107話 ハフドラゴン
ヘラニーはブラックを見上げる。
ヘラニー[何故あなたにこのドラゴンが心を開いているか分かりますか?]
マレー[....いえ、はっきりとは]
ヘラニー[ウィークス様が私のもとを訪れた時、私はアカシックシーンでドラゴンに乗るあなたが見えました。しかしその時のあなたは人間ではなかった]
ライライが来る。
マレー[...何ですって?]
ヘラニー[ハフ.ドラゴン.....]
ライライ[!]
ライライは驚いてヘラニーを見る。マレーは立ち上がる。
マレー[ハフ....ドラゴン?]
ライライ[人間とドラゴンの中間に属する生物じゃが....ヘラニーさん、それは]
マレー[ミス.ヘラニー、それはあなたの見間違いだ。俺は見ての通り....ただの人間ですよ]
ヘラニー[何かがあなたの本来の力を押さえているのです。このドラゴンもあなたに竜の血筋を感じたのでしょう]
マレー[ヘラニーさん]
ヘラニー[何か心当たりはありませんか? 小さい頃から人だったとすれば、幼い頃に何かあったはずなのです]
マレー[普通の家柄ですよ]
ヘラニー[ならば御両親はどうですか? 人間ではな...マレー様!]
マレーは立ち去ろうとする。
マレー[見てただろ。ウィークスが殺られている時だって何も出来なかった! 俺にはそんなおめでたい力ありませんよ]
マレーは出ていく。
ヘラニー[........]
ライライ[ハフドラゴンか....実際にそうならチルドレンと肩を並べて戦えるだろうにな]
マレーは自室の洗面所で顔を洗い、鏡を見る。
マレー[親....か]
マレーはミストの両親の事を思い出していた。
マレー(国の為国の為で....何もしてやれてないな)
マレーは椅子に座り、暫く沈黙し決意する。
マレー(どうせ俺はジ.エンドに対して何も出来ない。だったら各地の復興に力を注ぐべきだよな)
マレーはグーリーの元を訪れる。
グーリー[ドラゴンの調子ならいいですよ。このまま少しずつ回復を待ちましょう]
マレー[....実は俺、この艦を降りる事になりまして]
グーリー[おや、残念ですねえ....]
マレー[ブラックの事、宜しくお願いします]
マレーは頭を下げる。
グーリー[私も経過を見ているのみですから。元気で、マレーさん]
マレー[お世話になりました]
ベーオは完全に回復し、ウィークスを探していたが見つからない。
ベーオ[どういう事だあああーーーっ!! 何故遺体も見つからない!?]
ベーオは空を飛ぶ。
ベーオ[くそっ....一旦メギバール様に報告しよう。どんな処分も敢えて受けるが....ネカロパ様.....]
オーキッド[エセンスを発動して負けるなんて思いませんでしたね]
ジラン[素体が安定していなかったんじゃないのか? らしいと言えばらしいがな]
ジランは苦笑する。
オーキッド[.....5、分かっていたんではないですか?]
ジラン[まさか。願ってはいたがね]
オーキッド[.........]
デュアロとバンプートは艦内の掃除をしていた。
バンプート[また騒がしいっすね]
デュアロ[気にすんな。飯が食えりゃあそれでいいんだよ!]
バンプート[そうっすけど....]