25話 同志
カレコシアの飛空挺が着地しそうになると青い光が飛び出しイブを抱く。
アイッド[おい! イブ!]
イブはすでに事切れていたが、その顔は優しさに満ちた顔だった。
アイッド[イブ.....!]
アイッドはイブを強く抱きしめあげる。
アイッド[聞こえるか....この兵器とイブを収容してくれ]
兵士[了解です!]
一斉にカレコシアの飛空挺から兵士が出てくる。
長老[ならん! なんとしても渡してはならん!!]
メラノ族は周りを囲むように、岩陰から岩陰へと移動する。
アイッド[こいつらは俺が始末する....!!]
長老[ブ、ブルールか....!]
エックス[お前ら!! 相手が誰だろうと関係ねえ!メラノ族の意地にかけて何としても....]
エックスは長老を見る。
長老はうなずく。
エックス[機械人形はぶっ壊すぞ!!]
メラノ族達は咆哮する。
アイッド[豚は豚肉にしてやる....!!]
アイッドはメラノ族達に走りだす。
しかし!
アイッド[ーー!!]
アルフォリア飛空挺のミサイルが直撃し大爆発をおこす。
エックス[ーーー!]
長老[うおっ....!]
爆風で何人かのメラノ族が飛ばされる。
アイッドは鎧を撒き散らしながら吹き飛ぶ。アルフォリア飛空挺から声がする。
ソル[同じ国に住む同志達よ! 今すぐ我々の艦にお乗りください!!]
長老[何と....]
カレコシア兵が襲いかかってくるがバルカンで掃射される。カレコシアの艦はデカイが、押されつつある。
カレコシア兵[機体は回収したな! すぐさま撤退だ!!アイッド隊長も忘れるな!!]
アルフォリアの艦は不時着する。それをミラの艦が援護する。アルフォリアの艦にメラノ族が収容されていく。
長老[感謝いたしますぞ!]
ソル[当然の事です!!]
エックス[!!]
アイッドが爆煙の向こうに立っている。
青く発光する。
アイッド[イブ....俺は...な]
鎧が修復される。
エックス[な...何かまずいぞ!! 急げ!! 何だああの形!?]
以前の機動性のある鎧ではなかった。厚い壁のような装甲だった。
ブルール[エンキョリタイプダ....ヤツラヲウチツラヌケ...!]
右手を突きだし、左手を添える。青い光が右手に集まる。
ソル[ヤバい....発進しろ!! くそっ...!!]
まだ他のメラノ族やエックスは乗れていなかった。
長老[来るんじゃエックス!!]
エックス[ダメだ!! 俺がガードする!!]
エックスはふと自分の発言に違和感を覚えた。
[どうやって?]
アルフォリアの艦は上昇していく。エックスの体が緑色に光る。
長老[こ、これは! 心の間で見せたあの光か!?]
アイッド[行けオラアーーーーッ!!]
青い光のエネルギー弾を右手からライフルの如く2発発射する。
エックス[させんよ!!]
緑色の光をまとったエックスは槍で1発を消し飛ばす。が、もう1発はあらぬ方向へ飛んでいきミラの艦に当たる。フラッシュと共に、大爆発をおこし艦は真っ二つに割れながら落ちていく。
ソル[な....何がおこった!?]
長老[エックスーー!]
エックスへ更にカレコシア艦のミサイルが来る。正確なのか運がなかったのか....エックスはその時
[死んだ]
と理解した。しかし赤い光がミサイルを撃ち落とす。エックスはとっさにしゃがむが爆風は緑色の光で防がれる。ウィークスだった。ウィークスがうつ伏せでエックスの後ろで倒れている。
エックス[.......]
エックスはウィークスを背におぶり、走りだす。
アイッド[逃が....!]
それはミラの艦の最後の意地だった。無茶苦茶に撃たれたバルカンがアイッドを襲うがアイッドの鎧はへこむばかりでびくつかない。
アイッド[ちっ...!]更なる爆煙でエックスの走り去った方向も分からなくなる。アイッドはミラの艦が堕ちるのを背にカレコシアの艦に向かって歩き出す。メラノ族の身体能力、エックスの身体能力は一際凄かった。ウィークスを背にしたままアルフォ方面へと走り抜ける。アイッドは無線を使う。
アイッド[俺はネカロパを追う。お前らはその機体を急いで本国へ持ち帰ってマスカードの指示に従え。いいな? それと....イブは丁重に葬るんだ。粗相があったら貴様ら全員の首が跳ぶと思え!!]
兵士[はっ!!]
アイッド[この肥えたくそネズミ大陸が.....メラノもネカロパも殺す!!]
ブルール(ソウダ....コロセコロセ。ネカロパヲカクマウモノハスベテジャアクノカタマリヨ)