新装備
句読点についてご指摘いただいたので全て見直し
誤字脱字を含めて気づける限り改善しました
よろしくお願いします
グラン夫妻に防具の製作を頼んで2ヶ月がたった
「朝食を食べたら、グランたちに会いに行こう。」
「頼んでいた防具ですね?」
俺達は宿で朝ごはんを食べながら話す
「あぁグランの腕なら間違いないから楽しみで仕方ないよ」
「ふふ、ご主人様ったら子供みたいですね」
ミラさん、俺はいつでも少年の心だよ?
朝食を食べ終わりグランたちの元へ向かう
「おう坊主来たか、それに嬢ちゃんも」
「あれから2ヶ月だが防具は出来たのか?」
「あぁバッチリさ、奥の部屋にある。ついてきてくれ」
そういってグランは俺達をカウンターの奥へ誘う
「嬢ちゃんはこの部屋だ。アンナがいるから説明を受けるといい。坊主はこっちだ」
「では、ご主人様」
「あぁ後で会おう」
俺はそう言ってドランの後についていく
「さぁこれを見てくれ」
ドランはそういってマネキンの一つを指さす
その指の先には光を吸収してしまいそうなほどに黒い
漆黒のローブだ
「コイツは俺の最高傑作だ」
ドランが俺にローブを手渡してくるので、受け取る
そして、ドランからの説明が入る
大本の素材はシルクスパイターの糸で編み上げ、所々に様々なドラゴンのヒゲを組み込んだらしい
俺はそのローズを着込んでみると
「おっ...」
「どうだ?魔力によくなじむだろ?」
「あぁ全く違和感がない」
「全部シルクスパイダーの糸を使ってるからな、それにその装備のすごい所はそこだけじゃないぞ」
ドランがさらに説明を加える
このローブにはいくつかの機能があるらしい
まず、一つが武器の召喚だ。これは武器の名前を呼べばすぐに出できて、逆にしまうことも出来る。
これはミラのディアボロがでかいため考えたことで俺もつけてもらった。
ついでに黒ローブを鑑定してみた
天装・ディザスター
なんという荒々しい名前でしょうか、というかなんでローブにディザスターなんて名前ついちゃうかな、突っ込んだら負けな気もするけど
そして、もう一つが透明化だ
これは俺が頼んだもので、俺の魔力を流せば透明になれるらしい。簡単に言えば透明マントだ。これはシルクスパイダーの特性を活かして作られた機能だ
「まさか透明化なんて考えちまうとはな、坊主もやっぱり男だってことか?」
ドランがニヤニヤして聞いてくるが
断じて否定したい。というかドランよ、会った時よりずいぶん喋るようになったな...
「あとお前の要望以外にも、環境適応と自動洗浄をつけといたからな」
「あぁありがとう。助かるよ。にしてもこれはほんとに凄いな」
俺は鏡の前でマントをひらひらしながらいろんなポーズをとる
「ま、素材が素材だったからな。ワシの全力を尽くさせてもらったよ、そろそろ嬢ちゃんの着替えも終わってるだろう」
ミラの装備か...実際どんなデザインにしたか聞いてないんだよな。早く見てみたい
部屋から出るとどうやらミラたちは先に終えていたみたいだ
「ミラ、装備はどうだった.....ミラ?」
「はい?」
そう言ってミラは振り向くが俺はそれどころではなかった
ミラはメイド服を着ていたんだ
「なぁミラ、それってメイド服か?」
「はい、メイド服ですよ?」
「なんでメイド服なんかに?」
「それはもちろんご主人様のお世話をするためです。あ、大丈夫ですよ、これはバトルドレスですから」
「いや、そこらへんは気にしてないんだが...」
「がっはっは、坊主タジタジじゃねぇか!」
そう言ってグランは俺の背中をバンバン叩く
ちなみに鑑定結果は
霊装・メギド
メギドとメイドがかけられているようにも感じる
感じるだけで終わって欲しいけど
ちなみにこのメイド服にも俺と同じ素材を作ってるらしく、俺の透明化の代わりに認識阻害の機能がついている。これがあればミラは街中でもフードをかぶる必要がなくなる
「坊主、あとこのインナーを渡しておく。これは龍のウロコをふんだんに使ってるからな、お前のローブだけでもオリハルコン並の強度だが、素材が沢山余っていたからな作ってみた」
そう言って俺とミラにインナーを渡す。
いや、インナーなら一番最初に渡してよ、もう
「あぁありがとう。2人には感謝しかないよ、本当にありがとう」
「構わん、構わん!素材も沢山もらえたしな!また何かあったら来てくれよ」
「あぁまたお世話になるよ」
俺達はドラン・アンナ夫妻と別れ、新装備の具合を確かめるためにダンジョンに向かった
ダンジョンに向かっている途中
「ん、向こうから人が沢山来るな」
「そうみたいですね」
向こうから、騎士を引き従えた男がこちらにやってくる。俺達は道を開け横を通ろうとすると
「おい、そこのお前ちょっと待て」
そう言って俺達を止めてきた
「あの、何でしょうか?」
俺がそう返すと
「お前じゃない、メイド服を来ている貴様だ、ちょっとこっちへ来い」
「私ですか?」
「あぁお前だ、なかなか可愛らしい顔をしてるじゃないか。この街の領主である私、オラス・ノマロさまがお前を雇ってやろう。ちょうど俺が買おうとした奴隷が逃亡していた所でな。」
男が名乗った瞬間ミラの身体が震える
オラス・ノマロだと?俺は衝動に駆られるように男に鑑定をかける
オラス・ノマロ(悪魔契約)
種族 人族・男
年齢 23
職業 貴族
Lv.150(12)
HP 10500/10500
MP 9000/9000
ATK 3000
DEF 3000
SPD4500
M-A3000
M-D3000
Luck-------
スキル
狂化 S
ユニークスキルー
魔法
闇魔法
加護
邪神の加護
(邪神ですって?)
エリーナがいきなり声を上げるがこいつは色々と問題がありそうだな
でも今はまずミラを助けないと
「すいません、彼女は私の仲間でして」
俺は2人の間に割って入りミラをオラスから隠れるようにする
「なに、貴様みたいな弱そうな男がか?」
ーーあ?何だって?
(アレウスさん落ち着いてください)
いかんいかん、少し気がたっていたようだ。ここは穏便に済ませないと
「はい、申し訳ありませんがオラス様のお話は断らせていただきます」
「ふっ、気に食わないがまぁいいだろう。私はもうじき結婚するんでな、その時祝ってくれたら私は構わないよ」
結婚するのにミラを連れていこうとしたのか?この下衆め
「はい、その時はしっから祝福いたします」
「殊勝な態度だ。行くぞお前達」
そういってオラスは騎士たちを連れて去っていく
すれ違いざまに騎士たちに笑われたりしたが穏便にすませられるならそれでいい
「ミラ、大丈夫か?」
俺はミラのほうを向いてミラに問う
「はい...すいません...私...」
「大丈夫、もうあいつはいない」
俺はそう言ってミラの背中をさする
「私...すいません...呪われていた時のことを思い出してしまって...」
「あぁ怖かったな。でも大丈夫だ、ミラには俺がついている」
「はい...ありがとうございます」
ミラが落ち着いたようなのでミラから離れる
「すみません、もう大丈夫です」
「あぁそれならよかった、それと問題がある」
「何ですか?」
「ちょっと気になることがあってな、どうやらあいつは悪魔と契約していて、さらに邪神との繋がりがあったんだ」
「悪魔...邪神...」
「あぁ多分あいつはミラの呪いの原因と何か大きな関係があるんだろう」
「それは...!確かに見過ごせませんね」
「あぁだから、あいつと近いうちに戦うことになると思うんだが大丈夫か?」
「ご主人様、それなら私が戦わせては頂けないでしょうか?」
「大丈夫か?」
「はい、任せてください。もう弱い自分でいたくないんです」
どうやらミラは自分で克服したらしい、こればっかりミラ自身の問題だったから俺にはどうすることも出来なかったんだ
「なら、任せる。俺はお膳立てをしよう」
結局その後はダンジョンは中止して、街でお菓子を買って孤児院へ行くことにした
「ふふ、みんな喜ぶでしょうね」
「あぁベルにはずっとお菓子を催促されてたからな、どんな顔するか楽しみだよ」
ミラもすっかり立ち直ったようでよかった
俺はそう考えてると孤児院からエレナがこっちへ走ってくる
「おう、エレナ!早いお迎えだな!」
俺はエレナはそう言うがエレナは俺に言葉を返さずに俺を抱きしめてくる
「エレナ、どうしたんだ?」
「エミリア先生が...エミリア先生が領主さまに連れてかれちゃった!!」
エレナは顔に涙を浮かべて俺にすがるように言った
この問題は一筋縄では解決出来ないようだ
お読みいただきありがとうございます
ご意見、ご感想があったらどんどんいってください
余裕があったら深夜にもう1本短めですが書こうと思います




