32話 邪魔ですよ
夜.....ウィークスはベンチに座っていた。そこへエックスが来る。
ウィークス[エックス....眠れないのか?]
エックス[お前こそだ。休んだほうがいいぞ]
ウィークス[.....なあエックス、もしブルールに負けていたら奴はどうしたと思う?]
エックス[どうした急に....]
ウィークス[.......]
エックス[存在意義が無くなる訳だからな....宝玉に戻っておしまい、というところかな]
ウィークス[....なあ、本当に勝ってよかったのか?]
エックス[.....何?]
ウィークス[感じるんだ、ネカロパの力が増大していくのを]
エックス[しかしああしなければ街は...!]
ウィークス[だから! 僕が負けて....死んでいたら....!]
エックス[ウィークス....そんな事...]
ウィークス[だってそうだろ!? 少なくとも奴は[セカイニヘイワヲ]と言って死んだ! それに比べて僕は自分の事ばっかりで....!]
ウィークスは涙を流す。
エックス[ウィークス.....]
ウィークスはベンチに力無く腰かける。
ウィークス[はは....怖いんだよ]
エックス[!]
ウィークス[あんたらには偉そうにたんかきったけど.....皆と出会って僕は....僕は死にたくない....!]
エックスはウィークスを抱き寄せる。
ウィークス[死にたく....ないよお....]
エックス[明日、長老に聞いてみよう。駄目なら王に聞こう。それでも駄目なら民に聞こう。国を回ってでも....きっと手はあるさ!]
ウィークス[うん....うん....]
ーー翌日
長老[....すまない。あてはないな]
エックス[そうですか....]
エックスはウィークスに手をかける。
ウィークス[大丈夫だよエックス....]
長老[情報が集まるならバッソウがよかろう。だが...]
ウィークス[バッソウ...ですか]
エックス[前線の街か....]
長老[危険だが、あそこの裏の情報は凄まじい。わしにはこれくらいしか言えん....すまんなウィークス君。きみは命をかけて街を救ってくれたというのに...]
ウィークス[いえ、そんな....王から礼金も受けとりましたし、そこに行ってみます。ブルールを破壊する事も考えなくてはいけませんし]
エックス[俺行こう。グリーンオーラが必要になるような街だろうしな]
ウィークス[エックス....ありがとう!]
エックス[おう]
エックスは微笑む。ウィークスは嬉しかった。
その夜....
ミラウ[そう....]
エックス[長旅になりそうだ]
ミラウが泣いていた。
エックス[.......]
ミラウ[だ、大丈夫! また枝豆用意して待ってるから!ウィークス君は命の恩人だもの、助けて...あげ...]
ミラウは後ろを向く。ノッドラ遺跡内ではこんなに離れて心配することなど、心の間以外ではなかった。
死ぬんじゃ...
ミラウはその疑問が頭から離れなかった。
エックス[ミラウ....!]
肩を震わせるミラウをエックスは抱き締める。
エックス[すまんミラウ....心配ばかりかけて....!!]
ミラウは首を横にふる。そして、それは隣の部屋にいたウィークスにも聞こえていた。
ーーぎょうしゃ[あら、ウィークスさん、出発は明日では?]
ウィークス[もう....出発出来る?]
ぎょうしゃ[へ、へえ、わしらはいつでも行けますが....]
食料がたくさん積んである。
ウィークス(準備はいいな)
その夜、ウィークスは街を出た.....
翌日、ウィークスの部屋からメモが見つかる。
[エックスさんは体が大きくて馬車に乗れないようです。もう1つ用意するのも金銭的にもったいないですし、1人で行きます。ほんとは1人でいきたかったんですよ。気を使うのも嫌ですし。まあ、邪魔って事です。じゃ、さようなら]