109話 アローの挑戦!2/110話 アローの挑戦!3
夜
アローは重装備に大きな盾を購入。剣を2本、ナイフを6個もって遺跡内に入る。
アロー(俺はこれを神の慈悲と受け取った。同時に試練だと....)
棒に火を着ける。静かなひんやりとした空気がアローの肌を刺激する。暫く慎重に進む。
アロー(特には....)
向こうから人影が来る。アローは剣を構える。
アロー[!!]
それは人型をしたゼリー状の物体だった。ゆっくりと近づいてくる。
アロー[な、くるんじゃあねえええ!!]
アローは思わず切りつけてしまう。しかし止まらない。
アロー[はっ]
剣が溶けている。
?[サ...キ...ヘハ....]
アローはそいつに火をつける。すると燃えて溶けていく。
アロー[なんなんだ...一体]
ガコン
アロー[!!]
足元の床が凹む。アローは思わず前転する。ドシンと天井が降ってきて退路がなくなる。
アロー[ありえんぞこれは!!]
更に向こうから矢が飛んでくる。アローは盾を構え、防ぐ。すると隣の壁がガシャンと開く。
アロー[!!]
そこから鉄球が飛び出しアローの兜を直撃する。兜はへこみ、頭から血を流してアローは倒れる。
アロー[つっ....ここにいるのは...まずい]
アローが曲がり角を曲がった時だった。巨大な鉄球が転がってくる。
アロー[おかしいぞこれは...!]
アローは戻り、鉄球をやり過ごす。
アロー(毎回誰かが罠を設置しているのかここは!? 明らかに人の手が加え...!!)
鎧から煙が立つ。
アロー[......!]
アローは上を見る。あのゼリー状の奴が降ってくる。
アロー[うおおおおおおおおおお!!]
アローは盾を上に向けてガードしたが盾は溶けていく。すると足を何かが掴む。
アロー[!?]
虎ばさみのようなものが足具にくい込んでいる。木の丸太のようなものが目の前の壁から飛び出してくる。
アロー[計算されすぎだああーーっ!!]
溶けていく盾で受け止めるが、盾はバラバラに崩壊する。アローは足を掴まれたまま転ぶ。
アロー[!!]
向こうから順々に床が抜けていく。
アロー[ま、まずい...!!]
アローはナイフで虎ばさみを外そうと試みる。
アロー[か、固いか!?]
どんどん床が落ちていく。
アロー[うっ、くそ!!]
アローは足具から足を外し、後ろを見る。
アロー[!!!]
先程の落ちた天井で後退出来ない。
アロー[退路が...!!]
アローは振り向く。同時に床が抜ける。
アロー[つおおおお!!]
アローは出っ張りに手をかける。
アロー[んんん!!]
アローはどんどん鎧を捨てていく。
アロー[も、持たん...待て!!おおおおお!!]
その時
天井が上にストンと上がる。そしてアローは手を捕まれる。
ヘイスティ[うおおお...大丈夫だテムプト!!]
アロー[くう...!]
ヘイスティはアローを持ち上げる。
アロー[はあ、はあ、はあ.....]
ヘイスティ[あ、危ねえぜお宅]
アロー[ありがとう、助かった....でもどうしここに?]
ヘイスティ[え? あ、いやあ~その....]
テムプト[ま、まあほら...危険な罠も多いでしょうし...]
ヘイスティ[お、おいこら!]
アロー(そういうことか...)
ヘイスティ[いや、その....面目ねえ]
その時
アロー[!?]
周りが大きな広間と化す。
アロー[何だと!?]
ヘイスティ[え!? どこここ!?]
すぐ目の前にゼリーの奴がいた。
テムプト[う、うわああああ!! 何だこいつらあ!?]
アローは火のついた棒を突っ込む。ゼリーは溶け、火も消える。
アロー[こいつらに武器は効かん!! 火葬しろ!!]
ヘイスティ[どうなってんだよお~!]
次々とゼリーが現れる。
アロー[あそこの出口から逃げるぞ!!]
ヘイスティ[行くぞテムプト!!]
テムプト[は、はい!]
テムプトは荷物を落としてしまい転ぶ。
アロー[おい!!]
テムプトは立とうとするが、そこへゼリーが来る。
テムプト[た、助けて!!]
ヘイスティが飛び出す。
アロー[足だ! 足を切れ!!]
ヘイスティ[ファアアアアア!!]
ヘイスティはゼリーの足を切り落とす。ゼリーは倒ればたついている。
ヘイスティ[うわああああああ!!]
手にゼリーが飛び、ヘイスティは顔を押さえ込み暴れる。アローがヘイスティを抱えようとするがヘイスティはパニックになっている。
アロー[テムプト!!]
テムプト[あった!!]
テムプトはダイナマイトを出す。
アロー[やばい...]
アローはヘイスティを殴り付け、抱える。
テムプト[そうりゃ!!]
テムプトはダイナマイトを投げつける。
アロー(間に合わん!!)
アローはシートを広げ2人と一緒に被る。ゼリーの集団は爆発し、シートに飛び散り、シートは溶ける。アローはシートを投げ捨てる。
ヘイスティ[顔がああ!!]
アローはヘイスティの顔を掴む。
アロー[どこもやられちゃいない! 手を火傷しているだけだ!!]
ヘイスティ[へ? ほんと?]
ヘイスティは自分の顔を触る。
テムプト[機転効いたなあ]
アローはテムプトを殴る。
テムプト[いでっ!]
ヘイスティ[え? 何すんだよおい!!]
アロー[機転をきかせたのは俺だ!! 今度無茶をしてみろ! 俺が殺すぞ!!]
テムプト[いってえなあ....てめえ]
テムプトがアローにかかろうとした時だった。テムプトの足場がガコンと沈む。
テムプト[.....?]
アロー[ーー!!]
一瞬の静寂が後、周囲から一斉に矢が飛んでくる。
ヘイスティ[!!!!]
3人は悟った。
死ぬーーー!!
アローは戦場の癖か、2人を庇おうとする。
瞬間
テムプト[アロ...]
矢が消える。
テムプト[.......]
ヘイスティは腰を抜かす。
アロー[......奇跡?]
?[いや]
アロー[!!]
またゼリーがいる。
アロー(喋る!?)
よく見るとそれはゼリーではなかった。オーラ...人の形をしたオーラだ。
アロー(グリーン....いや、エメラルドか!)
?[ジ.アイ....メラノ族の祖先であり、エメラルドドライブの番人だ]
アロー[メラノ....エックスのか!]
ジ.アイ[やはりな。どうりでグリーンオーラの匂いがする訳だ]
アロー[匂い?]
ジ.アイ[待っていた。エイロウの丘に近い事で精神体としてここにとどまれていた。エックス...我々の子孫を待ち続けてな]
アロー[何故]
ジ.アイ[エメラルドドライブを渡す為だ。外ではジ.エンドがもう暴れているんじゃないか?]
アロー[!]
ジ.アイ[会話出来る時間は少ない。子孫を...]
アロー[いいかよく聞けこのゴースト風情が!!]