204話 2人だけのフラワーズ
軍医療施設ビカート107の地下。
カーレント[ぐあああああああああ!!]
カーレントは十字架にはりつけにされ、ムチで背中を叩かれる。
スペリアル兵[はあはあ....しぶとい奴だ]
スペリアル兵は水を飲む。
そこへ、重い扉が開きビッグローが来る。
兵は敬礼をとる。
ビッグロー[....まだ吐かんか]
スペリアル兵[はっ、申し訳ありません]
ビッグロー[カーレント.メディアス....まあ、さすがにフラワーズのリーダーであるとは言っておく]
ビッグローはパチパチと2回手を叩く。
そしてカーレントの髪をつかみあげる。
カーレント[ブフッ....]
拷問で受けた裂傷、打撲、そして手術跡などが全身についている。
ビッグロー[お前のボロボロの骨はマシンナリーの技術で接合している。恩義を知れい!!]
カーレント[望んだ....かよ....]
ビッグロー[寒いか?]
カーレント[........]
スペリアル兵やビッグローはコートを着ている。
息が白く吐き出される。
ビッグロー[残りのチルドレンについて情報を吐くんだ。それだけでお前は暖かい寝床と暖かい飯と普通の客人としての礼儀を受けられるぞ]
カーレント[ぐふっ....はあ]
ビッグローはカーレントに顔を寄せる。
ビッグロー[俺達を敵視するな。こんなことはしたくてしているわけではない。傭兵のお前たちなら分かるだろう、私も仕事]
カーレント[お前の顔覚えたぞ]
ビッグロー[..........]
スペリアル兵[..........]
スペリアル兵達は息を飲む。
ガーーン!!
カーレント[かああーーーーっ!!]
ビッグローは掌底でカーレントの目を叩きつけた後、後ろを向き叩いた自分の手首を撫でる。
その痛みは頭の中まで響いてくる。
ビッグローは手拭いで手を拭く。
ビッグロー[ゲスはどこまでいってもゲスか。死にたいと懇願するまで続けろ。だが殺すな]
スペリアル兵[は、はっ!!]
一通りなぶられた後は牢屋に放り込まれる。
こんな毎日だった。
スペリアル兵[どんな頭してんだこいつ]
スペリアル兵2[人殺しすぎてパーになってんだろ、やる方の身にもなれっちゅーの]
2人は牢屋に鍵をかけた後笑いながら立ち去る。
深夜。
壁にぐったりとしてカーレントは思う。
ネズミが普通にカーレントの前を走っていく。
カーレント(.......N.ストリームがコントロール出来ない。目も使えないのはまた別の問題かな。寒い....)
外では雨が降っている。
カーレントはかすかに指を動かす。
カーレント(これも.....カルマか....)
カーレントが目を閉じようとした時だった。
?????[いい様だな]
誰か牢屋の前にいる。
首が動かなくてよく見えない。
?????[情けねえ....くだらねえ再会しちまったな]
声に聞き覚えがある。
というより、忘れられない鮮血の日々。
カーレント[グ....ローリア、か?]
グローリアは肩をあげる。
グローリア[ああ、そうだよ、俺だ、カーレント]
カーレント[..........]
グローリア[お前を失ってからは大変だったぜ。統制を失ったフラワーズは徐々に追い詰められて.......今じゃスペリアルに拾われてこんな体よ。ナラッブ達はグラヂュアリで死んだらしいがな]
カーレント[....!]
グローリア[まあ....安心しろ、俺達の完敗だったよ]
カーレントの目が穏やかになる。
グローリア(.......ちっ)
グローリアは素手で鍵を引きちぎる。
グローリア[俺と手を組まないかカーレント]
カーレント[あ.....?]
グローリア[俺は恐らく責任を取らされる。リーダーとしてな。マシンナリーにはアホどもが大量の金をつぎ込んだ。そいつらに対しての面構えってやつが必要だ]
グローリアはエリミネートショットを出す。
グローリア[エネルギーは空、しかもあいつら俺にSSY(脊髄神経回路遮断薬)を射とうとしやがった。つまりだカーレント]
グローリアはエリミネートショットを腰に戻す。
グローリア[脱出したい。お前の力も必要だ]