乙女心
よろしくお願いします
シルの一人称を「我」に変更させていただきました
うまく投稿できていなかったのでこの時間になってしまいました、申し訳ございません
誰にも意見をもらえない悲しみに耐えて題名を少し変えさせてもらいました。これで少しはタイトル詐欺を回避できていると思います
「忘れたのか主殿よ!シルであるぞ!」
「いや、うん、忘れたっていうかね......」
別に全然覚えてるよ、シルさんでしょ?
あのフェンリルの娘の。でもシルさんって確か狼じゃありませんでしたっけ?こんなボインボインの銀髪美女じゃありませんでしたよね?
「ほんとに覚えているのか、顔をそらすでないぞ!」
「いや、そのシル、自分の体をよく見てみろ......」
「自分の体.........なんだこれは!!」
シルが自分の手を見ると驚きに声をあげ、にぎにぎしながら呆然としている
「えっと、わかってくれたか......」
「うぅむ......確かにこれは......」
ふむ、どうやらシルも動揺しているらしい、まぁ自分の体がいきなり人間になってたら驚くだろうな
手をニギニギし、そして何故か俺の方を見る
「どうしたんでしょうか......?」
なんだろう、すごい嫌な予感が.....なんか狼に睨まれてるみたいなんだけど、いや実際シルは狼なんだけどさ
「主殿っ!!」
バフッ!
「おわっ!」
そしていきなりシルが俺に抱きついてくる
俺はシルの大きいお胸に挟まれて、いわゆるぱふぱふの状態になっている
「うむ、主殿のぬくもりを感じるぞ。こうやって主殿を抱きしめることをどれだけ望んだか......」
「もごっ...!もごもご!もごっ!(苦しいっ...!シルさん!苦しいっ!)」
「あぁん......!こら、主殿...!そんな暴れて、あぁ......!」
俺とシルは全く違う意味で叫ぶ
いやというか俺自身は客観的に見たら幸せなんだかマジで苦しいんだけど
「まったく主殿は......、確かに雄として当然ではあるが少し激しすぎるぞ......」
「ぜぇ...ぜぇ...死ぬかと思った......」
シルはなんか勘違いをしているが俺は命の危険がかかっていたので必死だったんだ
(そんな事言っちゃってホントは嬉しかったんじゃないですか?)
まぁ幸せだったのは否定しないけどさ
「うむ、まさか本当に人間になるとはな...」
「なんか見当があるのか?」
「いや、父も人の姿をとれるのでな、我も、もしかしたらと、それでも驚いてはいるが」
確かに神様だったら、人間の姿になることは出来そうな気もするな。シルもその娘だから可能だと
「まぁ確かに驚きだな、とりあえず1回服を着てくれ......っと言いたいところだけど、どうしたものか......まぁいいや、悪いけど一旦俺のを着てくれ」
俺はそう言ってシルに俺の着替えを渡す
見たところ170cm位はありそうだから、俺のサイズの服を来ても多少ぶかぶかになるくらいだろう
「着替え終わったら、みんなのところに行くぞ、多分そろそろ朝食だし集まってるだろ」
カトレアのこともあるし、早めにみんなに言っておいた方が問題が起きないだろう
しかしこれはどう説明したものか、まぁみんなに信じてもらえばいい話か。それでもカトレアの機嫌を治すのは大変そうだ...
◇
「ぐすっ...アレウスが...アレウスがぁ......また知らない女と......」
「もう、カトレア落ち着きなさいって」
「ミラぁ......だって朝アレウスの部屋に言ったら知らない女と寝てたのよ!裸で!」
俺とシルがダイニングに行くと既にみんなが集まっているというか、カトレアを慰めるために集まざるを得なくなっているというか
「そんな訳......ご主人?それに...」
「ほらね!知らない女の子がまた増えてるわ......!」
「アレウス様本当に......」
ミラとカグヤもシルを見て呆然としている
いや、まぁそりゃ勘違いしますよね
「あれ、シル?」
「シルだけどシルじゃないです?」
なんとアンとレアはこの銀髪女性がシルだとわかるのか、子供のかんってやつなのかな?
「お前らわかるのか?」
「うん!なんかね同じ匂いがするの!」
「シルの匂いです」
同じ匂いか......うーん、わからなくもないけど、ここで匂いをかぐいかないよな
「あのご主人様、それはどういう意味で...」
「あぁなんというかな、これシルなんだ」
「うむ、シルであるぞ」
俺が俺の隣にたっているシルを指さすとシルもそれに従って俺の肯定する
「まさか、これがシルなんですか?」
「うむ、カグヤ殿、そうであるぞ」
カグヤもそれを聞いて目を丸くして驚いている。驚きますよね、僕だってまだ驚いてますもの
ミラとカトレアはまだ驚きながらも納得してるみたいだな、ミラに関しては基本的に動じないタイプだしな
あとはカトレアなんだがどう見ても機嫌が悪いままだな、頬をふくらませてブスッとしてるし
「なぁカトレア事情はわかっただろ?機嫌を直してくれないか?」
「......(ブスッ)」
俺はミラとカグヤに顔を向けるが何故か2人は微笑みを返してくれるだけ。あれは「大丈夫ですよ」っていう聖女の微笑みか「てめぇが悪いんだよ」っていう悪魔の微笑みか、どっちなんだろうか
「な、なぁカトレアさん......?」
「......ごめん...」
「え、なんだって?」
「だから......!ごめんなさいって言ってるの!その...私の勘違いで...」
「あ、あー...うん」
正直俺が怒られると思ってたから謝られるとは全く考えていなかった。いや、これはどうすればいいんだろうか
「で、でもアレウスが...ホントは昨日は私の番だったのに...も、もちろん私が工房で寝落ちしちゃったことは謝るんだけど...その...」
確かに昨日はカトレアとキャッキャウフフする日だったんだが、工房に顔を出すと机に突っ伏して寝ているカトレアがいたので、起こすのも悪いかなと思って毛布だけかけてその場から去ったんだ
まぁその直後に裸の銀髪女性、もといシルが俺のベッドに入っていたというとてもタイミンクが悪い話だったんだ
「あー...えっと...そのほんとにすまないな」
「あ、アレウスが謝ることじゃないのよ...!どちらかといえば寝ちゃってた私が悪いし、勘違いしたのも私だから......でも...でも!」
まぁよくわからないが女心というやつだろうか。いや、女心がどんなものとか勝たれるほどわかってないけど、たぶんそんな感じなのはわかる
しかしこのままだとどっちも謝って平行線の状態が続くだけな気がするな
「主殿よ、えっとこれは我の責任か......?」
「「それは大丈夫、気にするな(しないで)」」
「そ、そうであるか...」
俺とカトレアの声が見事に被り、シルがそれの勢いに押されてしまう
「はぁ...このままじゃ埒が開きませんね。ご主人、僭越ながら私からご提案が」
「提案?」
「はい、今日1日はカトレアと一緒にいてあげてください。せっかくの休日ですし、それがいいでしょう」
「えっと...俺はそれでいいけどな...」
俺はそう言ってミラの方をチラリと見ると
「...それでいいわよ......」
カトレアもそれでいいみたいだ、まぁ今日1日はカトレアの機嫌を直しながらゆっくり過ごすことになりそうだ
機嫌が直るといいんだけど...
お読みいただきありがとうございます