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出発→到着

よろしくお願いします


久しぶりにレイラが登場

レイラはオカマの遊郭のオーナーさんです

詳しいことは3章を参照してください(ダジャレじゃないよ!!)

招待状が届いた日の晩──


「シル、準備できたか?」

「うむ、我はいつでもかまわぬぞ」



シルが大きな持ち運び用トランクに視線を送って、準備は整っていることをアピールする


ちなみにあのトランクの中には大陸会議関係用の衣装が入っている、俺は別に同じのでもいいんじゃね?と思うんだけど、ダメらしい


だから、毎回毎回出席する会には別の衣装を着ないといけないわけだ。俺は基本黒のタキシードだが、シルはうちの娘さんたちが厳選したドレスを持っていくらしい、もちろん戦闘用の白い軍服も入ってはいるが



「いいわねぇ、2人でデートなんて」

「そんなこと言うんだったらついてきてもいいんだぞ?」

「私はまだ研究所にいる子供たちの面倒を見ないといけないから...って説明したわよね?」



俺は「わかってるよ」と見送りをしてくれるカトレアに答える


「2人もいいのか?」



そしてカトレア同様、見送りとしいるミラとカグヤに顔を向ける



「すみません、ご主人様、どこかの誰かが拗ねちゃうんで」

「私だけ置いていくの、ってうるさかったもんね」

「わ、悪かったわね!だって私1人だけ置いてけぼりってのも嫌じゃない!!」


どこかの誰かさんは頬をふくらませて声をあげる


「おっと...迎えが来たみたいだな、悪いが家のことは任せたぞ、何かあったら連絡してくれ」

「はい、ご主人様とシルも道中気をつけて」


見送り組を代表してミラが答える



「ねぇ、アレウス、やっぱりアレを使って行かないの?」

「俺もアレで行きたいのは山々だけど、秘匿事項で扱うと決めたからな、我慢だな」

「だったら私が乗り回して遊んでるわね」

「あまり人目につかないしろよ」


カトレアは「わかってるわよ」と答える


ずるいなぁ、俺だって乗って遊びたいのに


アレに関して言えば、珍しくエリーナからの注意勧告が出たからな、やはりやり過ぎは良くないみたいだな


まぁ俺がいなくてもカトレアはいつかアレ(・・)を発明していたんだろうけどさ



屋敷の前に王都へ向かうための馬車...正確にはシャドーウルフたちが引く馬車が止まっていた


本来なら「ワープ」で1発なんだが、途中でダレル公爵も乗せていくし、今回は色々と正式な手続きを踏んで王都入りしないといけないので馬車でわざわざ行くことになった


だから日程的な問題も考慮して夜に出発となったのだ



俺は自分用のトランクを持って、馬車へと向かう



「悪いなお前ら、わざわざ夜に出発なんか」

「いえいえ、領主様とシル様のためならばいつでも構いませんよ」




領軍のヤツらに挨拶をして俺とシルは馬車へと乗り込む



「とりあえずはこの馬車の中で二日過ごすことになるな。まぁこの馬車無駄に広いし、揺れることもなくて快適だから問題はないな」

「うむ、それに主殿と2人きりというだけで我は満足だ」


俺は「ありがとよ」と答えつつ、馬車内のソファに寝転ぶ



(アレウスさん、二人きりだからってこんな所でしちゃダメですよ〜?)



......それくらいの分別はわきまえてるわ、アホ



「それじゃあ出発します」


俺たちが乗ってしばらくして、狼の遠吠えの後に馬車が動き出す


俺は眠りにつく片手間に頭の中で新技シュミレーションをする


このシミュレーションは眠りにつくまでの暇つぶしに丁度いいんだよな、気づけば眠りにつけてるから


(いや、素早く眠りについちゃうほどつまらないんですよね?)



いや?面白いからな?特に技をくらう相手をエリーナに見立てた時なんか爽快な気持ちになるからな


(今晩は私にしないでくださいよ!?アレウスさんの思考が明確に私に流れてくるんで嫌なんですから!!)


それはお前の俺の思考を読んでくることに対する処罰も含めているんだから別にいいんだよ


(この前なんて私を...私を串刺しにして!!ひどい!!ひどいです!!DVです!家庭内暴力です!!離婚ものですよ!!)


だれがいつお前と結婚したんだよ、アホ


エリーナ、お前はみてくれはいいが中身がアホなのを忘れるんじゃないぞ?まぁ2回しか会ったことないからみてくれに関しても正直既にうろ覚えなんだけどさ


(私は秀才美女ですからね!!)


はいはい、しゅーさいしゅーさい


まったくエリーナのせいで目が覚めてしまったじゃないか




どうしたものか.........ん?




揺れのない馬車の中で俺は眠ろうと努力をしていると、背中にとてもとても柔らかい感触がする



「.........あの、シルさん?」

「ふふ、よいではないか、主殿。主人と眷属の触れ合いは大事にした方がよいぞ?」



どうやらシルはソファの下の部分を伸ばしたみたいだな


やばい、すごい緊張するんだが......



(ふっ、童貞じゃあるまいのに)


エリーナさん?君なんか最近口が悪くありませんかね?調子乗ってると本当に怒るぞ?


「どうした主殿、緊張しているのか?」


シルの俺をからかうような声が馬車内に響き渡る


(ぷぷっ、童貞じゃないのに童貞丸出し...ぷぷっ......)



とてつもなくうざいエリーナのせいで俺の頭は急激に冷える


エリーナの処罰は今度こいつと会ったときにするとして、エリーナのおかげと言いたくはないが、冷静さを取り戻せたな


シルがどうしたいのかはまだ掴めないが、俺は聞かないといけないことがあるな



「なぁシル、お前は...自分のことを認めたのか?」

「──っ!!...それは.....わからない...」

「そうか、わからない......か、」

「......す、すまぬ主殿...出過ぎた真似をした」

「あ、おい...」


シルは何も言わず、向かいのソファへと行ってしまう


(ふられましたねぇ...)


.........俺はふられたのか......どう見てもふられたよな


シルと約束をしてから約2年程がたってるが、2年もたってしまったせいでシルの中で複雑にこじれてしまったのかもしれないな


「いかんなぁ......」



俺はシルに聞かれないようにそっと呟く


これは俺の責任だよな明らかに、シル自身の問題だからとずっと考えてきたのが悪かったのかもな


大陸会議が終わったら、真面目にシルとのことを考えないといけないな


これはシル自身の問題ではなくて、俺とシル、2人の問題と考えていかないとな



そして俺は今後のことを悩みつつ、眠りについた





「それではアレウス、今晩の晩餐会でな」

「はいダレル公爵、それにヘンリエッタ夫人もまた後で」


ダレル公爵夫妻を王都にある公爵家専用宅まで送り届ける



二日の長旅を経て、俺たちは王都ブリミラに到着した




「さて、俺たちも向かうとするか」

「うむ、我らはレイラ殿のところに寝泊まりするのだったな」



俺は「あぁそうだ」と答えた後に馬車を出発させる



どうしてレイラの遊郭に泊まるかというと、シルがレイラにとても懐いているからだ


なんでもあいつの話がタメになるんだとか、信じがたい話なのだが、うちの娘さんたちは全員そういうからそうなんだろう


遊郭に泊まるのはどんなだという意見も出るかと思うが、レイラの遊郭は王都一の超高級遊郭でもあるが実は超高級宿泊施設でもあるのだ


そのことを知ったのはこの前の王都の豊穣祭の時に利用した際に知ったことなのだが、実際色んな貴族や大きな商家が利用しているらしい


だから侯爵の俺も利用してもなんの問題もないわけだ、俺としてもレイラのところだったら気楽に過ごせるから全然いいんだけどね




「アレウスさん、シルお待ちしていましたよ」

「ようレイラ、この前ぶりだな」

「今日も世話になるぞ、レイラ殿」



遊郭につくやすぐにレイラが俺をお出迎えする


「まずはお部屋の方に案内しますね」

「ん?部屋って前回と一緒だろ?自分たちでいけるぞ?」

「ふふ、大切なお客様を応対するのは当然ですから構いませんよ」

「そうか、なら頼んだよ」



ちなみに俺たちが泊まる部屋は元々カグヤの部屋であった最上階の部屋だ。俺としても馴染みの深い一室だな


(カグヤとの初めてもあそこでしたよねぇ)


......まぁそういう大切な思い出も含めて馴染みが深いんだよ



レイラの後に続いて俺たちは遊郭内を歩く



時々遊郭のお姉さんから「あ、アレウス君久しぶり〜」と気楽に挨拶をされる


俺も馴れた感じに「あ、どうも〜」と挨拶を返す


ここの人たち、と俺に気軽に接しても問題ないとわかったら

「妹のカグヤの旦那だから私たちの義弟みたいなものよね!!」と言って親戚のお姉さんみたいな感覚で俺に接してくる



俺としてもそっちの方が楽だから構わないと思っている、レイラの丁寧語はデフォルトなのであまり変化はないけど


シルも「後で一緒にお酒飲もうね〜」と誘われたりしている


「はい、こちらがお部屋になります。この後はどうされますか?」

「俺は晩餐会までここでぐうたらさせてもらうよ、シルはどうする?」

「うむ、我は下でみんなと談笑をしてこようと思う」


シルはさっきの誘いを受けるみたいだな



「ほい、レイラ、これが今回の宿泊代と飲み代な」

「ふふ、私たちは家族のようなものですから、そういうのは別に構わないんですよ?」

「親しき仲にも礼儀ありっていうだろ、払っておかないと俺の気が済まないんだよ、受け取れ」

「ふふ、そうですね。では料金分は私がたっぷりサービスを...」

「いや、それはまじでいらないから」



一緒に酒を飲むくらいならいいんだが、オカマのセクハラだけは勘弁だよ


見た目が美人なのが余計にタチが悪い、どっからどう見ても美女なのにレイラは男だからな


今も俺の胸に円を描いて「いけずなんですから」とか言ってくるし、そういうの本当にやめてほしいんだけどなぁ......



「まっ、晩酌とかには付き合ってもらうだろうから、その時によろしく頼むよ」

「はい、アレウスさんの好きなお酒も用意してありますので、いつでもお待ちしておりますよ」



レイラが優雅な所作でお辞儀をする



「それと、少しばかりオーナーとして領主としてのアレウスさんとも話したいお話もございますのでよろしくお願いします」

「オーナーとしてか...わかった、今晩の晩餐会での愚痴でも聞いてもらいながら話すとするか」

「えぇ、楽しみにしております」




レイラのオーナーとしての話か、結構興味深いな



とりあえず今は晩餐会まで旅の疲れを癒すとするかな──

お読み頂きありがとうございます

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