7話 お前は生きろ
2日後ー
2人はロイザン渓谷に着いていた。
マレー[.......]
ウィークス[大きい...]
マレー[分かっただろうウィークス....]
ウィークス[うるさい! なら付いてくんな!]
ウィークスは走り出す。
マレー[待てウィークス!!]
マレーはウィークスの鎧を持ってやっていた事から、追い付けない。
ウィークスはすでに崖のところにいた。マレーも追い付く。
マレー[ここは日が沈むとテントを張ることも出来ない。終わりだウィークス、帰るぞ]
ウィークス[はあ、はあ、.....勝手に帰れ!!]
マレー[....大使のご命令だ、君を無事に連れ戻す]
ウィークス[!.....や、やっぱり....僕はもうあれは着ない! そう伝えておけ!]
ウィークスが前に進もうとした時、マレーがウィークスの手を掴む。
マレー[ウィ.....]
ウィークス[うるさい!]
ウィークスが手をはらった瞬間
マレー[!!]
マレーは崖から落ちる。
ウィークス[!!]
マレーは間一髪で崖に左手を引っかける。
マレー[くうっ.....!!]
ウィークスは手を差し出すが届かない。
ウィークス[と、届かない! 届かないよ!!]
マレー(くそっ...鎧を持ってやったのが仇となった....!)
ウィークス[な、なんで上がってこないんだよ! 早く....!]
マレー[ぐうううう.....!!]
マレーの右手は上がらないばかりか、左手がかかっている岩が崩れ出す。
ウィークス[う....あ.....]
マレーは青ざめるも、大きくため息をもらす。
マレー[はっ....王に使えた時から....いずれこうなるだろう事は....くそっ!]
マレーは力を振り絞って右手を上げようとするが、少ししか上がらない。
ウィークス[あ.....]
岩が大きな音をたてている。
マレー[ちくしょう! ウィークス!! お前は生きろ!! 絶対だぞ!!]
ウィークス[マ...]
岩が崩れ、マレーは落ちていく。
マレー[うわああああああっ!!]
ウィークスの眼前からマレーは消えた。
ウィークス[うう.....うう....う....]
ウィークスは涙を流し、その場に崩れた。
3日後.....
王[どうだ?]
大臣[いえ....何も分かりません。分かった事と言えば誰にも装着出来ないと言うことだけです]
王[ふむ....]
大臣[予想どおりと言えばそれまでですが....フェイズ5へと進めますか?]
王[いや、ネカロパをこれ以上刺激しない方がいい。兵が直に彼を連れてくる....]
するとそこへ兵士に連れられたウィークスが来る。
兵士[王、彼からお話があるそうです]
王[噂をすればなんとやらだな]
ウィークスは下を向いている。
大臣[早く話されよ。王はご多忙の身である]
ウィークス[....ま、マレーが...崖から落ちていって...]
王[何?]
ウィークス[ぼ、僕のせいで....ごめんなさい、ごめんなさいっ....!!]
ウィークスは涙をながし、辺りには沈黙が流れる。
王[....とりあえず休みなさい。話はその後で聞こう]
ウィークスは客室へと案内される。ウィークス(僕のせいで....僕は....っ!!)この3日間、ウィークスはひたすら自分を責め続けていた。ウィークスの頭は混乱していた。
ウィークス[殺しちまったよ...また....この手で....!]ウィークスは泣きじゃくった。赤子のように泣きわめいた。