212話 周天胎動4
お久しぶりです。
少しウォームアップにおとなしめに内容をあげてみます。
ハリデイを覚えている方はいらっしゃるでしょうか?
カーレントはゆっくりと立ち上がる。
炎床「チルドレン、このまま上に出たあとはどうするんです?」
カーレントは炎床を睨む。
カーレント「ついてくる気か」
炎床「あなたとともに死ねるなら本望だ」
炎床はまっすぐカーレントを見つめる。
グローリアは目を背けて舌打ちをする。
カーレント「…ウィザさんを助けたいのはやまやまだが、正直Nストリームが安定しない。生き残るのが先決だ…」
グローリア「!」
カーレントはうつむいて独り言のようにつぶやいた。
炎床「…」
グローリア「(足を引っ張ってしまったな…)すまんカーレント」
倒れそうになるグローリアをカーレントは少しはやるように抱きかかえる。
グローリア「くっ…ここにいるのはハフはハフでもウィザという女ではない」
カーレント「え」
グローリア「ハリデイというハフの女だ。…悪かった」
カーレントの眉毛がハチの字になる。
カーレント「…そうか、とにかく脱出しよう」
力ない声でそうつぶやく。
グローリア「そう…」
炎床「その女性は助け出さなくていいんですか」
炎床が食い気味に割って入る。
カーレント「そうしたい、が、そうもいかない。行くぞ」
炎床「はっ…」
グローリアは静かにカーレントの耳元でささやく。
グローリア「気をつけろあいつには」
カーレント「なに?」
炎床「はい?」
カーレント「あ、いや…」
グローリア「お前には言っていない」
炎床「……」
炎床とグローリアはきつく眼を合わせるが炎床は上の階の様子を伺う。
グローリア「純粋な残虐者だ。俺達と同じようで違う。決定的に、もっと本能めいた幼さに似た何かをもっているぞこいつは」
カーレント「……なおさら、近くに置いたほうがいい」
グローリア「わからないのかカーレント…わかりたくな…!」
口からオイルが溢れるが、カーレントが手でぬぐう。
カーレントはグローリアを支えながら歩く。
上の医療施設に出るとまたも多くの兵にかこまれる。
炎床「忙しいことだなお前ら!」
カーレントが手で炎床をどかす。
兵長「恐れるな!恐れば毒床を招く!我らは選民であるぞ!」
兵達が一斉に銃を構える、が
兵士「!?」
一斉に銃がNストリームと化して消える。
兵士「ほ、ほほほんとに消えた!」
兵長はたじろぎながらも声をあげる。
兵長「恐ればんなだ!剣があ…!」
カーレント「死ぬぞお前達!」
カーレントからNストリームとB.Nストリームが合わさった新たな力、オービットエナジーが湧き上がる。
炎床「これは…」
炎床は少年のように眼をキラキラさせている。
グローリア「カーレント…」
それはまるで太陽のごとく輝く。
光と影が合わさって光の粒子が煙のように立ち昇る。
兵士「に、人間じゃねえ…」
兵士「ひ、ひいいい」
兵士達はなぜか急に土下座をしだす。
グローリア(俺の身体でさえ暖かみを…)
兵長の通信機に声が入る。
ビッグ・ロー「どうした!?応答しろ!」
カーレントはグローリアを背に担ぐ。
グローリア「重いぞ」
カーレントはオービットドライヴ(Nストリームよりも更なる純度で出来たドライヴ)で重さを支える。
カーレント「くっ」
グローリア「……」
血花の時代
錯乱兆名の戦果
フラワーズの頃のカーレントの姿がグローリアの脳裏に浮かぶ。
グローリア(強く美しかった。ククク…みんな、もうこいつは俺の手には負えんよ…)
グローリアの心中は曖昧にも苦笑いが溢れる。
カーレント「炎床!お前は自力で来い!いけるな!」
炎床「はい!」
カーレントはグローリアを担いで窓をぶち破り外に飛んでいく。
兵長「ち、チルドレンが飛んでいきます…」
ビッグ・ロー「ほぅこくしとる場合かーっ!うてえええええ!」
その喝は兵長の血液を沸騰させるがごとく染み渡る。
兵長「うて……うてええええええええーーーー!!」
兵長は錯乱したかのように銃をかまえ空に撃つ。
最期のお前が撃つんかいというツッコミは削除しました。