにか?)
ないわー、それはないわ、よくても、笑いの神ぐらいじゃない?
(む、また失礼なこと考えてますね?運命神の名の通りあなたのLUCK値はカンストしてるじゃないですか)
「確かにそうだな、認めたくはないが...」
(そんなに悔しそうに言わないでくださいよ!とりあえず今は魔法です魔法!)
「あ、あぁそうだな、で、どうやって使うんだ?」
(とりあえず指先に集中してみてください、私が手伝いますので)
「おう、わかった」
それにしても集中か、とりあえず指先を凝視して見ることにした
「集中、集中、集中……」
バチバチッ!!
「うおっ!」
あぶなっ!指先から放電したぞ!?
《雷魔法を手に入れました》
「 なんだ?雷魔法?」
(雷魔法ですね、なかなか珍しいですね。ちなみに今聞こえた声はこの世界のシステムの声ですね)
「珍しいのか?あと世界のシステムの声ってなんだ?」
(とても珍しいです、魔法というのは基本的に火・水・風・土の四種類を基本としています。さらにその四つを含め雷、氷、光、闇と言った特殊な魔法もあります。特殊な魔法というのはこの世界でもいても数千人人くらいですね。それとシステムの声というのはこの世界の管理者の神様の声みたいなものですね、魔法とか覚えた時に鳴るんですよ。天啓だと思っておけばいいですかね)
この世界の人口規模を知らないが珍しいことは確かなんだろうな。それでシステムの声は便利なお知らせ機能とでも思っておけばいいというわけか
「複数持つことはないのか?」
(複数ですか?ありますよ?現にアレウスさんは私の加護のおかげで光魔法も使えるはずですし)
「え?使えるのか?光魔法ってのどんな魔法だ?」
(基本的には回復が主ですね)
「回復か...ここじゃ使えることは出来ないか?」
(いえ、使えますよ。肩に手をかざしてさっきみたいな魔力を集中させてください)
エリーナの言う通りやってみると、手が光って肩が暖かくなった。
《光魔法を手にいまれたした》
「お、手に入れた、しかもなんか肩が軽いな」
(流石です、私の加護があるから当然です。あと肩が軽くなったのは光魔法の効果ですね)
なにか失礼なことが聞こえたが今はほっておこう、魔法が大事なんだ
「なぁ魔法の操り方ってどうすればいいんだ?」
(そうですね、簡単に言えば自分のイメージですかね?魔法というのは基本的に概念ですから)
イメージか...とりあえず雷が手刀のようになるようなイメージして魔力を流す
バチバチバチバチッ!!
「おぉ!!出来たぞ!!」
(流石ですね...言っただけで出来るなんて、普通はそんな簡単に出来ないものだと思うんですが...)
「なぁ、これってイメージ出来れば他の属性も使えるってことか?」
(たぶん無理だと思いますが、やってみたらどうですか?)
無理ではないのか...よしやってみるか
火の玉をイメージして...出ない
流れる水をイメージして...出ない
そよぐ風をイメージをして...出ない
隆起する土を...いや、もう無理だな...
(無理そうですから諦めましょう?)
「い、いや、待ってくれあと1回!先っちょだけでいいから!」
(言い方がヤラシイですけど...1回だけですよ?)
よし、お許しは得たぞ、魔法だからな...
ん?空を飛ぶイメージはできないか?体全体に魔力を流し、空気全体にも魔力が伝わるようにする
「空を飛ぶ、空を飛ぶ、空を飛ぶ...」
ふわっ「!?」
《重力魔法及び空間魔法を手に入れました》
「おぉ!出来たぞ!」
(重力魔法に空間魔法?かなりレアなものまで手に入れますね)
「そんなにすごいのか?」
(そうですね......ちょっとこっちに来る前のデータを参照しますと......空間魔法に関していえば使える人はアレウスさんくらいですかね)
そんなに凄いのか、そう言われるとテンション上がってくるな
「空間魔法ってことは空間を操るんだよな?」
(えぇ、そうですが?)
よし、それならあれしかないだろう、誰でも憧れるあれだよ
「テレポート!!.........あれ?」
何も起こらないぞ、おかしいな、言い方か?
「転移!…………あれ?」
(あぁたぶん、魔力、まぁステータス的にいうとMPが足りないんですよ)
そう言われたステータスを確認すると
MP720/960と表記されている
「まだ720ほどあるんだが?」
(空間魔法ですからね、必要な魔力、MPが全然足りないんですよ)
「そうか...Lvを上げてけばMPは上がるんだよな?」
(そうですね、鍛えれば強くなるのは基本ですからね。鍛えられる=レベルが上がる、ですからね、すなわち魔力も上がるわけですね)
なるほど、身体能力とかの成長度合いとかがこうやって数値化されてると、シンプルでわかりやすいな
「気になってんだが、そのスキルや加護ってのどんなものなんだ?」
(スキルや加護ですが?順番に説明していきましょう。まずスキルですが、さっきも話しましたが技能のことですよ)
確かにそんなことを言っていた気がするな
(スキルといっても様々です強力なものから無能なものまで様々です。例えばあなたの持ってる「鑑定」は先天的なものですね。実際は私が作り上げたオリジナルですから先天的という言葉は少し語弊はありますが)
「そんなものをなんで俺は持ってるんだ?」
(あぁそれは転生特典であなたが欲していたからですよ?)
俺が欲していた?あぁ確かに知らないということが怖いと言った気がするな...
「じゃあこの「隠蔽」や「刀剣」ってのはどんなの何だ?」
(あぁそちらの方は後天的に得られるスキルですね、「刀剣」で例えれば武芸のスキルですが、簡単に言えば練習すればするほど熟練度が上がるんですよ。絵画とか歌とかは練習すれば上達するっていえばわかりやすいですかね)
なるほどね、不思議パワーが働くスキルと技能に直結するスキルがあるってわけだな
「熟練度っていうのはこのSとかGのことか?」
(えぇそうですね、G~Sまであって、もちろんSが最強です。そういった類のスキルは使えば使うほど熟練度が上がっていきますね。まぁそれも「鑑定」スキルにより数値化されたみたいなものですけどね)
やはりゲームみたいなものだな、これは数字で表されるより、アルファベットの方がわかりやすいな
ちなみちエリーナ的熟練度の振り分けは
S神業
A達人
B~D熟練
E~G初級者
と言った感じだ、だからBであってもこの世界ではかなりすごらしい
(アレウスさんは「刀剣」スキルを上げればSまでいけそうですね。あ、ちなみにスキルは1人十個までしか会得できないので気をつけて下さいね。まぁこの世界における縛りみたいなものだと思ってくれればいいですよ)
スキルを持つ数には制限があるのか、けっこう大事だからこれから意識しておこう。実際俺みたいにステータスとして見れない人たちはスキルを管理するのは大変そうだな
「まぁ今は剣も刀もないから何も出来ないけど」
そうなんだ、今は何も武器を持っていない、というか着ている服以外持ち物がないんだ
(あぁ確かにそうですね。でも大丈夫ですよ?)
「何が大丈夫なんだ?」
(それも含めてユニークスキルで説明します)
正直何が言いたいか理解出来ないがとりあえず説明を聞いた
ユニークスキルというのは別名固有スキル、個人が持ってる特別なスキルで唯一無二のスキルらしい
これは俺が元々いた世界には存在しなかった概念だとエリーナは言っている
「で、俺のこの「絶対契約」ってのはどんなスキルなんだ?あまりいいイメージは持てないんだが」
なんか奴隷を生み出す能力っぽくて嫌なんだけど
(そうですね、それも私が作ったりスキルですから説明しますと──)
ユニークスキル「絶対契約」
能力1
特定の相手との契約を結ぶ、何かを相手との共有することで契約を結べる、
能力2
契約相手は契約の影響において多大な力を得る
能力3
契約一つにつき特殊な道具を生み出せる
※道具の質は代償にしたものに依存
と感じだ
「ふむふむ、なかなか特殊なスキルだな」
(そうですね、これもあなたが望んだものですよ?)
「確かに俺が望んだな、揺らぐことのないつながりだったか...」
俺もしかして元いた世界で信頼とかそんなものとは無関係な生活を送ってきたのだろうか...自分が心配になるな
(あの...アレウスさん?もしよろしかったら私と契約しませんか?)
「ん?どうしたんだ?優しくしなくてもいいんだぞ?」
(確かにそういう気持ちもあったのは嘘ではないですが、私はあなたとのつながりが欲しいんです。だからあなたについてきたんですよ?)
「そうか...」
うーん...つながりね、これは信頼できる人間とじゃないと簡単にはできないものだな
まぁ今この世界にはエリーナしか知り合いいないしな
「なぁエリーナ、俺とは何を共有したい?」
(え?いいんですか?)
「あぁかまわないよ。この世界に知り合いはエリーナしかいないし、それにお前は人じゃなくて女神だからな」
(ありがとうございます、アレウスさん...、それでは私と「感覚」の共有をしませんか?)
「感覚だって?」
(はい、感覚です。私は今、あなたの思考の中に存在します。その中であなたが感じたものを私も感じていたい、そう思ったのです。)
感覚...感覚か...、エリーナの思いは非常に嬉しいんだが
「感覚ってことは痛みとかも共有するんだよな?エリーナはそれで大丈夫なのか?」
感覚の共有とはそういうものだ、エリーナは痛みを感じる必要が無いのに、俺が痛みを感じれば痛みも感じてしまうのだ。
それでもエリーナは
(えぇ、かまいませんよ)
と答えてくれた、馬鹿にしてきたが案外しっかり女神なのかもしれないなと感じられたよ
「わかったよ、じゃあ契約するか」
そして俺は契約を使おうと思念する。そして契約の詠唱が俺の頭に流れてくる
「我が名はアレウス、女神エリーナと「感覚」を共有し、契約を申し込む。」
(はい、私女神エリーナはアレウスさんの契約を受け入れます。)
その瞬間胸が突然輝きを放ち徐々に消えていく
「契約は出来たのか...?」
(えぇ出来たみたいですよ?とりあえず寒いですね..)
忘れていたがここは山の中だ、寒いのも当然だ
「感覚の共有は出来たみたいだな、よかったよ」
(ふぅ契約出来て良かったです。これでほかの神たちから文句を言われずに異世界を旅行できますよ)
ん、なんかおかしなことが聞こえてくるんだけど……
(ほんとめんどくさいったらないですよ。ねぇ聞いてますか?)
「あ、あぁ聞いてるよ...」
(それならいいんです。それでですね...)
「な、なぁ?」
(はい、何ですか?)
俺は今一番気になることを聞いてみる
「俺と契約した一番の目的ってほかの神たちに文句を言われないためか?」
(え、い、いや、そんなことないですよぉ〜)
あぁこれはアウトだ、なんで俺はこんな駄女神を信じたんだ...あれ、前がうまく見えないや...
(な、何を泣いてるんですか!それより私と契約したんで1つスペシャルな道具が作れますよ!)
「そ、そうだったな、どんな武器を作ろうか」
(刀剣のスキルがあるんですし、刀か剣がいいですよ。それに今回は代償も大きなものですし強い武器が出来ると思いますよ!)
確かにエリーナの言う通りなんだ、日本人としてはやはり刀だろうか。
しかしどうやって武器を作るんだ?
エリーナに聞いても(念じればいいんじゃないですか)と適当な答えが返ってくるでも、実際他に方法がないから念じてみる
すると頭に何かに呼ばれてる気がする、どんな道具がいいですか?って感じか?
(わっ!なんか聞こえてきます)
そうか、感覚を共有してるから、エリーナにも聞こえるのか
「エレーナ、どんな武器を作りたいか聞かれてるんだ。俺が決めてしまっていいか?」
(はい!全然かまいませんよ!)
心の中でありがとうと言いながら武器のイメージに集中する。代償が大きい分どんなものでも生み出せる気がする
俺がイメージするのは漆黒の刀、この世の概念すらも絶つ刀...
そうイメージすると次は名前を聞かれる、運命神の刀なんだもう決まっている
さぁ出来上がれ、俺だけの、いや俺達だけの武器よ
そう祈ると、光と共に現れる禍々しい1本の黒刀
それを手に取って、俺は一息ついた
「やっと出来たか...」
(すごい集中力でしたね。それで名前は何ていうです
か?)
「あぁこの刀の名前はフェイトだ」
(私が運命神だからですか?えへへ、嬉しいです)
やはり喜ぶか。この名前をつけてよかったと俺がひとりで感動してると
(...あの感動してるとこ悪いんですが...日本刀に洋名っていうのは大丈夫何でしょうか?あ、いや、かっこいいとは思うんですよ?)
「へ?.......あ、あ、あぁぁぁぁぁぁぁ!!」
え、まって俺何やってるの?日本刀に洋名つけるなんてバカじゃねぇの!
「な、名前の変更だ!どうやってやるんだ!」
(も、もう無理ですよ!それに私はその名前でとても嬉しいですし、この世界じゃそういう常識はありませんから!)
そうエリーナは俺を慰めてくれるが、俺は悔しく刀を岩に叩きつけた
スパッ!!
とてもスッキリするような音が流れた
「え?」
俺は不思議に思ったのと同時に岩が横にずれた
(うわー、その刀とんでもないですね。自分を切らないようにしてくださいよ?)
俺は何も言えずに、ただ慎重に刀を鞘に収めるだけだった
(ま、まぁ凄いんですから、気にしないでくださいよ!私とアレウスさんの初めての共同作業ですから!)
「変な言い方すんなし」
そう、俺がエリーナに突っ込んでるとステータスが目に入った
刀剣スキルFと書いてある、元々Gじゃなかったっけ?
「なぁ、刀剣スキルが上がってるように見えるんだが?」
(上がってますね)
「話を聞いた限りじゃそんな簡単には上がらないはずだよな?」
(あぁ、それは私の加護のおかげですね)
「エリーナの?その前に加護っていうのはどんなものなんだ?」
(そうですね、加護っていうのは言葉のとおりなんですけど、神様や神獣から貰える証みたいなものでしょうか?持ってる人はそうはいないはずですよ?)
「加護にはどんな性質があるんだ?」
(そうですね、私の場合だとLuck値増加とあと能力の成長率の増加ですかね、刀剣スキルが上がったのもそのおかげですね)
ふむ、これまたなんて都合のいいことなんだろう。エリーナのおかげってのは癪に障るが
「俺の他にも誰かに与えたりしたのか?」
(いえ、私があげたのはアレウスさんだけですよ?)
「お、おう」
なかなか恥ずかしいこと言われたな、こいつが目の前にいたら絶対惚れたな
(言っておきますが、私女神ですから美少女ですよ?)
!?思考が読まれたのか?
「そうだな、自分で美少女と言わなければ文句はないぞ」
(美少女なのは疑わないんですね。それよりこれからどうしますか?)
まぁ美少女かどうかはエリーナの姿を見ることが不可能だから言えることなんだが、それよりこれからどうするかな
「なぁこの山には何かいるのか?」
(そうですね、普通にモンスターとかいますよ?)
「それって、ゴブリンやオークのことか?」
(はい、それであってますよ)
まじか!ってことは女騎士さんのくっころもいつか見れるかも知れないな
(いかがわしいこと考えてませんか?)
「あ、いや、考えてないぞ?それよりこれからこの山で修行してから、街に行ってみようと思うんだがどう思う?」
(いいですね、そうしましょう)
なんかワクワクしてきたな!
◇
そして山で修行を初めてから1年が経った──
「グウォォォォォォォォォォォォ!!!」
空気が引き裂かれるような咆哮を出すドラゴンが今にも襲いかかろとしている
「うるせぇ!くらえ!「震撃」」
重力魔法によって作りたいと超重力場を纏った拳がドラゴンの腹を打ち抜きHPが一気にゼロになる、数値化されてるとゲームみたいで敵の生死がはっきりわかって便利だな
あ、どうもこの必殺技を叫んでるのが俺です、アレウスです。
(毎度毎度必殺技を叫ぶ必要があるのでしょうか...)
そして俺の気持ちいい雰囲気を台無しなしたのが駄女神ことエリーナ
(誰がダメですか、誰が!)
この人も最初より雰囲気変わりすぎですよ、いや、見たいこと一回もないけどね。
「ふぅ...それにしても簡単に終わったな」
(かなり余裕になりましたね)
「まぁあれくらいならな」
(それが異常なんですけどね...)
ぐちぐちエリーナに文句を言われる俺のステータスはこんな感じてある
アレウス
種族 人族(?)男
年齢 17
職業 冒険者
Lv. 501
HP 50100/50100
MP 40080/40800
ATK 30060
DEF 20040
SPD 25050
M-A 25050
M-D 25050
Luck 99999
スキル
鑑定 S
隠蔽 S
千里眼 S
気配察知 S
並列思考 S
暗視 S
刀剣 S
徒手空拳 S
釣り D
料理 C
ユニークスキル
「絶対契約」
魔法
雷魔法
光魔法
重力魔法
空間魔法
加護
運命神の加護
ひとまずこんな感じである、一言いえば成長し過ぎである。これも加護のおかげだとどっかの女神が言ってるのが腹立つが事実なので否定はできない。
途中から気づいたけどステータスは「Lv×n」
みたいな感じで各数値が上がっていく
俺のHPでいえば
「Lv501×100=50100」みたいな感じだ
nに入る数は個人個人によって違うと思われる、身体能力も個人差があるから、それと同じようなものだろうな
千里眼や察知は修行を初めて最初の方はバレないようにゴブリンを探して魔法で倒すというせこい方法で倒していた時に手に入れた。
正直怖いから真正面とかは絶対に無理な話だった。しかもゴブリンはこちらを見つけた途端にグギャグギャ言いながら涎垂らしてこっちに来るんだぞ?怖すぎて慣れるのには時間がかかった。
並列思考については大型のモンスターと戦ってる時に他のことをしながら魔法をイメージするのが難しかったから手に入れた。
料理と釣りに関しては、どっかの女神が感覚を手に入れてお腹すいたとうるさくわめいたっていえば理解できるだろ??
もう既に無駄に10個スキルストックを使ってしまった。まぁでもなんか技術系のスキルはほっとくとどんどん衰えてってなくなっちゃうから釣りとかはいつかなくなるんだろう
そして俺はドラゴンの肉とか鱗とかを適当に剥ぎ取って、空間魔法による空間倉庫にしまう
「さ、帰ろうぜ」
どこに帰るかって?山小屋だよ!なんと初日探索してたら見つけたんだ、そこには洋服とかもあってなんと俺のサイズにぴったり、なんて都合がいい話なんだろう
運命神のおかげですね、と聞こえてくる幻聴がついてくるがあまり気にしない方がいいだろう
帰る方法は重力魔法による飛行である。これは魔力のコントロールの練習にもなるのでちょうどいいんだ
(なかなか長い独り言ですね、何なら私も独り言に混ぜてくださいよ)
「独り言に混ぜろってどういうことだよ。ま、おしゃべりしながら帰るか」
(お願いします!)
「で、何の話してたかっていうと、俺のここ1年間の修行のことだよ」
(あぁ思い出して確認してたんですね、まぁ修行といっても8割くらいフェイトのコントロールだったじゃないですか)
「う...」
そう俺が一番苦労したのは俺が作った刀「フェイト」なのである。
フェイトってさ切ろう思えばなんでも切れるからコントロール出来なければ、俺の意思に関係なく切っちゃうんだよね...
1回間違って山切っちゃったしね
さらに出来心から「時間」も切ってみようと思ってやろうとしたら
世界の理を切ろうとすると何かしらの影響が出ると言われ、最悪死よりひどいことになる可能性だってありえるのでそういう危ないことはこれからやめておこうと心に誓っている
やりすぎちゃった感があるので反省はしている、後悔もしている
まぁつまるところフェイトを自体使うのを控えようと決めている
「いや、でもさ、ドラゴンが弱いって可能性もあるしさ?」
(そうですね、もしかしたら弱いかもしれませんね、でもここ霊峰ですよ?)
どうも、霊峰から中継しています。...そうなんです、
ここ霊峰なんです。探索してる時に片っ端から鑑定してたったら、うちの女神さんが気づいてしまったんです。
ちなみにこの霊峰はいわゆるダンジョンと呼ばれる危険な場所らしいですね。そりゃ霊峰ですもんね、モン〇ンだったら、ラスボス級だよね
(まぁあなたが特別だとわかってるのは元からわかってますから、あまり気にしてませんよ)
「そう言ってくれるとありがたいよ。とりあえずフェイトは当分お蔵入りだな...」
(私たちの仲じゃありませんか。それに私もフェイトに関しては賛成です...)
この1年間エリーナとはかなり仲良くなった思う。人間だったら結婚してもいいと思うくらいだ。いや、流石にそれは言い過ぎだけど
契約の影響もあってかコイツのことは心から信用できる...気がする。信頼は全くできないけど
まぁ顔も見たことないからブサイクだったらお断りだけど
(私は美少女ですよ?)
「思考を読もうとはしないでくれ」
(アレウスさんは意外と単純なんですね。最初の頃はもっと威圧的だったのにほんとに変わりましたね)
「あれは気にしないでくれ、というかいきなり異世界に連れてこられたら普通警戒するだろ」
(えぇわかってますよ、それでこれからどうしますか?修行を続けますか?)
「いや、そろそろ街に出ようと思う」
(街ですか、そうですね...この近くだったら徒歩で10日くらいのところにはあるんじゃないですか?)
くらいってなんだよ、まったく...
「はぁ...なら明日の朝にでも出発しようか」
即断即決が大事だからな、この山には一年近くいたわけだから、そろそろ外の世界に出てもいいだろう
その夜の話である──
(アレウスさんお腹すきましたー、お腹ぁーー)
「わかった、わかったから!少し黙っててくれ、すぐ出来るから!」
(すぐですか、あと何秒ですか??)
「子供か!あと10分ほどで出来るから」
(わかりました、10分だけ待ちます。あと私大人ですから)
その答えが子供だよって思うだけで答えずに俺は黙々と料理を作り続けた
こんなんで明日から出発出来るのだろうか...
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