信じられない光景
んん……
騒がしいな、悲鳴とか聞こえてくるんだけど
何だっけ?てか俺なんで立ちながら寝てたんだ?
……ダメだ!思い出せない
なんか目もかすれてよく見えないし…
っ!!?な、何なんだよこれ!!
柊木は目を開けると信じられない光景が辺りに広がっていた
言葉も出ないような状況で柊木は辺りを見回した
足元には血まみれの骸骨が転がり
目の前20m先には腕が落ちており
すぐ右隣にも半分骨になってしまっている死体が横たわっている
そして生徒を追いかける白い見たこともないウロコのない魚のような生き物
それに食われている生徒
その全てが柊木の脳内一気に流れ込んだのだ
死んだであろう人達からは見覚えのあるエフェクトのようなものが出ていたのだが
そんなことには気づいている暇などないだろう
そして柊木の頭はまたパンク状態になる
ズキッ
「ツッ!!くっそ、頭が痛い……何かちょっと前にもこんなことあって頭めっちゃ使ったような……
んなわけないか……とりあえずこの状況から逃げ出さなきゃな……
そういえば俺の横に誰かいる?」
実はさっきからボーとしていた柊木を必死に正気に戻そうとしていた男がいる
その男はそう、神崎である
「オイ柊木!!柊木ッ!!!」
柊木が目を開いたのも神崎のおかげだった
神崎はずっと柊木に呼びかけていたのだ
「神崎!!神崎じゃん!!生きてたのかお前っ!!」
柊木も神崎に気づいたようだ
「は?死んでねーよ、横にいんだから…ってそんなことより!正気に戻ってよかった!!」
「これっいったいどういうことなんだ!?肉食動物が学校に大量に放たれたのか!?」
「そんなんじゃねぇ!!とにかくここにこれ以上いるのは危険だ!走って移動するぞ!!」
神崎は迷わず校舎の方へ走り出した柊木はそのあとを追う
「神崎!!何で学校に逃げるんだよ!!俺……家に帰りたいんだけど!!」
「それはやめといたほうがいいというか無理だ!
学校の敷地から外に出た瞬間あの白い人食い魚が感知して大群で襲ってくるんだ
しかもおそらくだがなぜか向こうからはこちら側が見えていないっ!!」
神崎は簡潔に答える
この騒動が起きてから柊木が目覚めるまで少し時間があったようだ
「見えてないってどういうことなんだ?」
「今は理由なんて考えないほうがいい!わからないことだらけだ、生きることだけを考えるべきだ」
神崎、何かお前いつもより頼もしいな
と言おうとしたがなんとなくやめておいた
「とりあえず走りながら説明するぜ」
「あぁ頼むよ」