20話 権利もない
イブは外で待たされる。
番人[許可が出た。あなたを心から歓迎する]
イブ[ありがとう(フフ...)]
番人[案内しよう]
イブは岩で形成された村中を歩く。
イブはひときわ大きいほこらの前で止まる。
メラノ族[そこには近づくな]
イブ[何故?]
メラノ族[そこは心の間だ。自分を見つめ、鍛え直す場だ。今は少年が使用している]
イブ[そう....(馬鹿馬鹿しい)]
ーー1週間後.....
ウィークスは半裸になって瞑想していた。日に日に体力を奪われ衰弱していく。
ウィークス(じいちゃん、マレーさん、ロンリー隊長、フラムさん、エスコートさん、修道女さん.....)
ーーミラウ[エックス、あんな子供に心の間はキツすぎるんじゃない? 見てられないわ....]
エックス[彼はネカロパという重責を背負っている。1ヶ月....もたないというのであれば彼の意思とは関係なく取り上げる。それがあいつの為だ....]
ミラウ(経験者としても......一番、あなたが心配なのよね...)
イブは村に溶け込んでいた。
メラノ族[どうだいこの村は。あなたたちにとっちゃあ暗いわよねえ?]
イブ[いや、私もどちらかと言えば暗い方が好きなのでな。永住したいくらいだよ、ハハハ]
メラノ族[嬉しいこといってくれるねえ.....まあ何も出ないけどな!]
イブ[ここでマンゴーでも食べられたら最高だけどな、はは(監視の目は大分薄れてきている。まだまだ鍛冶場は見せてはくれんか....長老の言葉から察するに統一はそれほど取れてはいないな)
イブはとにかくコミュニケーションにはげんでいた。
ーー2週間目.....
ウィークスは意識が朦朧とする事があり、ミラウは決断を迫られていた。
ミラウ(もう限界よ....これ以上は....!)
ウィークス[まだです....]
ミラウの心情を精神の研ぎ澄まされたウィークスは感じていた。
ミラウ[.....]
ウィークス[死んでいったものたちに顔向け出来ない!!]
ミラウは驚く。
ウィークス[はあ....はあ.....]
ミラウは断腸の思いで出ていく。そこへエックスが待っていた。
エックス[....ミラウ]
ミラウ[ねえエックス、彼が死んだらどうするの?]
エックス[.......]
ミラウ[私の責任よ....あんな小さい体で....!!]
エックスはミラウに手をかける。
エックス[違うぞミラウ]
ミラウ[えっ....?]
エックス[俺の時にも言ったろ? 全て自分の責任のもと行っているんだ。生と死のわずかな間....彼はそこで苦しんでいる。進むも戻るも彼次第。お前には責任どころか権利もない]
ミラウ[男の言いそうな事ね......分かったわ。でももし彼が倒れようものなら遠慮なくたすけるわ]
エックス[ああ、ありがとう....]