表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
32/57

目隠し鬼・伍

色鮮やかな打掛も、結びに工夫を凝らした前帯も、全て剥ぎ取ったその裸体の前では霞む。

「……これに触れていいのは、私だけだ」



『目隠し鬼・伍』



初めて、ということで着飾ったけれど、どうもお気に召すものではなかったようで、内心落ち込んでしまう。

「……どうしよう。これで帰られたら」

折角の指名だというのに。

それに、夕霧姉さんの新造だというのに、憤慨して帰られてしまったと、そう広まれば……。

姉さんの名に泥を塗ってしまうことになる。

気落ちした状態で私は、機嫌を損ねてしまったであろうお客様の下へと戻るのだった。


*   *   *


戻ってきたあやめを後ろから抱き寄せ、この腕の中に閉じ込める。

柔らかな肌を感じたかったのだが、まるで着せ替え人形のように多くの着物を重ね合わせたあやめの姿に、内心舌打ちしたくなった。


「……っあ、」


ほっそりとした白い項に唇を寄せれば、身を震わす華奢な身体。

男を知らないその姿に、笑みが零れる。



これから知っていけばいい、ゆっくりと。



――――私の手で。




『目隠し鬼・伍』 了

これにて「目隠し鬼」は、終了です。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ