30話 なかよしこよし
エックス[国の兵器すら耐えてる奴に俺達はガチで勝っている....]
虚勢である。
どんどんオーラを増しているブルールに対してエックスは心折れない。
ネカロパ[恐怖を認めろウィークス。そこからだ、そこから負けてはいけない!]
ウィークスの右腕が力む。ブルールが一歩ゆっくり足を出した所へ被るようにウィークスはブルールへ突っ込む。
ウィークス[任せたエックス!!]
しかしグリーンオーラの前にブルールのオーラが突風のように発動し、ウィークスの動きが鈍る。
ネカロパ[ちっ!]
そこへブルールが槍で斬りかかってくる。
ブルール[カアーーーッ!!]
体ごと捻らせたその一撃はウィークスのグリーンオーラをぶち破り、ウィークスの兜を割ったところでようやく止まる。ウィークスは体がくのじに曲がる。
ウィークス[ううっ...くっ...(オーラと鎧がなかったら死んでいた!!)]
ブルールが追撃をしてくる。
ウィークス[うわっ!]
そこへグリーンオーラをまとった刀が飛んできてブルールの胴体にほんの少し刺さる。というより、鎧の隙間に引っ掛かる。ブルールは少しグリーンオーラに押された。
ブルール[ダカラナンダヨ]
エックス[終わったぜあんた]
カッとウィークスの右腕が光る。
ブルール[シャラアアアッ!!!]
計算済みだった。
ブルール[!!!]
ウィークスはあえて左肩をだし、ブルールの槍を受け止める。鎧の左ショルダーがバラバラに砕ける。ウィークス[くうっ!!]
左肩を押されたその勢いを消さずに、右拳をエックスの投げた剣に叩きつける。
ネカロパ[砕けろブルール!!]
イモータルショットだった。それはエックスの投げた剣を粉々に粉砕するが、グリーンオーラがレッドオーラごとブルールの腹部分に叩きつけられる。
ブルール[ネカロッ....!!]
アッパーぎみに入ったイモータルショットは大砲のような音を出して、ブルールの腹部分の鎧を壊し、宙に浮かせてしまう。その帯状のエネルギーは一定までのびきったあと、ウィークスの手元まで急速に戻ってくる。ネカロパ[堪えろ!!]
右拳に戻ってきた衝撃でウィークスは右に180度回ってしまう。
ウィークス[オアアアアアアーーーっ!!!]
顔を伏せたままブルールの顔面に左拳を着ける。
エックス[ぶちかませえ!!!]
ウィークス[あ?]
密着した状態ではイモータルショットしかなかったが、出ない。
ネカロパ[ちいっ!ウィーク]
ブルールが頭突きをしてくる。
エックス[!!]
咄嗟のグリーンオーラでウィークスを守るが、それをも突き破りウィークスの脳天に重い頭突きが決まる。
ウィークス[うがっ!?]
ウィークスは頭から血を流すが、倒れそうになるところを右腕で反射的に支える。
ブルール[ソクシヲマヌガレタカ。イイナカマヲモッタジャナイカネカロパ....ダガモウココマデダ!!]
巨大なブルーオーラと共に
エックス[なんだ?]
ネカロパ[しまった!!]
ウィークス[はあ...はあ...]
ブルールの左手にアーバレストが現れる。
ネカロパ[そうか...人工心臓の貴様でもアーバレストをそこまで...!]
ブルール[ワスレタカヨ!? テメエヲブンリサセタノモ! テメエノカワリニテキゴウスルヨウニオレヲツクッタノモ! スベテショニアスナンダゼーーーッ!?]
その時
エックス[はっ]
エックスの周りが暗闇と化す。
エックス[光が見えない....!]
ブルーオーラが2人のオーラを飲み込んでいく。ウィークスは血の気が引いた。ブルールはアーバレストをおもいっきり振り上げ、おもいっきり降り下ろす。
エックス[どこだウィークス!!]
その時!
ブルール[イ....ブ...!?]
ブルーオーラが一気に天に吹っ飛び、太陽が照りつける。
ブルール[アイッド....キサッ!!!]
それでも無理矢理ウィークスに降り下ろそうとするが
エックス[見えるぞウィークス!!]
ウィークス(今だ!!)
ネカロパ(ここだ!!)
減速したアーバレストの 右腕....ネカロパの右手で刃を直に掴む。それは奇跡か偶然か....アイッドの抵抗によるブルーオーラの弱体化、そして右腕がネカロパの腕であったためにアーバレストとレッドルの直なる接触が行われ、アーバレストを中心としたエア腕相撲のような形になった。そして辺りをレッドオーラとブルーオーラが包み込み、大気がうなりだす。
エックス[ウィークス....っ!!]
エックスにはもはや何が何だか分からない。オーラの突風は竜巻のように天へ昇る。その光景は遠く離れたミラウ達にも見えていた。
ミラウ(エックス....!)
その大気の歪みの中心に2人はいた。ブルールから離れたアイッドの幽体がウィークスをすり抜けていく。
アイッド[やれ....ウィークス!]
ウィークス[ウオオオオオーーーッ!!!]
アーバレストがわずかに左へ傾いていく。
ネカロパ[ハッ! 飼い主に捨てられるなんざ芸がねえなブルール!! こちとらなかよしこよしなんでなあっ!!]
ブルール[キサマラナンゾ....ニンゲンノチカラナンゾカリントモ....!]
レッドルとブルール、アーバレストの関係については アーバレスト マガフの目(写本、アーバンイルペ.ヒロイックエルプより抜粋あり)に記載追加しています。
分かりにくくてすいません。