表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ようこそ、理想郷へ〜俺のLuck値がどう考えてもLack値な件〜  作者: 林桃華
第5章 領地経営編パート2
146/220

海外デート?

よろしくお願いします


今回から第5章の始まりです

「うっ...あぁーー...」



馬車の中では背もたれに体重をかけながら俺はあくびをしながら軽く身体を伸ばす



「アレウス、だらしない顔してるわよ」

「ん?あぁすまんすまん、ここまでゆっくりできるのは久しぶりだからな」



向かいに座るカトレアに声をかけられたので再び来そうなあくびをこらえてなんとか答える


あくびをしてる理由は昨日の夜少しハッスルしすぎちゃってね、てへへ


(てへへじゃないですよ、激しすぎて感覚伝わってきて私眠れなかったんですから、ふぁ〜...)


仕方ないだろ、昨日はミラ、カトレア、カグヤの3人と一緒だったんだから




ちなみに今はダレル公爵の領地からブリストンに向かっている途中である、ブリストンについたらエレナたちを迎えに行く予定だ



「ふふふ、あくびをする主殿も可愛いな」


俺の横に座るシルが聖母のような笑みを浮かべて微笑んでいる、はっきりいってちょっと怖いです、はい


昨日レイラのとこの遊郭でレイラと話してたらしいけど、レイラの野郎何を話したんだ?




「お兄ちゃん〜」

「ひっさしぶりのおにいちゃんです〜」

「こら、二人とも馬車の中じゃあまり暴れちゃダメでしょ」

「仕方ないわよ、カグヤ、二人とも本当に久しぶりなんだから」



そして座席を挟んでミラ、カグヤ、アン&レアが座っている



アンとレアは本当に久しぶりだから、いっぱいかまってあげたいんだが、うちの年上女性陣から「脱・お兄ちゃん政策」と言われてしまったのだ。俺に依存しすぎるのが良くないとかで兄離れが必要だとか、まだ早いんだからいいんじゃないと思うんだが...




「久しぶりに屋敷帰るけど、アレウスはまだ何カ国か国を回らなくちゃいけないんでしょ?」

「ん、あぁ4カ国ほどな」



すべての国を回りきったと思ったがまだ何個か回ってない国があったらしい、基本は飛行船という足があるジャンヌの聖騎士団に任せるつもりだけど俺が何もしないというのも気分が悪いので4カ国ほど、そこそこイリヤ王国から近い国を俺が調査することになった



「4カ国...どこの国?」

「えっと、まずはだな──ん、」


カトレアに説明をしようとしたら通信機に着信が入る



「はぁ...またか...」


俺はため息をつきながら通信機をオンにする



「アレウス?今は何を──」

「現在アレウス・アーレンハルトは留守にしておりますので通信機に出られません」

「え?!...え?」

「ピーっと鳴ったあとにご要件をお話ください」



そして俺は「ピー」っと言った後通信機のマイク部分に指を当て音を塞ぐ



「...アレウス、いくらめんどくさいからってそれはひどいわよ、ステファニア様がかわいそうじゃない」

「いや、でもなぁ...これで何回目だと思ってるんだよ」



ちなみにこれは朝から数えて14回目、20分に1度俺はステフから通信機に着信がある

クリスからも1回あったが、あいつは1回だからまだ許せる、でも流石に14回もかかってくるとめんどくさい



なんでステフが通信機を持ってるかっていうと、昨日カイゼル陛下にも渡しておこうと思ったら、ステフにも偶然ばったり会ったからクリスのこともあったしちょうどいいと思って渡したんだよね


そしたら電話感覚で俺にかけてくるわけなんですよ。地味に嫌がらせだからもしかして俺ってステフに嫌われてるのかな...?


(やっぱりアレウスさんの発想は180度回ってます...)


いやいや、14回はなかなかきついからな?



「とりあえず出てあげなさいよ」

「はぁ...わかったよ──ステフ、聞こえてくるか」

「えっと...ここは勇気を出して......ってアレウス!?」


スピーカー越しにステフの驚いた声が響いてくる。というかまさかこんな古典的なネタに引っかかるとは...いや、こっちの世界じゃ別に古典的じゃないのか


まぁ引っかかるあたりがステフっぽいけど


「あぁすまん、ちょっと忙しくて留守電モードにしてた」

「そ、そうなんですわね...あ、危なかったですわ...」



ちなみに留守電モードなんてありません

あると便利だしつけてもらおうかな



「えっと...それで要件は?」

「要件...そ、そう!要件ですわね、アレウスは今何をしているのかしら?」

「いや、20分前と変わらず馬車の中だけど?」

「そ、そうでしたの!それは楽しそうですわね!」



...いや、だから20分前と一緒と言ったでしょう?楽しみもクソもないからね?



「とりあえず、そんなに何度も確認しなくても大丈夫だからな、な?」

「そ、そんなことわかっていますわ...!ですが...!」



うーん...これはどうしたものか...


するとカトレアがちょいちょいと俺を呼んで耳元でアドバイスしてくれた



よし、そのアドバイスに乗ってみましょうか



「ステフ、3日に一度俺の方から近況報告するから、そう何度もかけてなくていいぞ?」

「アレウスがかけてくださるの...?」

「ん、あぁ、まぁこっちの活動を聞いてもらって感想もらったり意見をもらったりするのは俺としても嬉しいからな、ステフがよかったらだけど」

「いいですわ!それにしますわ!」

「わかった、じゃあ次の報告は3日後だから」

「わかりましたわ、では失礼させていただきますわ!」



ステフがそう言うと通信機が切れる



「よくこれで向こうが納得するってわかったな」

「逆にそれでアレウスがわからない方がおかしいわよ」

「うむ、少しステファニア殿が可哀想に思えてきたぞ、主殿」


ふむ、隣にいるシルにまで言われてしまった

よくわからないけど解決したから、良しとしましょうか



そういえばクリスにも3日に一度近況報告するって約束したな。まぁ同じに日にやればいいか、...というか一緒にやっていいんじゃないか...?


(アレウスさん、やめておきましょう。それだけは絶対ダメです)



やけにエリーナが気持ちを込めて言ってきたのでやめておこう


カトレアも「クリスには悪いけどここは公平にいかないとね!」とか言ってるけど、また変なこと企んでないですよね?



「それで、アレウスさっきの話の続きをしてくれるかしら?」

「さっきの続き?...あぁ俺が行かなきゃいけない国の話だな、4カ国行くのは話したのよな?えっとまず1カ国目は大陸の北の山にある雪国スノウィ王国だ」

「スノウィ王国といえば、ウィスキーが有名な所ね」

「よく知ってるな、もしかしてエドさん情報?」



カトレアは笑顔で「そうよ」と答える


俺も一応王城の書庫で行く国々の情報をそれなりに調べて置いてあった


カトレアが言ったとおり、スノウィ王国はウィスキーが有名、というか酒が貿易の最大収入となっている王国だ。北の民族で形成されてる雪山の中に存在する国だ


カトレアは酒が好きでかつ、こういった他国の話なども好きなためエドさんから聞いてたんだろうな。もしかしたら今から話す他の国も知ってるかもしれない


「雪ですか、私は見たことがないので見てみたいです」

「ん?カグヤは見たことがないのか」

「はい、というかあまり外の景色を見たこともないので」



カグヤは微笑んでそう言うが、俺はちょっとそれを聞いて苦しくなる、色々とひと段落ついたらみんなで色んなところを回ってみようかな


「ミラは見たことある?」

「えぇ、あるわよ?」

「ならカグヤがスノウィ王国について行くのは決定ね」

「「えっ??」」


カトレアの発言に俺とカグヤが同時に驚いた声をあげる



「何を驚いてるの?アレウスの旅行に私たちも1人ずつついていくわ。ちょうど4カ国なわけだしいいじゃない」

「か、カトレア!?アレウス様に悪いわよ、お仕事なんだから」

「ん、んー......いや、それはいいかもな」

「でしょ?というかね──」

「......というか?」


カトレアが少しだけ真剣な顔つきになり...


「というか、あんたがまた1人でどっかへ行って知らないお姫様とか連れてくるのを防ぐためでもあるのよ!!」


カトレアがそう宣言すると、ミラとカグヤとシルがうんうんとそれに同調するかのように頷く


「いやいや、流石にそれはないだろ?」

「アレウスのことだからわからないわよっ!だから旅行かつお目付け役のために私たちはついていくのよ!!」


カトレアが文句ある?という表情を俺に向ける


(アレウスさん、カトレアが言ってる事は最もなことですよ)


エリーナもかよ...



でも実際相手国の国のトップと会うことにはなるけど、それを抜かせばただの海外旅行なわけだし、付いて来るのはいいかもしれないな


それにカグヤに雪を見て欲しいってのもある


「まぁどんな理由でもかまわないは」

「でしょ?...それでカグヤはアレウスとデートしたくないの?」

「そ、それはしたいけど...」

「はい、なら決まりね、ミラもシルもカグヤがスノウィ王国に行くのに異論はないわよね?」

「えぇかまわないわ」

「うむ、我も同じく」

「アレウスもいいわよね?」

「あぁ、俺はカグヤがいいなら全然かまわないぞ」



むしろ誘って行きたいくらいだしな



「ほら、カグヤどうするの?行くの?行かないの?」

「アレウス様がいいと言うなら行きたいです...」

「私も行きたい!雪みたい!」

「雪みたいです!!」



ここで俺たちの話をずっと聞いていたアンとレアが声をあげる



「アンとレアもか?」

「うん!雪見てみたい!!」

「雪みたいです!!」


カグヤが見たことないなら、アンとレアも見たことがないのは当たり前か


まぁ危険があるわけではないし、一緒に連れてくのは全然構わないわけだけど



「ダメよ、二人とも」



そこでカトレアの待ったの声がかかる


「えぇ、いいじゃんカトレア!」

「いいじゃん!いいじゃん!です!」

「ダメよ、これからはエレナちゃんたちも一緒に住むんだからあんたたち2人だけってのもダメだし、ちびっ子全員連れてくのは流石に大変なんだから」

「「えぇ〜...」」

「カトレア別にエレナたちもまとめてで構わないぞ?」



アンもレアも俺のいう事は聞くし、エレナ、アリス、トニー、ベル、アベルも元気はあるがお利口だから特に手間はかからないだろうし


「それでもダメよ、アレウス、アンタは孤児院まるごとアピエダに持って来るつもりでしょ?今でさえあの5人は特別扱いなのにさらに特別扱いしたら後々大変よ?」


カトレアが少し厳しめの表情で俺を見つめてくる


確かにあいつらばっかり特別扱いしたら、俺というよりあいつらが後々面倒になるかもしれないよな


カトレアが言っている事というのは、要は「エレナたちだけずるい」っていう他の孤児院の子供たちの嫉妬とか話をしているんだろうな


「すまんな、アン、レア。我慢してくれないか?」

「えぇー...」

「雪見たかったです...」


俺の言葉にアンとレアが耳と尻尾をシュンとさせて落ち込む


「だったらアレウスが雪持ってくればいいじゃない?空間魔法使えばできるでしょ?」

「ん?あぁそれくらいならできるぞ?」



空間倉庫にしまっておけば雪が溶けるのもないしな


「アンとレアは雪が見たいんでしょ?」

「そう!!見たことないんだもん!」

「雪見てみたいです!!」

「なら、アレウスが持ってきてくれるが心配ないわ、雪見れるわよ」

「「ほんと(です)!?」」



カトレアの言葉にアンとレアのテンション及び耳と尻尾が復活する



なるほどこいつらはただ雪が見てみたいだけなのか、だったら簡単な話だな



「あぁわかった、スノウィ王国に行ったら雪持ってきてやるよ」

「「やったー(です)!!」」


喜んでる姿を見るとまだ1ヶ月くらい先の話になるかもしれないとは流石に言えないな、スノウィ王国は最初に訪問する国にしておいた方がよさそうだな


「それじゃアレウス他の国も話してちょうだい」

「ん、あぁ...って、そういえば...」

「どうかしたの?」

「あぁ4カ国って言ったけど、1カ国だけ問題があってな、エルバラシア王国っていうだけどさ」

「エルバラシア..どっかで聞いたような...もしかしてそこって今情勢が不安定な国だったような...」

「それであってるよ」



エルバラシア王国、大陸の平原部にある小国だ。カトレアが言っている通り情勢不安、というか既に内戦が起こってる状態だ。これはカイゼル陛下がイリヤ王国の調査員が報告してきた情報として俺に伝えてくれた情報だ


「正直色々と問題があるから、旅行ってわけにはいかない」


現在は何故か他国に対して情報を遮断している状態であるから詳しい情報が入ってきてない、出していた調査員も危険を察知して戻ってきたらしい、だから俺はその調査も含めてエルバラシア王国に行くことになっている


「なるほど...でも、それだと1人余っちゃうわね...」

「カトレアよ問題は無いぞ、我がついていこう」

「あぁ俺もエルバラシアにはシルを連れていこうと思ってたんだよ」



今回の1件でシルがいてくれた方が心強いしな、どうしても俺1人じゃ出来る事は限られてくるわけだし



「えっと...シルはいいのかしら?私だけ楽しむみたいになるわけだし」

「うむ、主殿が元より我を頼ろうとしてくれただけで我は満足であるからな、ミラもカグヤも気にしなくてよいぞ」

「ありがとうね、シル」 「ありがとう、シル」



シルが「うむ!」とみんなに笑顔で答える


シルのこういった所だけで俺は充分魅力的だと思うだが、シルはまだ自分を認めていないらしい


これはシル自身が自分に納得できるかどうかの話だから俺からは何かできるわけじゃないからな、それでも機会をできるだけ作りたいとは思っているんだが


「じゃあエルバラシア王国はシルで決まりね」

「そうだな、あと2カ国だが、大陸の火山部にあるマントル帝国と南部の海岸部にあるオーシアン自由国だな」

「ほんとに観光に行くような2カ国に行くのね」

「ご主人様、その2カ国はどのような国なのですか?」

「俺の調べた情報だとな──」



マントル王国は大陸で一番デカイ活火山「ヴォルケノ山」の麓に位置する帝国だ。「ヴォルケノ山」はダンジョン化していることでも有名な火山であり、特殊な鉱石が多く存在していて人族だけでなく多くドワーフの鍛冶師がマントル帝国にやってくるということだ


あと少し俺の興味を引いたことといえば彼らが崇めているのは龍神と呼ばれている古龍だということだろうか



「グランとアンナも昔マントル帝国にいたことがあるらしいわよ、なんでもマントル帝国の地酒がドワーフ酒に負けないくらい美味しいらしいのよね」

「へぇ、そうだったのか。だったらグランに少し話を聞いてみてもいいかもな」

「なかなか興味深い国だったのよね。ねぇミラ、よかったらマントル帝国は私に行かせてもらえないかしら?」

「いいわよ、話を聞いた感じカトレアが行くべき国みたいだし」

「そうよね!特殊な鉱石に美味しいお酒!すごい興味深いわ!」


それを聞いたミラが「お酒は程々にね」と笑って返す


ミラは酒飲まないからなぁ、というか俺たちが禁止してるんだけどね。ミラは酔うと絡み酒になるんだよ、しかもかなり厄介なやつ


前に一度一緒に飲んだ時は大変だったな...


(ははは...あれは思い出しただけで...)


あれは強烈だったからな...どんなだったかは言えないけどさ



「まぁとりあえずカトレアがマントル帝国だな、じゃあミラはオーシアン自由国だな」

「そうですね、できればオーシアン自由国の説明もしていただけたら嬉しいです」

「あぁもちろん話すぞ──」



大陸南部の海岸部に位置するオーシアン自由国、別名「大陸の港」。国王などの統治者は存在せず、貿易議会というグループが国の運営をしている


オーシアン自由国の一番の有名な事といえば他の大陸へとアクセスが出来るアインス大陸唯一の港が存在する国であるということだろう


そのために交易が盛んで多くの商人たちがオーシアン自由国に集まってくる


まぁこれが自由国である所以でもあるのだが


「まぁあとは南国の特殊な生態系が存在するってことぐらいかな」

「あとは有名な観光地でもあるわよね、確か大きなリゾート施設があるって聞いたことがあるわ」


俺が調べた事は事務的な情報が多かったためカトレアが補足してくれたような娯楽的情報をあまり仕入れなかったんだよな


「うーん...リゾート施設を考えると羨ましいわ、ねぇミラ──」

「ダメ、ご主人様と私の2人きりで行くわよ」

「で、ですよね〜...」

「まぁこれでみんな決定か?」



こういう時のミラは下手に触れるとかえってこっちが痛い目を見る可能性があるので俺はあえてスルーをする


「ふふふ、ご主人様と砂浜で...」

「マントル大陸...お酒、鉱石...それにアレウスと...ふふっ...」

「初めての雪かぁ...楽しみだな」

「うむ...我も今日からまた鍛えるとしよう」


4人とも各々デートを楽しみにしてくれてるみたいだ


そういえばこうやって一人一人と一緒に過ごすっていう時間はあまりとってこなかったら俺もすごい楽しみだな


(ナルムヨルグの捜索のほうも忘れないでくださいよ?)


それはしっかりわかってるっての、そのために行くんだからな



そして窓からブリストンの街が見えてきた──


お読みいただきありがとうございます


第5章は領地経営+各ヒロインのソロ回を混ぜていく感じでやってきます


「The trigger of desire 〜銃とエロが世界を救う?〜」もやっと更新できたのでよろしくお願いします

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ