213話 武神
ジ・エンド、チルドレンに対するスペリアル側の切り札です。
兵長の乱れ撃ったレーザーの一発がカーレントへと迫る。
グローリア「カーレント!」
カーレントは振り返りもしない。
兵長「あ!もらっ」
が、レーザーはカーレントの背中の手前でグニャリと曲がり、カーレントの胴体を3周高速でまわったあと、兵長へ飛んでいく。
兵長「へ」
レーザーは兵長の顔をかすり、建物を突き抜けていった。
ビッグ・ロー「何だ今の音は!」
兵長は地べたに腰を落とし、無線機がガタンと落ちる。
ビッグ・ロー「ちぃっ!」
つかの間もなくビッグ・ローは無線機を切り替える。
ビッグ・ロー「ヌオヅ殿申し訳ない!チルドレンを逃がしてしまったらしい!」
ヌオヅ「ああ、肉眼でも確認した」
ビッグ・ロー「え」
ビカートの手前付近でヌオヅ一行は空を見上げていた。
カーレント「はあはあ…とりあえず修理ができそうな街までいく!」
グローリア「ああ…!?」
段々と高度が下がっていく。
カーレント(意気がでない…反動なのか。それとも眼の使いす)
急にだった。
カーレント「…?」
グローリアか重くなる。
カーレント「……なんだ」
いやー
グローリア「ぐ、な、おあお」
グローリアが引っ張られていく。
カーレント「な、なんだあ!?」
カーレントは前に進もうとするが、すればするほどグローリアからオイルが撒き散らされる。
グローリア「あだだだ、ぐほっ!」
カーレント「グローリアっつ!」
カーレントはすぐさま振り返り、引っ張られるままに地上に降りる。
カーレント「だ…!」
瞬間!
カーレント「かっ!?」
草むらから飛び出してきた何者かの何かによって胴体を打たれ5mほど吹っ飛ぶ。
カーレント「かはぁっ!?」
カーレントは側転を3回繰り返ししゃがみ込むように踏ん張る。
草むらから出てきた3m近くはある巨体に異国の着物を纏った男はグローリアに錫杖の柄をおく。
カーレント「どけえ!ちっ、誰だ!」
???「ほう…影か?毛色の違うチルドレンだな。我が念気が遊星を周っておるわ」
カーレント(!?)
ヌオヅ「名乗りが遅れた。私の名はヌオヅ・アギヤ。五将陣が一人。後ろに控えるは我が同門達よ」
カーレント(うし…!?)
草むらから一斉に15人ほどの男たちが立ち上がる。
いずれも坊主で錫杖を手にしたガタイのでかい男たちだ。
カーレント「知らん!お前か呼んだのは!」
ヌオヅは錫杖をカーレントに向ける。
ヌオヅ「この駄造物はいらん。お前はビカートへ戻れカーレント・メディアス!」
カーレント「スペリアルか…そうなんだな!」
カーレントの形相が変わる。
カーレントが飛び出そうとした踏み込みに合わせて、ヌオヅはグローリアを無造作に投げ飛ばしてくる。
カーレント「!」
カーレントはそれを受け止めるが、そこへヌオヅが錫杖で突いてくる。
避けられないーが、受け止めーーーー
!?
カーレント(でない!?)
カーレントはとっさにN.ブレードで錫杖を受け止め、右へ弾こうとするがヌオヅのパワーに自分の方がグローリアにつまづいて倒れる。
カーレント「くっ…」
ヌオヅ(…弱まったか?)
がーー
カーレントは倒れたその態勢を利用してグローリアを支点にヌオヅに水面蹴りを放つ。
ヌオヅ「墳!」
ヌオヅは錫杖を立てて受け止める。
カーレントは「はっ」と口を鳴らす。
ヌオヅ「む」
カーレントはそこからヌオヅの顔めがけて手についた泥をなげつける。
ヌオヅはそれを目を開けたままあえて受ける。
カーレント「ぬまあーーっ!」
カーレントの立ち上がりと同時のN.ブレードによる突きがヌオヅの眼前まで迫るが
カーレント「ごっ!?」
ヌオヅの丸太のような足先蹴りでカーレントは後方に吹っ飛ぶ。
が、ドライヴがダメージを拡散してカーレントは倒れることなく立ったままだ。
カーレント「こ、これつけてても飛ぶんかよ…」
田んぼの上で二人は泥に塗れる。
その時カーレントは気づく。
カーレント(よ、鎧が前のに戻っている…いや、それより今の赤黒いオーラはなんだ!?)
ヌオヅ「雄雄雄雄雄雄雄雄雄雄雄!!」
カーレントはすぐさま前を見る。
ヌオヅが走り込んでくる。
カーレント(五なんとかって言ったか…ジ・エンドとチルドレン以外にこんな奴がいるのか!)
カーレントはブレードを泥につきさす。
カーレント「とべえええーーーーっしゅ!!」
ヌオヅ「!」
瞬間あたり一面の泥がどわっと真上に吹き飛ぶ。
ヌオヅ兵「なんと!」
カーレント「んにゃろああああーーーっ!!」
その降り落ちる泥の中からカーレントが一気にヌオヅに間合いを踏み込み、横に真っ二つに切ろうとする。
ヌオヅ「まっそおおぉ!」
ヌオヅは泥をはねのけるように腰を使って身体で錫杖を回転させながらブレードを受け止める。
カーレント「みえんの!?」
ぶつかったブレードからN.ストリームが衝撃破となって四方八方に吹き飛ぶ。
ヌオヅ「と!は!」
カーレント「んぐ!」
ヌオヅはそこからブレードを巻き込むようにして柄でカーレントの顔を下から叩き上げる。
カーレントのドライヴに亀裂がはいるが、カーレントはそのまま錫杖を手で掴む。
カーレント「う」
とっさに掴んだのを見逃すヌオヅではなかった。
ヌオヅ「見事!ジ・エンドの下位ナンバーなら一撃で跡形もないほどだったぞ!」
カーレント「にし!」
カーレントは錫杖を引っこ抜こうとする愚行にでるが、ヌオヅはさっと錫杖を離し
カーレント「!!」
カーレントの胴体に身体ごと肘打ちを入れる。
カーレント(なぜーーー!)
致命的な音と共にドライヴにヒビがはいり、カーレントはしゃがみ込む。
ヌオヅ「過ぎた力ではないと思いたいがタイミングが合わなかったか!気の毒ではある!」