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ようこそ、理想郷へ〜俺のLuck値がどう考えてもLack値な件〜  作者: 林桃華
第4章 聖国の聖女と最強の戦乙女編
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待ってましたエージェントアレウス

よろしくお願いします


前回のあらすじ

アレウス「迷子やで」

ジャンヌ「任務はどないすんねん」

ミリィ「わいを助けて」

ジャンヌ「し、仕方ないわい」

「主殿!!」


「シル!あの2人はどこに?」


「うむ、あの建物の中に入っていった」


 俺はシルが指さす建物を見る


「どう見てもパン屋よね」


「あぁパン屋だな」


「うむ」


 まぁ男の片方がパン屋って事は知ってたんだけどさ、という事はあの男の店ってことになるのか


「店内に人は?」


「店員が1人いるだけであるぞ、あの男たちの姿は見当たらなかった」


「じゃああの2人は店の奥の方にいるってわけね」


「多分そういうことだろうな」


 さて、どうするかな。その店の中にいる店員とやらも教団関係者の可能性があるわけだしな。無闇に突っ込むのも...今回もあの手でいこうか


「シルとジャンヌはここにいろ」


「何をする気?」


「まぁ見てなさいって」


 俺はゆっくりと歩き徐々に気配を消していき、そして最後にコートによる透明化をするこれで周りにいる人間も俺がいきなり消えたとは気づかないだろう


 まぁジャンヌとシルは普通に気づいてるだろうけどさ


「それじゃ行きますか」


エージェントアレウス、久しぶりの出勤である


 俺は音を立てないように気をつけて店内に入る


(見たところ普通のパンですよね)


「(まぁほんとにただのパン屋の可能性だってあるわけだし)」


(そしたらアレウスさんは今回小さな女の子と手をつないだだけになっちゃいますね)


「(迷子を助けたと言え)」


 エリーナとおしゃべりする気が失せたので俺はレジ先にいる店員を無視して店の奥まで入る


(誰もいませんねぇ)


「(あぁ誰もいないな)」


(ということは...?)


「(ほうほうエリーナさんもわかってるじゃないか。それじゃあ期待通り......「ソナー」)」


 俺は「重力魔法」の小さな圧力変化をかけて部屋の構造を把握する


「(ここの壁か...確かに床のところに隙間が......よっと...)」


 床と壁のあいだにあった隙間に指を差し込んでみると、壁が上にあがり、そこには地下へと続く階段が広がっていた


(今回は秘密の部屋パターンじゃなかったですね)


「(まぁこれも秘密の部屋みたいなもんだろ)」


 さて、ここは1人で行ってしまおうか...


 いや、ここで2人を置いていく色々と文句言われそうだしな。レジ先にいる店員をどうにかするか


 そして、俺はレジにいる店員の背後に立ちーー


「ちょっと失礼」


「え?うっ......!」


 俺が首の後を手刀で叩くとそのまま意識を失って崩れる


「教団関係者じゃなかったら申し訳ない話なんだけど」


(仕方ないんじゃないんですね)

 

「まぁそうなんだけどな、とりあえず2人を呼ぶか」


 俺はその後店から少し離れたところにいた2人を呼んだ。2人きりの時2人は何してんだんだろうか、でもどっちも興味なしって感じだからずっと無言だったんだろうな


「で、店員気絶させたのは仕方ないとして何かあったのかしら?」


「あぁこっちに来ればわかるさ」


 俺は2人を店の奥へと連れていきさっき見つけた秘密の地下への階段を見せる


「この奥に何かあるってことね?」


「あぁ多分教団関係なのは確定だろうな」


 本当にただのパン屋とレンガ職人じゃなくてよかったよ



「それじゃ...っとライトが欲しいよな」


 地下へ続く階段には灯りなどは何もついていなく真っ暗闇だった


 俺は暗視スキルがあるから問題は無いが、2人は違うからな


「その問題は無いわ」


 ジャンルがそういうと炎の小球を3つ発生させて宙に浮かせる。


「「火魔法」か、助かる。じゃあジャンヌが先頭を頼む」


「わかったわ、それじゃあ行きましょうか」


 そしてジャンヌ、シル、俺の順番で下っていく。そしてしばらく下っていくとーー


「む...!!」


「ん?どうしたシル?」


「いや、暗視スキルを手に入れた。ふむ、確かに見やすくなったな」


「あぁなんだ、そんなことか」


「いや、そんなことって...簡単にスキル手に入れられて羨ましいわよ」


 え?スキルって結構ポンポン簡単に手に入るものじゃないの?


(アレウスさん、アレウスさんは私の加護の恩恵を受けてますし、シルはフェンリルの娘で特別です。普通はそんな簡単にスキルは手に入りませんよ)


 あぁそういえばそうだったな。カグヤもなかなかスキル取得できなくて悩んでたのを忘れてたよ。そう思うとミラとカトレアの取得速度は異常だな、まぁあの2人もある意味特別だしな


「ん?階段が終わるわね...」


 ジャンヌが言ったとおり階段はそこで終わり、次は奥へ奥へと長い廊下が続いていた。もちろん奥は闇となり何があるかわからない


 奥に祭壇みたいなのがあるのだろうか?そうなると魔神がここにいる可能性もあるわけか


「ちょっと待て......「ソナー」」


 俺は奥へと広がる道やその先の空間を把握する


「アレウス・アーレンハルト、あなた何を...」


「ちょっと待ってくれ...」


 俺は読み取った空間を頭の中で立体化させる。確かに奥には広間のような空間が広がっている。しかしそこに人の反応はない。大きな台座のようなものがひとつある。この台座は確か初めて倒した魔神ドレアムの召喚に使われた時と同じやつだ


「おいおい、まさか...」


 しかしその広間はもぬけの殻状態、という事は既に魔神が召喚されている?でも、何も被害があったような形跡は見られない


「ねぇ、ちょっとさっきなら黙って一体何を...」


「待つのだジャンヌ殿、主殿の邪魔をしてはならぬ」


 シルとジャンヌがなにか話してるが今はそれどころじゃないぞ。もしかして手遅れなのか?いや、でも魔神から感じる独特のあの波動をまだ察知してないという事はまだ何か動き始めたわけじゃないのか



「あ......!おい、ジャンヌお前この国の地図持ってるか?」


「いきなり何を...!」


「持っているのか、どうなんだ?」


「え、えぇ持ってるわ。これよ」


 俺はひったくるようにジャンヌから地図を受け取る


「ここがパン屋で、この道はこっち側に伸びてる、という事は台座がある位置は......」


 俺は地図上指をたどって、台座がある広間の位置を特定する


「おい、これはかなり厄介な話になってくるぞ」


「一体なんだと言うのよ、あなたはさっきから何をしてるの?」


「俺はこの先に広がっている空間の構造を把握した、そしてこの奥には魔神の復活に使う台座があることが分かった。そしてその台座がある位置は...」


 俺はもう一度地図のある場所を指さす


「まさか...本当なの?」


「あぁ最悪な場合な」


「まさか......あんた、今回は王族が関わっていると言うの!!」


 そう、俺が指さした位置、台座のちょうど上にあるのはこの国の王城であった


「わからない、可能性の話をしているだけだ」


「でも、もしそうだったら」


「......この国を潰すことになるかもしれないな」


 この国のトップが魔神と関わってもなりゃ国際問題だからな、簡単に魔神を倒してはいおしまいとはいかないだろう


「とりあえず、この先の奥の広間を調べてみるぞ」


「えぇ、まだ魔神とは決まったわけじゃないものね」


「あぁそうだな、とりあえず行くぞ」


 そして俺たちはほかの道を無視して、俺の先導によって台座のある広間まで向かう


「これは......!」


「くそ、面倒なことになったな」


「主殿、あそこにあるのは?」


「シルは初めて見るんだったな。あそこの台座の上にある大きな水晶が魔神を封印していたものだ」


 まぁ俺も見るのは二回目だけど、あれは魔神を封印していたもので間違いない。ドレアムの時と同様に紫の巨大な結晶、そして巨大な鎖、あれは間違いなく魔神を封印していたものだ


「では、あれが割れているということは...」


「あぁ既に封印が解かれているってことだな」


 手遅れだったのは悔やまれるが、一体今その魔神はどこにあるんだ?一体何をしている?だか、ここ最近で大きな事件があった話なんて聞いてない、じゃあ別の大陸に?


「今そんなこと悩んでても意味はないか...」


「アレウス・アーレンハルトどうするの?」


「今俺もそれを考えてる...」


 そうだ、今はこれからどうするかだな。王族が関わっているかどうかはわからないが、王城にいる何者かが関わっている事は確定だ。だがそいつらも既にこの国にはいない可能性も高い。さっきの二人組のような下っ端はいるかもしれないが、トカゲのしっぽ切りをされて終わりだ


「とりあえず、王族がここに封印があったのを隠していた可能性は高い。王族だったら語り継がれているはずだ。とりあえずは......そうだ、お互い自分の国へ戻ることにするぞ、そしてお前は教皇様に俺は陛下にこのことを伝える。幸い俺のとこもお前のとこも三大国のうちの二国だ、その二国が判断したとなればほかの国に文句は言われないはずだ」


「えぇ、そうね。私たちだけの判断で動いて、もし間違いを起こしたら国際問題となって国自体に迷惑かけることになるわね」


「そういうことだ...なぁ気になったんだが、今回の件ってこの国の者に伝わっているのか?」


「いえ、それはないわ。聖教国が独自に調べた情報を元に信頼のあるイリヤ王国の協力を極秘に頼んだから、大丈夫なはずよ」


「そうか」


 一応それは内通者がいないという前提だけど、今そんなことを言える状態ではないな


「とりあえず私の部隊にこの国の監視をさせたままにするわ。とりあえずあなたと私はすぐに自国に戻りましょう」


「あぁそうだな。そうだ、俺たちは飛行船に乗らないでそのまま帰る。あとの事は任せていいか?」


「えぇ、それで構わないわ」


「そうだ、これを渡しておく」


 俺は空間倉庫から通信機の予備をジャンヌに渡す


「これは通信機だ、協会本部内じゃ使えないが他の場所でなら使えるはずだ。何かあったらそれで俺に連絡しろ」


「わかったわ、それじゃあ私は飛行船に戻るから」


 そう言ってジャンヌは何も無い空間から扉を開く

 これはジャンヌのユニークスキルか?空間に作用する能力なのかな?


 まぁ今はそんなことを考えてる暇はないか


「シル、俺たちも戻るぞ」


「うむ、では行こうか」


 そして俺もシルの手を握ってイリヤ王国へと転移した

お読みいただきありがとうございます


このままだと第4章がジャンヌのお披露目だけになっちゃいそうなのでもう少し厚みが出るように頑張ります


「The trigger of desire 〜銃とエロが世界を救う?」もよかったら読んでみてください!エロ重視とは言ってますが、ストーリーの方もそれなりにこだわって書いてるのでエロが苦手な人はそこを読み飛ばしてもいいのでよかったら読んでくださいお願いします!!

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