114話 涙を燃やせ!2
マレー[と、父さん]
シュンヘイ[おめえの稼ぎなんか無くたって生きていける!]
マレー[そんな足でどうするっていうんですか!? 母さんの事も考えてあげてください!!]
シュンヘイ[うるせえ! おめえはお国の為に働いてりゃあいいんだよ!!]
マレー[.....!]
オリョウ[あなた、そんな言い方...!]
シュンヘイはオリョウの顔をはたく。
オリョウ[いたっ!]
マレー[母さん!]
マレーはオリョウに寄り添う。
マレー[何て事...!]
シュンヘイは車椅子から飛び出し、落ちる。
シュンヘイ[いいか、俺達の事はいいんだ! お国の為に働け! でなくば縁を切る!!]
マレー[嫌です! 俺はここで...!!]
シュンヘイ[マレー! お前は俺の子ではない!]
マレー[え]
オリョウ[あなたやめて!!]
シュンヘイ[もうここへは来るな....いいな!!]
マレー[.......]
マレーは飛び出していく。
シュンヘイ[.......]
マレーは無線機を出す。
マレー[エレジー、応答頼む。こちらマレー.ラキだ]
ソル[どうしたマレー]
マレー[....ミス.ヘラニーに代わってくれ。頼む]
ヘラニー[お待たせしました。ハフ.ドラゴンの事ですね。ライライ博士にも来て頂いています]
マレー[詳しい事を聞かせて下さい。お願いします]
ライライ[人の知恵とドラゴンの凶悪さを身につけていると言われる伝説の種族じゃ。何百年か前以来ぷっつりと目撃が消えておるがね]
ヘラニー[マレー様がハフドラゴンである事に私は確信を持っています。恐らく人間として生きるようにロックがかかっているんでしょう.....それが外からなのか内からなのかは分かりませんが]
マレー[....もしだ、もし仮にそうだったとして......どうすれば力を発揮出来る?]
ライライ[ふむ....聖域ニアリ.バーンへ行って見てはどうだ? あそこにはハフドラゴンの遺物が多数あるという。行ってみる価値はあると見るよ]
ライライは地図を確認する。
ライライ[ミストの上部の小島だな。どうする?]
マレー[ソル艦長、行けますか?]
ソル[グーリー医師に訪ねてからだ。追って連絡しよう]
マレー[了解しました。ありがとうございました、ミス.ヘラニー、ライライ博士]
ヘラニー[いえ....おきをつけて]
ライライ[またの!]
通信が終わる。
マレーは地下に入ろうとするが鍵が開かない。
マレー[開けてください! 父さん! 俺の....本当の両親は...!]
シュンヘイ[お前には父も母もいない!]
マレー[.......くそ]
マレーはドアを叩きつける。母は泣いて父を睨む。
シュンヘイ[あいつは優しすぎるんだ、父親に似てな....あの力は我々だけの為にあってはならない。いいんだ、これで....]
マレーは小島の聖域ニアリ.バーンにいた。そこには人のいたような痕跡が多々あった。小さな像が落ちている。その像は角、尾、鋭い爪がついた人間らしき形をしていた。そして胸に大きな文字のようなものが書かれている。
マレー[......]
その時
?[よく来た、同胞よ....]
マレー[!!]
?[わがもとへ.....]
マレーがふと気づくと、花に囲まれた実に華やかな場所にいた。見渡す限りが花園で、あの像のような人?が何人もいる。
マレー[何だ貴様らあああああああああーーーっ!!!!]
マレーは剣を構える。その奇妙な人間達は女ばかりだった。