189話 我に輝け 聖域バーミントガム7
暗闇の中、ニコちゃんがデュアロを抱き締める。
ニコちゃん[可哀想....見も心もボロボロなのね]
デュアロ[........]
ニコちゃん[楽にして。私を受け入れるの]
デュアロ[うう....ひぐっ....]
デュアロはニコちゃんを抱き締める。
バスが街道を走っている。
バスガイド[落ち着いてください皆さん! すぐにアッコムの街へうわ!!]
バスが急停止する。
スカイバイクがバスの前で止まる。
エックスはウィザを担いでバスのドアを叩く。
運転手[........]
エックス[おい!]
が、ドアを開けない。
バスガイド[な、なんだあの娘。ヤバそうだぞ]
運転手[あ、ああ、巻き込まれ]
ガシャア!
運転手[ひいっ!!]
エックスは素手でガラスを割り、中にふわりとグリーンオーラでウィザを入れる。
エックス[すぐに病院に運べ!! それ以上もそれ以下もお前たちには期待しない!!]
エックスはスカイバイクに戻り、急いで走り出す。
サイオウ[かわしてみせる! かわすもんなあああああああ!!]
サイオウはもはやレーザーの中をくぐり抜ける事に集中していた。
が、全く事態が好転しない。
サイオウ[!!]
一瞬だった。
一瞬右が空いた。
サイオウは右に飛びながら
サイオウ[うおっしゃあああああああーーーーーーっ!!]
N.ボールをまとった薙刀を全力で投げつける。
が、偶然だった。
崩壊した戦艦の破片が落ちてきて薙刀は埋もれて爆発する。
サイオウ[はっ!]
破片が邪魔でレーザーの軌道が読めないコンマ世界!
まずいーーー!!
そう思ったときだった。
ゴアアアアアアアアアアアアアアアアン!!
サイオウ[!?]
ミブ[ん!? レーザー砲やめい!]
一直線に炎が走っていく。
それはナイトベアレーゼも巻き込み、海上をずっと走ってイスカラブ監獄まで伸びていく。
サイオウ[はあはあ...炎?]
サイオウはアコーディーをみにまとい空へ飛ぶ。
テラミネ[攻撃停止!ほ、炎を確認している!! どこからだ!?]
バラリアン[案ずるな! ゾーン良好!! 例え地獄でもこいつは歩けるよ!]
虹色のバリアによって炎はナイトベアレーゼを避けるように伸びていく。
ミブ[炎のラインか、どこへ向かっている!]
連合兵[イスカラブ監獄です! イス....え!?]
イスカラブ監獄。
ソル[なんとか方法は!?]
ナナン[やっぱりヴィディ先生を連れてくるんだった!! このままじゃマレーは蒸発する前に爆発する!!]
マレー[がががががが]
マレーはベッドに縛り付けられていた。
普通の人間ならとうに死んでいる体温である。
拘束具やベッドが溶けていく。
ヴァイトは剣を手に取る。
ソル[ヴァイト!!]
ソルはヴァイトの腕を掴む。
ソル[..........]
ヴァイト[..........]
ソルはヴァイトの腕を離す。
マレー[UGAAAAAAAAAAAAA!!]
マレーは拘束具をぶち破り、ベッドを片手で壁に叩きつける。
ナナン[きゃあああ!!]
ナナンは後ろに下がり、ヴァイトとソルが前に出る。
ヴァイト[か、覚醒したのかマレーよ....]
ヴァイトは剣を構える。
ソルも剣を構える。
ソル[マレー.....!]
その時!!
ンズドアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!
ソル[!?]
イスカラブ監獄に炎のラインが突っ込んでくる。
ヴァイト[!!]
ヴァイトはナナンを抱えて飛ぶ。
イスカラブ監獄の下部が炎のラインの追突で1/3吹き飛ぶ。
ソル[な、なん....!?]
6つあったベッドも壁も炎で燃え飛びマレーの体を貫通していく。
全員のいる部屋は熱波で赤く歪んでいく。
ヴァイト[マレエエエエエエエエエエエ!!]
ナナン[きゃあああああああああああ!!]
天井が崩れてくる。
ソルがヴァイトの上に覆い被さる。
ヴァイト[隊長!!]
ソル[これ以上ーーーー!!]
ボゴア!!
ヴァイト[!!]
天井が熱で溶け繋がり、ハンモックのようになって落ちてこない。
ナナン[.....え、マレー]
マレーは燃えたぎる手で天井を支えている。
マレー[BUHAA!BUHAA!BUHAA!]
マレーは全身から煙を吹き出している。
ソル[....い、今だ! こい!!]
ソルは崩れた穴から外へ抜け出す。
ヴァイトはナナンの手を引く。
ナナン[マレー!]
ヴァイトとナナンも外へ脱出する。
イスカラブ監獄は崩れていく。
ソル[はあはあはあ....]
ヴァイト[はあはあ....くそっ! くそおおおお!!]
ヴァイトは剣をを地面に突き刺す。
ナナンはボーッと崩壊したイスカラブ監獄を眺めている。
ナナン[炎....]
ヴァイト[ああ! いきなり火が回りやがった!]
ナナンは指差す。
ソル[!!]
ダゴオオーーーーーーーーーーーン!!
瓦礫が吹き飛び、炎のラインがまた走っていく。
2ライン!
ヴァイト[え?]
それは音速に等しいスピードで海上を走っていく。
だが、先程より火柱が弱い。
マレー[カハアアアアアアアアアアーーーーーーーッ!!]
ドゴアッ!! と瓦礫を吹き飛ばしてマレーが飛んでくる。
ソル[マレエエエ!!]
マレーは全員の頭上を飛び越して海に落ちる。
炎のラインは徐々に弱くなっていき、キャニーの村へつく。
村人[?]
火がゆっくりと村の中を進んでいく。
村人はそれを足で踏んで消す。
村人[ろくな事ねえなほんと、誰だよ消し忘れたの]
ブラック[OOOOOOOOOOOOOOOOOO!!]
ブラックの胸に紋様が現れ赤く光る。
ヴィディ[あづあぢゃあ!!]
熱でみんな離れる。
N.ジェイ[な、なんだいブラック!?]
温度が上がっていく。
ヴィディ[お、落ち着けブラック! どこか痛むのか!?]
ブラック(ウィザ!!)
ブラックは口を開ける。
ヴィディ[!!]
ズゴオオオオオオオオオオオ......
グリコーゲン砲を溜めていく。
N.ジェイ[じょ、冗談ドラゴンねえ...]
ヴィディ[離れるんじゃあ!! 吹っ飛ぶぞおおお!!]
ブラック(大丈夫だ)
N.ジェイ[え!?]
ヴィディ[な、何じゃ....声!?]
ブラック(目標バーミントガムの悪意の塊。中継地点マレー.ラキ、ポインターウィザ.ラキ。 転移エネルギー砲弾発射する!)
N.ジェイ[え? え? え!?]
ブラック(ウィザ....これが俺達龍族の運命なのか....)
ヴィディ[危険じゃ!! 離れるんじゃよ!!]
2人は待避する。
ヴィディ(ウィザちゃん、ハフを解放させる気か!?)
ブラックとウィザの間を見えない何かが繋ぐ。
3ライン。
補いあい完成。
カーレント[見つけた.....!]
ベルチの来る方向を探ってジラン達へたどり着く。
カーレント(デュアロ! 何をされている!?う)
オーキッド[う!?]
カーレントのN.ストリームとデュアロのB.N.ストリームが交錯しながら天まで上がっていく。
ジラン[!?]
ジランはカーレントに気づく。
カーレント[な、なんだ今のふざけたエネルギーは.....ジ.アイ? なんのことだ?]
ジラン[カーレンッ!!]
カーレントはオーキッドへオーラジャンプする。
カーレント[危険だ!! 分からないがこれは危険すぎるジ.エンドオオオ!!]
ポピュガ[いやああ、ああ、あ!!]
ポピュガの放った小さな火の玉はカーレントへ向かう。
カーレント[火? いや、外野はすっこんでろおおーーーーー!!]
斬!!
カーレントのN.ブレードの一撃はいともたやすく火の玉を消し飛ばし、周辺の木々を切断してしまう。
さらにその衝撃波がポピュガの胸に軽い傷をつける。
ポピュガ[ひ.....]
ジラン[止まれカーレントオオオオオーーーーー!!]
カーレント[!!]
ジランはB.N.ブレードをサ.イビーに突きつけている。
ポピュガ[はあ...はあ....畜生!ちくしょう!!]
カーレント[........]
ポピュガは悔し涙を流す。
ポピュガ[覚えてろよチルドレン!! 貴様ら全員すみくずにしてやる!! 踏みつけてネジ殺して....!]
ポピュガはふらつく。
ポピュガ[あの女も僕の物だ....]
カーレント(?)
ポピュガ[うああああああああああああああああ!!]
ポピュガは無理矢理次元間異移動を行い、消える。
ジラン[ペッ!]
ポピュガのいた場所につばを吐く。
カーレント[..........]
ジラン[よくここまで来たもんだレパード。カーレントと呼んだほうがいいか?]
カーレント[俺はカーレント.メディアス以外の何者でもない!]
ジラン[そんなことはまあどうでもいいわな。悪いね。それよりおら、お父さん、元気だぞ]
ジランはサイ.ビーの髪を掴んで離さない。
カーレント[............]
カーレントは一度目を閉じる。
ジラン[こっちは約束守ってやってんのにこのザマはなんなんだコラアッ!! こいつの存命は俺次第だレパード! お前に口挟む資格はねえよなああ!?]