表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
30/57

目隠し鬼・参

あれを眼に留めたのは、今から六年前のこと。

当初は、毛色の変わった猫程度としか思っていなかったが……。



『目隠し鬼・参』



夕霧が来るものとばかり思っていたが、そこに現れたのは一人の少女。

初めて眼にする、柔らかな黄色を帯びた白い肌。

その肌に、はらはらと零れる艶やかな黒髪もまた珍しく、興味を引かれた。


じっと見ていれば、観察対象物が慌てたように頭を下げ、何か必死に言い募っている。

その声もまた、耳によく馴染むもので、決して不快と思えるものではなかった。


「あ、あの……」


もう一度その顔を見たくて顎を持ち上げれば、髪と同じ漆黒の瞳が揺れる。

「くくっ、そうか。……なるほど」

これが、夕霧の“お気に入り”か。

教養を受けているにも関わらず、初心といってもいい程の反応には、嗜虐心がくすぐられる。



―――欲しい。



何故かこのとき、そう思った。




穢れを知らない無垢なる白を、紅で染め上げたいと―――。




『目隠し鬼・参』 了

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ