28話 オーラ
メラノ族の力で降り下ろされた斧はウィークスの右腕を肩から切断し、ベットごと両断する。そして凄まじい血量にエックスは正気に戻る。
エックス[うわあああああああーーーーっ!!!!!]
エックスは子供の様に叫び、ミラウに抱きつく。ミラウは唖然とするがエックスを強く抱き締める。エックスは混乱している。
エックス[ああ、ああ!何て事を....ネカロパの声が聞こえて...おお、俺は....うああ...すまない、すまない少年....!]
さらに血だらけとなった医師は腰が立たない。
[はっ、はっ、はっ]
エックスの声が響き渡る。
その時!
ウィークスの切断された右肩部分から赤い光が溢れ出してくる。
ミラウ[エッ....]
エックス[俺は....ウィークス....!!]
エックスは四つん這いになる。赤い光は徐々に形となっていく。
ミラウ[エックス]
エックス[私はなんの為]ミラウ[エックス!!]
エックス[えっ?]
エックスも光に気づく。その光は筋肉の筋のように束なっていきー
エックス[.....ネカロパ!]
腕になった。
赤いエネルギー状の腕である。
ネカロパ[ウィークス!!]
ウィークス[!!!]
ウィークスはゆっくり目を開ける。
ウィークス[う...あ....]
ミラウは両手で口を押さえる。エックスは血だまりの中を駆け、ウィークスの目を見る。
エックス[ウィークス]
ウィークス[あれ....どこだここ。ああ、どうもエックス...さん?]
エックスはウィークスの頭に自分の頭をつける。
エックス[ありがとうネカロパ....ありがとう...!]
エックスの頬を涙が一筋つたう。
ウィークス[????]
ウィークスは赤いエネルギー状の拳を何度も握りかえす。
ウィークス[いや、自分の腕だわ....すげえなネカロパ]
ネカロパ[あえていうぞ。好きに使え。先程の戦いよりも強力なイモータルショットが放てるはずだ。ブルールを倒すにはもはやオーラを相殺しあって戦うしかない]
ウィークス[オーラ?]
ネカロパ[何だよ、そんな初歩的な事も知らねえんだったな。そこのメラノ族も使えたじゃねえかオーラ]
ウィークス[エックスさん、オーラって知ってます? ネカロパがエックスさんが使ったって言ってるんですけど]
エックス[オーラ? .....ジ.アイの事か?]
ウィークス[ジ.アイ....?]
ネカロパ[知らねーよおめえらの歴史なんて。だがそいつはさっき確かに緑のオーラでブルールの攻撃を防いだぞ]
ウィークス[緑のオーラって言ってますけど...]
メラノ族[エックスさん...!]
エックス[俺達メラノの先祖のジ.アイはグリーンオーラを使って仲間を守ったというが...それが俺に?]
ウィークス[ほんとかネカロパ]
ネカロパ[間違いねえよ。わしも....]
ウィークス[......何だよ?]
ネカロパ[あれ...思い出せねえな?]
ウィークス[曖昧だな....じゃあ僕はレッドオーラってところだな]
ネカロパ[勝手に言ってろ]
エックス[.....行くのかウィークス]
ウィークス[ええ、こいつの言う通りならブルールに対抗出来るのは僕しかいませんから]
エックス[強いなお前は....]
エックスはボソッと喋る。
ウィークス[えっ?]
エックス[いや、俺も行くぞ]
ミラウ[!!]
エックス[奴にはおおきな借りがある]
ウィークス[.......]
ウィークスの脳裏にマレーがちらつく。
エックス[足手まといでも付いていくぞ]
ウィークス[いえ.....嬉しいです、エックスさん]
エックス[(ブルールだけじゃない。お前にも大きな借りがあるんだぜ....ウィークス....!)ミラウ、俺は必ず帰ってくる。だから.....いつもの、頼むぞ]
ミラウ[....はい、待ってます。エックス]
ミラウは涙を堪えた。
メラノ族[私が案内します。といってももうすぐ近くまできているでしょうが....]
3人は外に出る。
すると
エックス[!!]
ウィークス[!!]
メラノ族[なっ....!]
ブルールは肉眼で見える所にいた。
エックス[お前はミラウ達を連れて逃げろ!]
メラノ族[は、はい!]
メラノ族はミラウや医師達を連れてその場を離れる。
ブルールの姿はもはや以前の面影はない。巨大な青い鎧の塊、それだけだった。
エックス[なんだありゃあ....兵器じゃないか!]
ウィークス[エックスさん、奥さんに言ったいつものってなんですか]
エックス[そんなこと言ってる場合か]
ブルール[ヨウヤクコノトキガキタカ....ナガカッタ....]
ウィークス[気になるんですよ]
ブルールの周りを青い光球が飛び回る。
エックス[しつこいぞ少年!]
ウィークス[枝豆とか?]
エックス[えっ、何で分かった?]
ウィークス[勘ですよ! 調子に乗らせてもらいます!(ランさん....)行くぞブルール!!]