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83話 伏兵/84話 伝承/85話 記憶の果てに

ページをめくっておもわず[えー]と口に出してしまった。

続きは後書きで。

ウィークスはカーテンを閉めきった部屋で、全裸に毛布でベッドの上にいた。

ウィークス[......]

僅かに漏れてくる光を見ている。

看護婦[失礼します]

女性が部屋に入ってくる。

看護婦[お目覚めになりましたか]

ウィークス[ここは...クラッド城ですか?]

看護婦[流石でございますチルドレン。私、チルドレンのお世話をしますエミィともうします。お見知りおきを]

ウィークス[お世話になります。ところで....]

サイオウがズカズカと入ってくる。

ウィークス[元気そうだ]

ウィークスは皮肉混じりに言う。

エミィ[それでは...]

エミィはこうべ垂れ出ていくがサイオウは見向きもしない。サイオウは椅子にドカッと座る。

サイオウ[厄介な事になったな]

ウィークス[....あの男のことか?]

サイオウ[それもある。だがそれ以前にこの国のやつらが黙ってお前を放っておくと思うか?]

ウィークス[.......]

サイオウ[お前をジランにやるならいっそ俺がこの場で....]

ウィークス[おい...]

サイオウ[監視に盗聴もされていないならすぐにでも実行に移すんだがなあおい!]

モニターを見ていた兵が驚く。

ウィークス[最悪の入り方しちまったかな....]

サイオウ[俺は戻る。ここは空気が悪い。次に戦場であったら覚えておけよ]

ウィークス[待って...]

サイオウは出ていく。


ジラン[ほう...]

ギャッツ[すぐさま監獄にしましょう! もはや奴は国家犯罪者...!]

ジラン[....フム]

ギャッツ[....ジラン様?]

ジラン[エミィ.フレミレンを手配したのはサイオウだったな]

ギャッツ[はい....何か?]

ジラン[奴の言い回しが気になってな....その女をつけろ。ボロを出すやもしれん]

ギャッツ[はっ..!]

ジラン(一石二鳥という事になりかねんしな)


2日後


サイオウはバルコニーにいた。

サイオウ(俺もしばらくしたらそっちに行く....その時はまた酒でものみかわそう。お前とは実に上手い酒が飲める)

そこへエミィが来る。

エミィ[サ、サイオウ様]

エミィは頭を下げる。

サイオウ[風にでも当たりにきたか? いい身分だな]

エミィ[し、失礼いたしました!]

エミィは去る直前、サイオウのポケットにメモを入れる。サイオウは靴をはきなおすふりをしてメモを見る。


[マークされています。少し行動を控えます。例の件についてはライライ老に聞いてください]


サイオウはライライの元を訪ねる。

サイオウ[久し振りだな老]

ライライ[お、おお....サイオウ様....]

2人はハグをする。


ライライ老....世界史についての研究に一生をかけて生きてきた男である。


サイオウはウルガミッドの事を話す。

ライライ老[な、なんと言うことだ....!]

ライライ老の顔色が豹変する。

サイオウ[何かしっているんだな? 教えてくれ]

ライライは立ち上がりうろうろしながら分厚い本を手に取り話始める。

ライライ[あー...アース.オブ.ザ.チルドレンとジ.エンド.オブ.レインボウは歴史において常に一定の周期を経て同じ時期に現れ始める]

サイオウ[昔もいたというのか?]

ライライ[ああそうじゃ。それがどれくらい前なのかは記載しておらんが、かなりの古代だろう。この2つの存在の意味、それはこう書かれている]


[カグヤノコロモに看取られ第498の嵐をのりこえし者が真のヒカプリゲノスを伴い天滅の光を発す。神格の落ちし神獣に愛の手を]


サイオウ[通訳頼む]

ライライ老[それが分かっていれば王にいっとるわい! この498の嵐というのは恐らく人の業を現しとるとわしは見ている。それ以外は何とも....よく書物にはアーバンイルペ.ヒロイックエルプという神の書物の写本のことがアース.オブ.ザ.チルドレン、ジ.エンド.オブ.レインボウ双方の事に関係して出てくる]

サイオウ[要領を得んな....つまり発生するとどうなるんだ?]

ライライ[戦争じゃよ]

サイオウ[!!]

ライライ[2つは世界を犠牲にして戦い始める。必ずチルドレンが勝っているようじゃがな...]

サイオウ[やはりその手の奴らか....過去においてもずっとチルドレンが勝ってきたと言うことか?]

ライライ[ジ.エンド.オブ.レインボウの目的は間違いなく人類の絶滅じゃ。そう思ってよかろう]

サイオウ[どういう事かさっぱり分からん。奴らは何処から来ているのか、何故こんな戦いをくりかえしているのか....(そして選ばれたのが何故俺なのか、だ....)

ライライ[.....はあ]

ライライは本を投げ捨て椅子に座る。

ライライ[まさかわしの代でな....もう戦争どころではない。終わりじゃよ....間違いであることを祈るよわしは]

サイオウ[ライライ老、この件は口外しないでもらいたい]

ライライ[何....王へもか?]

サイオウ[頼む老]

ライライ[事態が分かっとらんようじゃなサイオウ.....ここ一連の出来事は全て繋がっとる! もはや国のプライドなど気にしている場合ではないのじゃよ!!]

サイオウはライライの両肩を掴む。

サイオウ[これはお願いではない、脅しだ....口外してみろ殺すぞ]

ライライ[サイオウ....君は...?]

サイオウ[俺はアコーディーの意思を継いだんだ! このネイティブストリームで....カレコシアの魂で奴を潰す!!]

サイオウは出ていく。

ライライ(盲目になっとる....アコーディー、君の死はサイオウを苦しめておるぞ...!)


ウィークス[サイオウ]

ウィークスがサイオウに駆け寄ってくる。

サイオウ[気安く呼ぶな]

ウィークス[そう言うなよ....あの何とかレインボウについて....]

サイオウはウィークスを壁に叩きつける。

ウィークス[いってえ!]

サイオウ[その名を口に出すな! 貴様も殺すぞ!]

ウィークス[俺はマンを元に戻したいだけだ!]

サイオウはカッとしてウィークスをぶん殴る。ウィークスは倒れる。

サイオウ[アコーディーと同じ思いをさせる気か....!!]

ウィークス[......何?うっ]

サイオウはウィークスを引っ張り上げる。

サイオウ[何故俺がお前を放っておくか分かるか!? それはアコーディーが最後に呼んだのがお前だったからだウィークス.コッタリン! あいつが....あいつが最後に....お前を....]

ウィークス[ふざけんなあ!!]

ウィークスは殴り返す。

サイオウ[つっ!]

サイオウはよろける。

サイオウ[このやろ....!]

ウィークス[さっきから知らねえ奴の事ばっか喋りやがって....俺はマンの事をきいてんだよ!!]

サイオウの手が止まる。

サイオウ[知らない...?]

ウィークス[お前疲れてんじゃねえのか!? 頭パーチクリンなのかよ! 誰だよアコーディーってよ!!]

サイオウ[お前.....!]

ジラン[喧嘩の途中に失礼するよ]

サイオウ[!!]


デカイ....それはまるで恐竜のごとき威圧感だった。


ジラン[是非若きチルドレンを借りたいんだが....]

サイオウ[....好きにすればいい。私はこれで失礼します]

サイオウは口を拭い、去る。

ウィークス[くっそ.....意味わかんねえよあいつよ]


2人は客室へ入る。


サイオウは振り返る。

サイオウ[.......]


ジランとウィークスはソファーに座る。

ジラン[ハハ...まさか君のような少年がね]

ウィークス[....ありがとうございました。色々と世話になって.....]

ジラン[では我々に協力してもらえるかな?]

ウィークス[!]

ジラン[いきなりですまないね。まあ君らから見たら....]

ウィークス[何で戦争を始めたんです?]

ジラン[戦いたくないかね?]

ウィークス[誤魔化さないで!]

ジラン[スペリアル国が手をさしださねばこの国は滅んでいただろう。このままでは50年いないに再び大寒波が到来する。見てみぬふりは出来なかったのだよ]

ウィークス[争う事が人間の本質だとお想いですか]

ジラン[違うな。だが人は平等なはず。我々だけに酷な生活を強いる貴殿の国にこそその言葉を返したい]

ウィークス[こんなやり方しかなかったんですか!?]

ジラン[フハハ...ひねくれものだね君も。ただ1つ言っておこう。ナナン...と言ったかな?]

ウィークス[!!]

ジラン[彼女が私の手の内にあることを理解してほしいね]

ウィークス[貴様....!]

ジラン[私を殺しに来たんだろう?]

ウィークス[!!]

ジラン[大臣の姑息な暗殺者に殺られればそれもまた一興と思っていたがなかなかどうして....]

ウィークス[......全てしっていてここにいるのか]

ジラン[なに....直接確認しなければならない問題なのでね]

ウィークス[....何を言っている?]

ジラン[国民の為ならなんだってするさ、王ってのはな。君だって大切な人を殺しているだろうに]

ウィークス[大切な人....?]

ジラン[アコーディー....と、言ったかな?]


瞬間! ナナンとアコーディーと握り飯を食った記憶が走馬灯のように頭に流れる。


ウィークス[あ...おお]

ジラン[ん?]


ウィークスの短髪の頭に赤いオーラ状の髪が現れ、ロングヘアーになる。そして首もとに子供の手か女性の手だろうか....オーラで出来た左右の腕が巻かれる。


ジラン[ほう...これはこれは]

ジランはゆっくり立ち上がる。ウィークスはアーバレストを発現させる。アーバレストは進化していた。レッドオーラとネイティブストリームが融合している。

ウィークス[こちらが蜘蛛の巣に引っ掛かったということか。だが俺はもう誰をも死す事に畏怖などない。今殺してやる]

ウィークスは閉じていた目を開く。2つのオーラが完全に融合し、部屋に亀裂が入っていく。

ジラン[お初にお目にかかるネカロパ。私は人選ミスだと思うがね]

ウィークスは突風のようにジランをきりつける。

ウィークス[!!]

ジランは手に黒いオーラ状のブレード(B.ネイティブブレード)を現し、アーバレストを受け止める。

ウィークス[て、てめえ...]

ジランの上着が吹き飛び、黒い軽量の鎧(B.ネイティブドライブ)があらわになる。

ウィークス[カ...カレコシアの王が....貴様ら同類かああああああ!!]

カレコシア兵が数十人駆けつけてくる。崩壊する部屋の中で、2人は火花を散らしながら打ち合っていた。

ウィークスがアコーディーの事を忘れてしまっている....

このままなんだろうか?


アーバレスト マガフの目(写本、アーバンイルペ.ヒロイックエルプより抜粋あり)にネイティブドライブ、ネイティブブレードの記述追加。

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