88話 ネカロパの正体
ウィークス[.....天国かここ]
ウィークスは真っ白な部屋にいた。ベッドの上で辺りを見回す。
ウィークス[あ!!]
ウィークスは腹部に手を当てる。大きな傷痕はあったが、塞がっていた。
ネカロパ[天国でも地獄でもねえよ]
ウィークス[ネカロパ....]
ネカロパ[警戒しとけよウィークス。ここは海中にある建物だ。急に引き込まれやがった]
壁が透け、男が入ってくる。
?[ネカロパ様....この時を何千年待ったことか]
ネカロパ[.....?]
?[今、我々を統一してくださっているのはメギバール様です。案内しますのでついてきて下さい]
ウィークス[断る。何故ネカロパを様づけして呼ぶ?]
?[我々も4000年程前に目覚めたばかりで記憶があやふやな面もあるのですが....ネカロパ様もそうなのでしょう?]
ウィークス[俺はネカロパじゃ...!]
?[私の名はイナブン。最も容姿が人間に近いモンスターです]
ウィークス[モンスター....?]
ネカロパ[近い? 人間そのものじゃねえか]
イナブン[あなたがそう造られたのですよ]
ネカロパ[!!]
ウィークス[聞こえるのか!?]
イナブンはシャツをめくる。
ウィークス[い!!]
胸におおきな口がある。
イナブン[私の食料は人間です。それらに近づきやすいためにこのような姿を与えられて貰ったのだと自負しております]
ウィークスはアーバレストを出す。そして離れる。
ウィークス[ち、近づくんじゃねえバケモノ!!]
イナブン[失礼しました。しかしここから先はもっと過激な....人間の価値観からして、という事ですが、モンスターがいる為慣れていってほしいのです。ネカロパ様]
ウィークス[ま、まず言っとくがな! 俺は人間だ! 確かにネカロパを飼ってはいるが乗っ取られちゃあいねえぞ!]
イナブン[今は....ですがね]
ウィークス[!!]
イナブンは亀裂のような目を光らせ、いやらしく笑みをこぼす。
イナブン[ネカロパ様は必ず復活いたします。そのためのお体です。御自愛くださいますよう....]
ウィークス(こいつ....)
ネカロパ[従えウィークス。傷も治してもらんたんだし....我としても詳しく聞きたい]
イナブン[流石はネカロパ様! お話が早い!]
ウィークス[.....てめえよ、最後に人間食ったのいつだよ]
イナブン[は?....はあ、地上で問題をおこすと何かとネカロパ様に迷惑がかかると思いまして....ネカロパ様が復活される日まではもっぱら魚ですよ]
ウィークス[....いいぜ、話だけは聞いてやる。だからなるべく俺から離れて歩いてくれよ!]
イナブン[はい....喜んで]
2人は真っ白な通路を歩いていく。
すると1つ目の巨大な鬼のような奴がウィークスの手を取る。
?[あ、あいとうございました! 私は....]
ウィークスはすぐさま離れる。
?[.....???]
イナブン[おやめなさい。まだ完全には復活していないのですよ]
?[そ、そうでございましたか....ご無礼を]
ウィークス[な、何だここは....本当に地球か?]
デカイゴキブリのような奴から、子供のようなやつまで多種多様な生物の群れを通りすぎ、大きな広間に着く。
ウィークス[あ~気分わりい。俺の精神がもたねえぞ]
ネカロパ[ん~......]
ウィークス[やけに静かだな。おい、どうした?]
ネカロパ[なあんか....ん~.....]
ウィークス[....お前とこうして話すのも久しぶりだな]
ネカロパ[ん~....]
ウィークス[駄目だこいつ...]