聖女と教皇
よろしくお願いします
「アレウス・アーレンハルト、その女性は一体誰かしら?」
「あぁこいつはシルっていう、俺の仲間だよ」
「仲間?あなたの仲間にそんな名前の女性いたかしら...?」
「あぁ最近の話だから、知らない方が普通だ。なんか問題あったか?」
「いえ、別に問題はないわ。いきなり仲間連れてきたのに驚いただけよ、一体どんな方法を使ったのか気になって」
「まぁそれは企業秘密だよ」
流石にテレポートで来ましたなんて言えないんで、すいません
「んで、わざわざお前が来たって事はなんか用事なんだよな?もう出発か?」
「そうね、出発の準備はもう出来てるわ。でもその前に教皇様や聖女様に会ってもらうわ」
「なるほど、わかった、今からか?」
「えぇ、ついてきて」
まぁ流石にイリヤ王国の代表として来といて国のトップに挨拶しないってのは問題があるしな、それにこの国のトップの人がどんな日とかは知っておきたい
「主殿よ、彼女は?なかなかの実力と思われるのだが?」
「あぁあいつはジャンヌ、この国の最強の聖騎士団長様だよ」
「なるほど、1度手合わせ願いたいな」
こらこら、やめなさいって
そんなギラギラにさっき放ったら周りの人が困っちゃうから
まぁジャンヌはそんな殺気も気にせずに廊下を歩いてるからあいつもあいつでやっぱり大物だよ
「アレウス・アーレンハルト、先に聖女様に会ってもらう」
「ん、わかった」
「聖女様、失礼します」
ジャンヌがノックをして扉をあける
そして扉の先にはーー
「彼女がこの聖ダイス教国の聖女である、ルーナ・クル・マルナド・フォルトナ様だ」
「はい、ルーナ・クル・マルナド・フォルトナと申します、初めまして!!」
「あは、あはは、よろしくお願いします...」
うん、何がよろしくお願いしますかな?ルーナさんや
「主殿、あれはルーナ殿じゃないか?」
もうほら、うちのシルさん素直だからこういう反応しちゃうじゃないですか
「アレウス・アーレンハルトどうかしたのか?」
「いや、何でもない。聖女様、お初お目にかかりますイリヤ王国アーレンハルト侯爵家アレウス・アーレンハルトと申します」
「はい、よく存じあげております」
でしょうねぇ、そりゃ知ってますよね
いたずら大成功って顔してるな
クリスといいルーナといい、なんでこう年上を困らせようとするんだ
後ろでシルがはてなマーク浮かべて首かしげちゃってるじゃないですか、この子出来る女風の見た目ですがこういうことに疎いんですよ
「お兄...ではなくて、アレウス様はどうしてこちらに?」
「はい、ルー...じゃなくて聖女様と教皇様に挨拶にまいりました次第です」
「なるほど、そういうことでありますか」
クリスの時みたいに「あはは」「うふふ」と笑顔がぶつかり合うことはないが、なんだろうかこの取り繕った表面上の会話は
「ルーナ様、私たちは教皇様に挨拶に行かないとならないので」
「あら、それは残念だわ。ですが皆さんはやることがありますから仕方ありませんね」
「はい、それでは。いくぞアレウス・アーレンハルト」
「ん、あぁわかった」
本当に挨拶だけなのか、まぁでも早めに切り上げないとうちのシルさんがなんかボロ出しそうだから助かるんだけど
「あ、アレウス様!」
「ん、なんでございますか?」
するとルーナが俺の耳元に顔を寄せて
「びっくりしましたか、お兄様?」
本当にびっくりしたよ、まったく...
そして俺たちはルーナの部屋をあとにして教皇様の部屋へと向かう
「主殿よ、主殿はルーナ殿がこの国の聖女だと知っておったのか?」
「いや、全く知らなかった、マジでびっくりだよ」
「うむ、主殿の周りには面白い女性が集まってくるのだな」
「いや、面白い女性って.....」
(いや、なかなか面白いですってハーフエルフに天才っ子、獣人にフェンリルの娘、お姫様や聖女様、全く普通じゃないですよね?)
あ、エリーナさん、お久しぶりっすね
(ちょっとちょっとぉ!私だって別にアレウスさんと普通に会話してるじゃないですか!この作品で取り上げられないだけですよ!!)
そういうメタ発言はやめなさいってまったくもう
「ここが教皇様の部屋よ、最近の体調を崩されているから気をつけなさい」
「あぁわかったよ」
確か事前情報で教皇様は結構なお歳と聞いていたからな、体調を崩してるのは知らなかったけど
「教皇様、失礼します」
ルーナの時同様に扉をノックして部屋の中に入る
「おぉ、よく来てくれたな。あなたがアレウス・アーレンハルト殿かな?私はダイス教の教皇をやっている、クリストフ・フォン・カミラという。すまないね、ベットの座りながらで」
フォン・カミラってジャンヌと同じ性じゃないか、一体どういうことだ?とりあえず俺も挨拶を返しておかないとな
「いえお気になさらないでください、知っているとは思いますが、イリヤ王国アーレンハルト侯爵家アレウス・アーレンハルトと申します、よろしくお願いします。隣にいるのは従者のシルと申します」
「シルというよろしく頼む」
ちょっとシルさん、相手は国のトップなんだからもっとしっかり挨拶してくださいよ
「すいません、うちの従者が」
「いえいえ、お気になさならくて結構ですよ。よろしくお願いしますシル殿」
ほっ、教皇様がかなり優しいおじいさんで助かった。ちょっと内心ヒヤヒヤしたよ、ジャンヌがちょっとムッとしてから
「アレウス殿、ジャンヌは素直じゃなくて真面目すぎるところもありますがどうか力になってあげてください」
教皇様はまるで父親のような笑顔を浮かべて俺にそう伝えてくる
まさか本当にジャンヌの父親なのか?
いや、ジャンヌは転生者だからそれはないだろう
「あの、教皇様...?」
「ジャンヌ、父親が娘を心配するのは当然だ。」
「わかっておりますが、私の事は心配しないでください、教皇様」
「別に私の事は昔みたいにお父様と呼んでくれてもいいのだが」
やっぱり2人は親子なのか?
なんというか、親子の確執的な物を感じるけど俺が首を突っ込むべきではないだろう
「おっと、すまないね。アレウス殿よろしくお願いします」
「はい、俺が出来ることなら力にならせていただきます」
そして俺と、一応シルも教皇様と握手を交わす
「それでは教皇様、失礼します」
「うん、ジャンヌもあまり無理はしないでくれよ。アレウス殿よろしくお願いします」
「はい、わかってます。私も教皇様の体調が良くなることを願います。気持ちばかりですが少しだけ光魔法で回復魔法をかけさせてもらいますね」
俺は別れ間際に教皇様の肩に手をのせて回復魔法をかける。正直病に対してはまったく効かないのはわかっているが気持ちだけでもってことだ、体は活性化されるし悪い事はないだろう
「おぉ、なんだか体が軽くなった感じがするよ」
「それなら良かったです、失礼します」
そうして俺たちは教皇様の部屋を出ていく
「それじゃあそのまま飛行船に向かいましょう。それと......」
「なんだ?」
「教皇、いえお父様のこと、ありがとう」
「いや、気にするな」
なんだよ、父親思いな娘さんじゃありませんか
まっ、2人の関係はたとえ血が繋がってなくても親子だと思っておけばいいんだよな、大事な事は血のつながりじゃないってことさ
「やっぱり主殿は優しい男だな」
「ありがとさんよ」
そうして俺たちは飛行船へ乗り本来の目的のため、魔神を崇拝する教団の調査へと向かったーー
お読みいただきありがとうございます
告知です、やっぱり色々と考えて新しいやつを載せてみることにしました!(誰にも読まれたいとか言われてませんが!!)
題名は「The trigger of desire 〜銃とエロは世界を救う?〜」です
7月24日(日)の12時に投稿します!!これを投稿した日の12時ですね!!
最初は2話ほど載せときますので良かったら、読んで感想を言ってくれるととても嬉しいです!この作品とはちょっと異なり、エロ方面全開なのでよろしくお願いします!!