覚えられるか馬鹿!②
キーワード。
異世界転生・下品・変態
『ちょっぴり成長したよ?』
ども。前世は日本人だった人間です。
あの後色々あって、こっちの世界の言語をこれでもかっていうくらい頭に植えつけられた。
こっわい家庭教師にね……!あの野郎いつか大人になったら、ピーにピーして、ピーさせてやる。
って、ああ。そうそう。
私ってばそれなりにいいとこのお家に生まれたらしいの。
家庭教師雇えるくらいだからね。
爵位でいうと伯爵ってところかな?
だからさー、ただでさえ言語覚えるだけで、げぇっ(゜Д゜;)って感じなのにそこにプラスしてマナーだとか刺繍だとかやらなくちゃいけないから死ぬかと思った。
てか、毎回口から魂抜きかけてるわ。はぁ、しんどっ。
なんで、貴族の家に生まれちゃったかね?
あ、で。今の私は、ミフォナ・グルエド・エバンシーナっていう名前。
にしても横文字覚えるのって苦手なんだよねー私。私どっちかってーと世界史よりも日本史派だから。
けど、貴族の淑女たるもの貴族様の名前と顔は覚えておきなさいってあのクソ家庭教師が言うのよ。
勿論、彼の言うことは一理あるって分かってるよ?
分かってるけどさー、勉強したくないっていう想いが強すぎて覚えることに対して拒絶反応が出ちゃってんのよ。
面倒くせーとか。覚えてもねぇ(笑)みたいな感じで。
だって私、お姉ちゃんと違って社交界デビューする気ないし。
出来れば手に職を持って前世のような家庭を持ちたいって思っているだもん。
その為の勉強なら絶対に苦にはならないしね!
何が楽しくて弱い者苛めに加担したり、扇で顔の一部を隠しておほほほって言わなくちゃいけないのよ?
私ってば結構沸点低いから、苛める奴には制裁を下すタイプなのよねー。
あ、でも殴ったりしないよ?
私には頼もしい部下がいたりするから、こう裏でちょこちょこっとね(´ワ`*)
今のところ私自身デビューしてないから苛められることがないけど、大好きなお姉ちゃんがどうにもこうにも殿下に見初められたみたいでね。
それはそれでいいんだよ?
この国って身分制度あるけど、結婚については恋愛結婚も認められているくらいだし。
だから、大好きなお姉ちゃんが大好きな人と結ばれることに口出しするつもりはない!
でもね、殿下ってばそれはもういい男らしくてね。
お姉ちゃんが周りの嫉妬深い女狐やらそいつらの金魚のフン共に目を付けられてるっぽいのよ。
ここでビシっと殿下が護ってくれたらかっこいいんだけど、男が護れる範囲にも限界があるでしょ?
そこで私の優秀な部下たちの登場ってわけ!
王宮内には警護の人もいるけど、お姉ちゃんだけを護ってくれるわけじゃないから、私の部下……といっても女性にお姉ちゃんにばれないように護ってもらっているの。
ああ、けど。
私がデビューしてしまえば、私の手で護れるってことだよね?
部下たちのことを信用してないってわけじゃないけど、やっぱり大好きな人をこの手で護るっていうのも魅力的なのよねー。
はうぅ。どうしようかな?
けど、デビューしちゃったら私の夢が叶えられなくなっちゃう。
夢を取るか、お姉ちゃんを取るか。
でも、お姉ちゃんが王太子妃になっちゃえばこっちのもん。
立場が与えられるわけだから、苛めがなくなるかと思えばそう問屋は卸さない!!
嫌な女っていうのは、他にすることないの?っていうくらいねちねちと精神攻撃とか仕掛けてくるんだよね。
てかさー、殿下の好きなお姉ちゃんを傷つける=殿下の想いを踏み躙ってるってことに気付かないのかねぇ?
ある意味侮辱に相当してると思うんだけど。
それに気付かない頭っていうのも(苦笑)
私ってば、かなーり知能レベル低いけど、そんな私でも分かるのにね。
うーん。どうしよっか。
夢は前世で叶っちゃってるし、お姉ちゃんを護りにいこうかな?
こう、裏と表でこっそりと、ね。
『ちょっぴり成長したよ?』 了