70話 マンvsブァーモ
翌日
ナナン[起きてくださいマンさん!]
マン[....!]
ナナン[すぐ近くに温泉があるんですよ! ウィークスのケガにも効きますから行きましょう!]
マン[あ、はい....]
マンは眠たそうに返事をすると起き、荷物を整理する。そして起きているウィークスに近づく。
マン[彼女ずいぶん元気ですね今日は]
ウィークス[ああ...彼女なりに色々と考えているんだろうな]
ウィークスはナナンを見つめる。
ウィークス[........]
3人は少し南へ歩く。すると旅館があった。
ウィークス[ふう...着いた。あ、おごりね]
ナナン[女にはらわせんなよ...ったく]
3人は部屋へ案内される。
ナナン[キャーーーっ!]
ナナンは畳の上を転がる。ウィークスは窓から外を見る。秋を想わせる眺めだ。
マン[皆さん早速ですが、温泉に行きません?]
ナナン[えー....もう眠たい]
ウィークス[俺は行くぜ]
ナナン[仕方ないねえ...お姉さんも付き合ってやるよ]
ウィークス[俺のほうが年上だけどな]
ナナン[どこどう見たってあたしのほうが...あれ?]
マンはついてこない。
マン[おきになさらずに。ウルズヘッドへの定期報告がありますので。あまり聞かれると困りますし]
ウィークスはあまりいい気持ちはしなかった。
ウィークス[行こうぜナナン]
ナナン[あ、ちょっと]
2人は出ていく。
マン[.....さて]
マンの体からパープルオーラが沸き立つ。マンは天井をなぎなたで貫く。
?[何!?]
赤いマフラーを巻いた男が降ってくる。
?[何故分かった....!?]
マン[感化したもので....私に暗殺は通用しませんよ]
?[ならば何故1人に?]
マン[怪我人と少女を立たせる訳にはいかないでしょう]
?[たいした自信だ....あくまでも裏方に徹する気か]
マン[ずいぶん前からつけられていたんですねえ....で、あなた何者です?]
?[....ブァーモとでも呼べ。敬意ははらうが]
マン[ま、ウィークスさんに来られると立場的に危うくなる者の部下....ってところじゃないですかね? ずいぶん慎重なところを観ると]
ブァーモ[......]
マン[あれ? マジ?]
ブァーモ[想像以上に怖い奴だ....殺す]
ウィークスとナナンはそれぞれ温泉に浸かっていた。
ウィークス(ネイティブストリームがあんな事になるなんて....)
ウィークスは危機感を感じていた。
ナナン[聞こえるウィークス!]
ウィークス[あ、ああ!]
ナナン[どう!? いいところでしょ!]
ウィークス[ああ! 最高の気分だよ!]
ナナン[でしょ? こんな贅沢....]
ナナンの声が止まる。
ウィークス[.......]
ブァーモは赤いマフラーを伸ばして来る。
マン[伸びるな!]
それはマンの腕にピタリと巻きつく。
マン[こういうカラクリか!!]
ブァーモはマフラーを引っ張りマンを引き寄せる。そしてナイフを振りかぶってくる。
マン[無理か!?]
マンは腕にナイフを突き刺させる。
ブァーモ[覚悟か!]
ブァーモは後ろへ離れようとするが
マン[もらった!!]
ブァーモがナイフを離したのがチャンスとなった。ナイフが刺さった腕でなぎなたをぶんわます。
ブァーモ[そう考えるよなあーーっ!!]
ブァーモはマンに絡ませたマフラーを軸に自分ごとマフラーを下にさげ、なぎなたを防ぐ。
マン(伸びる!?)
マフラーはしなやかに伸び、なぎなたの威力を吸収する。
ブァーモ[そ~らああっ!!]
ブァーモはそのままマフラーをもってマンの後ろへ回り、なぎなたに絡ませる。
マン[くっ!!]
ブァーモ[しいっ!!]
ブァーモはナイフをマンの背中に突き立てようとする。
マン[もし私があなたなら真後ろには立ちませんがね]
ブァーモ[!!]
マンはなぎなたを捨て、おもいっきりマフラーを引っ張りあげる。
ブァーモ[うおおおわ!!]
ウルズメンバーの肉体力を計算にいれてなかった。ブァーモはマフラーを離すが、それでも空中で一回転して畳に着地する。と同時に
ブァーモ[うげはっ!!]
マンの足先蹴りでブァーモは吹っ飛び、押し入れの戸がはずれる。
ブァーモ[あが...ぐ...]
マンはなぎなたを拾い、ブァーモに向ける。
マン[色々と、喋ってもらいましょうか]
ブァーモ[.......]
マン[ん?]
ブァーモがブツブツいい始める。
ブァーモ[今度は俺の番だ....俺があんたならそこにはいねえ]
マン[負け惜しみですか?]
ブァーモはおもいっきり手前にあったマフラーを引っ張る。
マン[!?]
そのマフラーをマンは踏んでしまっていた。マンは転びはしないがよろけた。
マン[ちっ!]
マンはすかさずブァーモを見たが
マン[!!]
目の前がマフラーで見えない。
ブァーモ[ヒャイイイイ!!]
ブァーモはマンの足をきりつける。
マン[いつっ!!]
マンはマフラーを取っ払う。
ブァーモ[おせえええ!!]
ブァーモは延髄にナイフを突き立てようとする。足の切りつけかたから後ろに回ったのは読めた。
マン[ふぉう!!]
ブァーモ[!?]
マンは背中で打撃してくる。ナイフは目測をずれ肩に刺さり、ブァーモは吹っ飛びガラスを割る。
ブァーモ[こ...これがウルズヘッドの...覚悟か....]
マンはナイフを抜く。
マン[くっ...]
ブァーモは立ち上がる。
ブァーモ[はあ...はあ....]
マン[そんな血だらけで....どうします?]
2人の間に沈黙が流れる。
ブァーモが走った。
マン[サアアアアアア!!!]
マンはなぎなたを拾い、ブァーモはマフラーを拾う。若干なぎなたを拾うほうが早かった。
ブァーモ[死なんわあああああ!!]
ぎりぎりなぎなたをマフラーでガードするが
ブァーモ[!!]
切れはしないがそのまま畳に叩きつけられる。
マン[上手いがね!!]
マンはマフラーをどかそうと引っ張る。
ブァーモ[クズ頭がよお]
マン[!!]
マンの引っ張る力を利用してブァーモは加速して起き上がる。そしてナイフをマンの腹に突き刺す。
マン[うぐっ!]
ブァーモ[よし! 死ね....?]
マンはゆっくりブァーモの頭を掴む。
マン[全く、危機感のないお方だ....]
ブァーモ[ーーー!!]
赤い光と共にブァーモの頭が吹き飛ぶ。部屋中に血が吹き飛ぶ。
マン[はあ...はあ...]
そこへ2人が入ってくる。
ウィークス[いい湯だったぜマン]
マン[お帰りなさい]
部屋においていったレッドルがマンの近くにあった。