表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
55/57

手折られた花の行方は・5

恨んでもいいから。

憎んでもいいから。


関心を持たれない方が、よっぽど辛いから――。



『手折られた花の行方は・5』



人々が眠りに付く頃。私は行動することにしました。

箪笥の中に収納されていた衣服をいくつか鞄の中に詰め込んで、……その中には、初めて私が異世界に召喚されたときに着ていた服も入れておきました。

私と元の世界とを繋ぐモノ。今の私にとって、唯一縋れる大切なモノでしたから。


衣服の他に、二度の食事で出された物の中で、比較的保存がききそうな物をいくつか鞄の中に入れました。

肩から斜めにかけるタイプの鞄を提げ、午前中に書いた手紙を机の上に置きました。

そっと、机を指で名残惜しげに撫で、



「……さよなら」



二度と開かれることのない城内へと続く扉に一瞬だけ視線を向けた私は、全ての想いを断ち切るように隠し扉にそっと手を添え、



『手折られた花の行方は・5』 了



ぱたりと、静かな音を立てて閉まる扉。

今日この日をもって、部屋の主はいなくなった―――。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ