37話 すぐ忘れちまう(タイトル改変)
ウィークス達は城の控え室にいた。ギュスは腹に包帯をしてある。
ギュス[分かったろうウィークス。自分の弱さが]
ピス[そんな言い方...!]
ウィークス[俺は....俺はブルールを倒した男だぞ、こんな...]
ギュス[バスコーの斧も盾もヴォルカットで出来ている。お前はオーラがなければただの武具の扱いの上手いガキだって事さ]
ピス[違う!!]
ピスがギュスの胸を押す。
ピス[ウィークスは見ず知らずの僕の為に戦ってくれているんだ! お前のように、手足が欲しいから、利益が合致してくれているから、じゃない! 何にも...何にも無くたってウィークスは戦ってくれているんだ!! お前よりずっと強いんだ!!]
ウィークス[ピス....!]
胸が痛かった。
本当に痛かった。
同い年で少しひ弱なピスに自分の力を証明したかった。見せびらしたかった。ピスを助けてあげよう、という気持ちは嘘とは言わないが、本音は自分の満足感のためだった。負け惜しみだった。
ウィークス[協力してほしい....]
ピス[え?]
ウィークス[ギュスさん、あんたに協力して欲しい。俺も家族を殺されたんだ]
ピス[!!]
ギュス[.......]
ウィークス[その時も助けてくれる人がいた。俺は....すぐ忘れちまうバカ野郎だから....!]
ウィークスは涙ぐむ。ピスはウィークスの手を取る。
ピス[ありがとうウィークス...ありがとう...!]
ギュス[....あい分かった。少なくとも目的が一致している間は共に戦おう。となれば、さっさとここを出るのが賢明だな]
ピス[えっ、どうしてですか?]
ギュス[事情はともあれ先に仕掛けたのはお前だウィークス。大勢に見られている。外界の奴らは法に厳しいだろう? 足止めどころか極刑に伏せる事になるやもしれん]
ピス[いや、でも...いいのかなそれ...]
ギュス[待ち合わせ場所にクラム.ショットを待たせてある。それで我々のホームへ戻る。バスコーの居どころもすぐに探り当てる事ができる。ウルズヘッドの情報網ならな....ついてこないならば行くぞ俺は?]
ピス[ど、どーするウィークス?]
ウィークス[....行くよ。ピス、お前には無理にとは言わねえ。奴...バスコーは必ず殺す。安心してくれ]
ピス[何言ってるんだよ! 命の恩人捨てて自分だけ逃げるわけにはいかないだろ!? 行くよ! 行きますよ!]
ギュス[よし...]
ネカロパ[......]
簡単な事だった。ウィークスの右腕を見せて脅せばすんなりと街から出れた。3人はクラム.ショットでウルズヘッドのアジトへ向かう。
ウィークス[あんたさ...]
ギュス[ん?]
ウィークス[意外と優しいんだな]
ピスは思わず水を吹く。
ギュス[はあ? お前その気があるんじゃねえだろうな? 的は多い方がいいにきまってるだろ]
ウィークス[そ、そうかよ。あんたが1番大きいけどな]
ギュス[よく言う....]
クラム.ショットは森にカムフラージュされたウルズヘッドのアジトに着く。
ウルズヘッド兵[ギュシーヌさん! どういうつもりですか!?]
ピス[ギュ、ギュシーヌ?]
ウィークス[女みてえ、くく]