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踊らされる人生。嗚呼、あんたが憎いよ+(ぷらす)

あの女タラシから一緒の学校に行くことを聞かされた私は、何の冗談だとばかりに、事の真相を知っていそうな小父様に詰め寄っていた。

小父様曰く、あの馬鹿が独自のルートで私の男子校行きを実行させたという。

いい迷惑だ。誰もんなこと頼んじゃいないってーの。

何とかならないものか、と小父様に問えば、この時期に覆すことは難しいと、困ったような表情に、隠しようのない喜びを滲ませた笑みを浮かべていた。

それはそれは、楽しそうな表情でしたよ、こんちくしょう!


……ったく。この親馬鹿が。小父様に頼んだ私が馬鹿だった。

“自分の力”という名のパイプを駆使して私の男子校行きを実現させた挙句、小父様の力を持ってしても変えられないように巧妙な手口で完璧に、尚且つばれないようにやり遂げた息子に、嬉しがってるしこの人。

てか、普段からそういうことしないくせに、変なところでその力を発揮させるっておかしいから。あの馬鹿も。


あーもう。こうなったら小母様に訴えよう。

小母様が言えば、小父様も本腰を入れて私の男子校行きをなかったことにしてくれる。そうに違いない。

だって、小父様は小母様にベタ惚れなんだもん。

意気揚々と小母様のところに行った私は、最初から最後まで丁寧に懇々と説明した。

いかに自分が男子校に行きたくないかを、だ。

説明を聞き終えた小母様が、まず始めに言ったことといえば“……まぁ。まるで小説みたいなお話ね。楽しそうじゃない”だ。

……楽しそうじゃないって、超他人事ですね小母様。

てか、貴方たちのような人たちと知り合いって時点で、小説のような有りえない展開だって気付いてます?

気付いてないよね?うーわー。……まじで?もうダメなわけ?


―――結局、何も変わらなかった。

私の男子校行きは、確実のものとなった。

うちの親も、もうちょっと抵抗するとかしないかなー普通。

言いようにあいつに言い包められちゃってさ。


もう、いいや。なんか、ほんと。どうでもいい。諦めて男子校に行こう。

って、……ん、あれ?私の人生終わってない?

男子校に通うということは、私という存在が男として世間様相手に偽るということだから……。


え、ちょっ。就活とか進学のときとか、私どうすればいいわけ?!

確かにあの学校は、偏差値の高い学校として認識されているけど、履歴書に書けないじゃんか。

男子校卒だなんて、性別上女の私がそもそも書けるものでもないし……っていうか、本当にどうしよう。

あぁ、こうなったら小父様に頼み込んで、コネとかコネとかコネとかを最大限にフル活用して、小父様の経営する会社、引いては子会社辺りにでも働けるようにして貰えないかな?

といっても、社員だとぼろが出そうで怖いから、いっそうのこと掃除婦でもいいから、そういったところで働かせて欲しいな。

こう、慰謝料的な意味合いで。


……って、そもそもあいつがこんな馬鹿なことしなけりゃ、こんなことで悩まなくて済むのに!!

最近不景気だっていうのに、なんで自分の首を更に自分で絞めるようなことしなきゃならんのさ。

本当にありえないんだけど。


ねぇ、私の幼馴染さん?


『踊らされる人生。嗚呼、あんたが憎いよ+(ぷらす)』  了

私、女の子が男装して男子校に通うことになるっていうのが好きなんですけど(設定的に美味しすぎると思う)

今改めて考えると、どういう理由であれ、男子校に通うことになった彼女たちの将来は、果たして大丈夫なのだろうか?と、そう思うのです。

いや、だってね。そもそもこの設定って必ずと言っていいほどスペックの高い男たちとの恋愛が大前提にあるじゃないですか。

何せ、どこを見渡しても男ばっかりですからね……!


初めはそんな気のないヒロインだったとしても、気付けば色々な男たちからアプローチされてて、なんか逆ハーになってて、最終的にその内の誰かと落ち着く。みたいな。

そうなるってわかっていて読んでいるところがあったので、何の疑問もなかったんですけど……今考えると、この前提がそもそもおかしいのでは?と。

物語のように恋人が出来てなかったら?と考えた結果、この話を思いつきました。

ぷらすと書いてますが、実際はこっちが本当に書きたかった部分でもあります。

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