迷子
よろしくお願いします
前回のあらすじ
ルーナ「私が聖女」
アレウス「なんやて〜」
「暑いなぁ...」
俺はパタパタと手をうちわのようにしながらそんなことをぼやく
「主殿よ、我とくっついてれば暑くないぞ」
そう言ってシルがピタリと俺にくっついてくる。本当はくっつかれたら暑いはずだがあら不思議シルの体はヒンヤリしていた
「これは氷魔法の応用か?」
「うむ、我は暑いのが苦手だからな、少し応用をきかせてみた」
(はぁ〜ひんやりしてて気持ちいいですねぇ)
まったくエリーナさんの言う通りです
シルのモッチリ素肌にヒンヤリ感触最高ですね
「目の前でイチャイチャされると余計にイラつくのだけれど...」
「ん?あぁ悪い悪い」
暑さで既にイライラしていたジャンヌがこめかみに怒りマークを浮かべて俺にそう言ってくる
なぜ暑いのかというと俺たちは砂漠に囲まれた国「サンドリア」に来ていた
ここに教団関係者がいると情報があったのだ
ちなみに俺もシルもジャンヌもこの国特有の民族衣装を着ている
女性はベリーダンサーが着るような扇情的少しエッチな服装だ
「んで、教団関係者と思われる2人の様子はどうだ?」
「今は特に変化ないわね」
「主殿よ、この甘味がうまいぞ。ほら、あーんだ」
俺は「あーん」と口を開けてシルに食べさせてもらう。うん、確かにうまい
「だから目の前でイチャつかれる人の気持ちになりなさいって...」
おっとジャンヌ様がどうやらまたまたお怒りのようだ
ちなみに今は俺とシル、ジャンヌの3人のみで教団関係者と思われる2人組をカフェのようなところで張り込みしている
まるで何かの映画のようだ
「ほんとにあいつらがそうなのか?」
「えぇ、私の部下の調査してきたのだから確実よ」
ふーん、俺の鑑定にはパン屋とレンガ職人と映ってるんですがね。まぁでも教団関係者かどうかは鑑定でわからないんだけどさ
「しかしあの2人は何を話してるんだ?」
「知らないわよ、あっ、ふたりが動いたわ。別行動するわね」
「じゃあ片方はシル頼んでいいか?」
「うむ、では我がガタイのいい男の方を追うことにしよう。では主殿何かあったら連絡しよう」
「あぁ、頼んだぞ。それとローガもついていけ」
『御意』
ローガが俺の影からシルの影へと移っていく。やっぱりローガの影移動は便利で羨ましいな
「んじゃ俺たちも行くか?」
「えぇ、行きましょう」
俺はテーブルに代金より少し多めに金を置いてその場をあとにする
◇
「で、なんで私があなたと腕を組んでなきゃいけないのかしら?」
「はぁ...お前こういうの慣れてないだろ?余所者感がすごい出てたし、違和感ありまくりだからだよ。観光に来たカップル装っておけばそこまで不自然じゃなくなるだろ?」
実際ジャンヌは10m程先の男をおっている時追跡に集中しすぎてほかの人にめちゃめちゃぶつかってたし
流石にバレるかもと心配になったから俺が手綱を引くことにしたということだ
(やはりアレウスさん、恐ろしすぎる!!)
別に何も恐ろしくないだろうがよ
「ほら、見失っちまうぞ、行くぞ」
「わ、わかってるわよ」
そう言って俺は無理やりジャンヌの腕を引っ張って追跡を行う
街の中は多くの露店が並び地元の人間やら観光客やらでごった返していた
たぶんこれほどの人の海だったら向こうがこちらに気づく事はないだろう
露店市場には色々なものが売られていた
この国特有の装飾品とかいい感じのお土産があったらみんなに買っていこう
「あいつらはどこに...ん、あれは...」
タイミング悪いところであるものを発見してしまったのは、しかしそれをほっとくことは出来ないわけで...うーん、とりあえずは
俺は通信機に手をかざす
「シル聞こえるか」
『む、この声は主殿か、どうした?』
「悪いがローガよこしてくれないか?」
『わかった、ローガ主殿のところへ行け。主殿、少しすればローガ行くであろう』
「わかった、ありがとう。じゃあ頼んだぞ」
『うむ、任せておけ』
そして、俺通信機を切る。さてさてローガはーー
『お呼びでしょうか、王よ』
早いな、ほんとにすぐ来たよ
「あぁあの男を追え、行けるか?」
『御意、何かあったらまた報告に来ます』
「あぁ任せたぞ」
そうしてローガは影から影へと移っていく
「何かあったの?」
「まぁちょっと色々な、ほれ、ついてきなされ」
「ちょ、どっち行くのよ!!」
そして俺はジャンヌ腕を引っ張って見過ごすことができないそれの元へと向かう
「お嬢ちゃん、こんなところで泣いてどうしたんだい?」
「この子は...迷子?」
そう、俺が見逃せなかったものは人の群れの中でポツリと立って泣きじゃくる女の子であった
(流石にロリコンですねぇ、流石としか言いようがありません)
うるさいな女神だな、まったく
「うぅ......ひっく...うぅ、お、お母さんがどこかに行っちゃった......」
「そうか、そうか、ひとりで寂しかったな。ほれ、俺たちが一緒にお母さん探すの手伝ってあげるから、泣かないでくれよ」
「ちょっと、アレウス・アーレンハルト、今は!」
「別に女の子ひとり助けるくらいの余裕はあるさ、それにローガにつかせてあるから大丈夫だ。それでお嬢ちゃんの名前はなんて言うのかな?」
「......ミリィ」
「そうか、ミリィか。俺の名前はアレウス、こっちのお姉さんがジャンヌだ。ほら、お母さん一緒に探してやるから、な?」
「う、うん...」
そう言ってミリィは涙をふく
「うん、いい子だ。ジャンヌこんな小さな女の子をほっておくつもりか?」
「でも、任務が...」
教皇が言ってた通り真面目すぎるな、真面目すぎて大事なものを見失ってるよ
「はぁ...聖教国が誇る騎士団の団長様は泣いてる小さな女の子をほっておくのか?」
「そ、そんなことないわ!!ミリィちゃんの女の子を探しましょう」
「最初からそう言ってくれよ。ほらミリィ俺と手をつなぐぞ」
「うん!えっと...じゃあお姉ちゃんも!」
「え、私も...?」
「うん!!......ダメ?」
「だ、ダメじゃないわ」
堅物な聖騎士団長様も小さな女には勝てないみたいだな
そしてミリィを真ん中にして俺たちは3人手をつないでミリィの母親を探すことになった
「えへへ〜」
ミリィはさっきの涙はどこへやら、満面の笑みを浮かべている
「そういえばミリィはどうして迷子になったんだ?」
「ミリィね、お母さんと買い物してたらいきなりお母さんがどこかに消えちゃったの」
なるほど、買い物中にお母さんとはぐれてしまったと。誘拐とかじゃないといいけどな
そして30分ほど露店市場あたりを歩いているときのことだ
「あ...!」
「ん、どうした?お母さん...じゃあないな」
ミリィがいきなり立ち止まり、何を見ているかと思えば、それは「サンドリア」名産の宝石を使った髪飾りを売っている露店だった
ミリィはそれを目を輝かせて眺めている
どれどれ、ミリィが見てるのは...あれか
「おじさん、このピンクのやつ...あと、この水色のやつと、黒いやつ......うーん、そうだな...あとそこに並んでるやつを六個全部ください」
「気前がいいねぇ、旦那!!家族旅行かい?」
「まぁそんなとこですよ、はい、これが代金です」
ここで否定するとややこしくなりそうなので適当に流しておくことにした
確かに他人から見たら夫婦に見えなくもないかもな
そして俺は合計九つの髪飾りを露店の店主から受け取る
「ほら、ミリィ俺からのプレゼントだ」
「わぁ!!いいの?」
「あぁほら、俺がつけてやろう」
俺はその場にしゃがみこんでピンク色の花を型どった髪飾りをミリィにつけてあげる
「うん、可愛いぞ」
「えへへ〜、そうかなぁ」
将来有望なことは確かだよ
(はぁアレウスさんがついにこんな小さい子まで...)
だから違うって言ってるだろうがよ
「ほい、これお前に」
俺はジャンヌに蝶を型どった黒い髪飾りを差し出す
「え?私に?」
「あぁミリィにあげて、お前にあげないのは普通におかしいだろ?」
ちなみに水色のはシル、あと他のはお土産のぶんだ
「で、でも...」
「ほら、もう買ったんだから貰ってくれよ」
「お姉ちゃん、ミリィがつけてあげるね!」
いいぞミリィ、そのままそのあどけない笑顔でジャンヌを陥落させるのだ!!
(今日のアレウスさんは本当に絶好調ですね...恐ろしい)
だからお前は何なんだよ、エリーナ
「わ、わかった」
そう言ってジャンヌがしぶしぶとしゃがみ込む
「はい、お姉ちゃんつけたよ。えへへ、可愛いね、似合ってるよ〜」
「そ、そうかしら?その、ありがとうね」
ジャンヌが少し恥ずかしそうにしながらミリィに俺をいう
「な、何よ...」
「いや、似合ってるぞ、買ったかいがあったな」
いやーさすが黒髪美人、すごい似合っていらっしゃる
「あ、あなたの感想は聞いてないわよ!!」
「はいはい、そうですかい。じゃあミリィ、お母さん探しを続け......「ミリィ!!」ん?」
「あ、お母さん!!」
ミリィが俺の手から離れた現れた女性の方へとたったか走っていく
「ミリィ!!よかった、無事だったよね...」
「うん、お兄ちゃんとお姉ちゃんが一緒にいてくれたから大丈夫だったよ!」
ミリィがそういうとミリィのお母さんがこちらを見て立ち上がる
「すいません、娘をありがとうございます」
「いやいや、露店市場で泣いてるところを見かけまして、お母様と会えて本当によかったですよ」
「本当に、本当にありがとうございます...」
そしてミリィの母親は何度も何度も俺たちにお礼を言った
「本当にありがとうございました」
「いえいえ、もうお礼は十分に言っていただけましたから」
ほんともう何度目ですか...
「ほら、ミリィちゃんとお礼言いなさい」
「うん、お兄ちゃんありがとう!!これ大事にするね!!」
「あぁお母さんと会えてよかったな。可愛いぞ、ミリィ」
「えへへ、ありがとう!それにお姉ちゃんも!ミリィと手をつないでくれてありがとう!!」
「うん、ミリィちゃんがお母さんと出会えて私も嬉しいわ」
そう言ってジャンヌが少しためらいながらも恥ずかしそうにミリィの頭を撫でる
「えへへ〜」
「では、本当にありがとうございました。ミリィ行くわよ」
「うん!お兄ちゃん!お姉ちゃん!ばいばーい!!」
「あぁじゃあな、ミリィ元気でな」
「さようなら、ミリィちゃん」
そう言って俺たちはミリィとミリィの母親の後ろ姿を眺める
「こういうのも悪くないだろ?」
「何が言いたいの?」
「世界を救ったりすることよりも目の前の女の子を笑顔にする方がよっぽど大切だってことだよ。小さな女の子1人笑顔にできなくて誰かを救うことなんてできないぞ?」
「それは......確かにそうかもしれないわね。ミリィちゃんの笑顔を見ててなんだか暖かくなったわ」
なんだ、わかってるじゃないか
これを機に堅物なところも少しはなくなればいいんだがね
さて、捜査を続行しますかね
『王よ』
「お、ナイスタイミングだな。どうした?」
『追っていた男が建物に入りました。シル様が追っていた男もその建物に、今はシル様が張っております』
「ありがとう。ジャンヌ、あの男達がどこか建物に入ったらしい、行くぞ」
「えぇ、すぐに行きましょう」
そうして俺たちはシルに通信で居場所を教えてもらい、そこへ向かったーー
お読みいただきありがとうございます
新しいのをまたはじめましたが、この作品が基本的にこの作品を中心に頑張っていきたいです
ですが!この作品に出ないようなタイプの女の子が出る作品も読んで欲しいので良かったら読んでください!
題名は「The trigger of desire 〜銃とエロが世界を救う?〜」です!気が向いたらお願いします!




