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異世界からこんにちわっ!

キーワード。

異世界転生


たちばな あおい。  

異世界に転生を果たした女子高生。

あ゛~~これって、所謂異世界転生もの?

しかも、何でか知らんけど前世の記憶を引き継いじゃってて、赤ちゃんからやり直して、怒涛の羞恥プレイを受けちゃうとかいう、あれですかね?


【説明しよう!!!

あれ( ・・)とは、創作小説でちらほらと見かけるようになった転生ネタだ。

今回はどうやら異世界に転生を果たしたヒロインのようなので、ありがちな展開を大まかに君たちに説明するとしよう。

まず、この手のものに出てくる主人公たちは、大概何らかの事故に巻き込まれ、生前の記憶を持ったままの状態で異世界に生まれ落ちることが多い。

その際、何かの手違いで死んでしまった場合、色々とオプションを天上の者たちから与えられ、チートと呼ばれる存在になることが多い。

といっても、最近では誰からの干渉もない事故だったとしても、チート並みの能力を持って転生する者もいるようだが。

これらのチート設定は、魔法が存在する世界で多いに役立っているそうだ。

例えば、魔力が異常な程高かったり、全ての属性の魔法を扱うことが出来たり。

何百年に一人と言われるような特別な存在だったり、精霊と仲が良かったりなど、まぁ色々と一般人よりも美味しい設定が備わっていることが多いだろう。

その過程で、身分の高い者に目をつけられたりする可能性も高いといえば、高い。

何せ、幼少期の段階で異常な程の力を保持している上、頭の回転も早い。

年相応ではない態度に加えて、その世界にはない知識をひけらかしていれば、目に留まらないほうがおかしな話だろう。

面倒ごとを避けたいのなら、その世界で普通に生きることをお奨めしたい。

おおーっと、少し長くなってしまったようだ。それでは、この物語のヒロインにお返ししよう。さらばだっ!!!】



『異世界からこんにちわっ!』



……今の、何?

まぁ、自分から説明する手間が省けたからいいんだけどね。

んじゃ、まぁ。私は、自分が置かれてる状況でも話すとしますかね。

まずは、そだね。名前。名前は必要だよね。私の名前は橘葵。

花も恥らったかね?と問わずにはいられない女子高生でした。

~でした、というからに私はもう“橘葵”じゃない。

ある日、どうやら交通事故に巻き込まれちゃって、ほら、さっきの説明のお兄さんが言ってた、よくあるパターンらしいその事故のせいで、気付けばベットの上。

天井を見上げることしか出来なかったんだけど、明らか病院でも私の部屋ってわけでもないその場所に、軽く混乱してたら、めちゃくちゃ可愛い美少年が私を覗き込んで見てるじゃないっ!

やっべ。興奮しすぎて鼻息荒くなってそう。

あどけない表情をした美少年君は、少年らしからぬ昏いで私を見下ろしてこう言ってきた。


「……誰からも必要とされていない僕たちの妹。お前みたいな奴、生まれてこなければ良かったのにね」


……何!?君以外にも可愛いお兄ちゃんかお姉ちゃんが私にいるのか!?

やっべー。早く会いに来ないかなって―――って、違うだろう自分!!!!

なんていうか。こういうのって普通ちっちゃな赤ちゃんに言う言葉じゃないっていうか。

そもそも、まだこんなにも小さい男の子が言うセリフでもないっていうか。


ううむ。なんつー 場所トコロに生まれちまったんだ私。やり直しを要求する!!



『異世界からこんにちわっ!』 了


ただ単に説明するお兄さんと少年に「生まれてこなければ良かったのにね」と言わせたかっただけなんです。

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