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181話 ニコちゃん2/182話 不器用な愛/183話 我に輝け 聖域バーミントガム

デュアロ[鋭いな。俺はさっき言ったグラヂュアリで.....]

少女[.......]

デュアロは黙ってしまう。


波の音が響く。


少女[.....なんか]

デュアロ[ん?]

少女[かなしいですね]


デュアロ[......ああ]

デュアロは自嘲気味に笑う。

少女[わたしはもうそろそろいきます]

少女は浮いていく。

少女[おはなしできてよかった]

デュアロ[ああ....俺もだ]

少女は背を向ける。

デュアロ[あ、あのさ!]

少女は振り向く。

少女[なんです?]

デュアロ[俺の名はデュアロ。君は?]

少女[ありません]

デュアロ[ないのか名前?]

少女[わたしたちはばんごうでよばれています。わたしのこたいなんばーは256ごうです]

デュアロ[学がないんで良くわからんが....256号ってちょっと寂しくないか? ニコちゃんってのはどうだ?]

少女[ふざけたなでよばないでください]

デュアロ[そ、そうか? 256号よりはいいかと....]

少女は行こうとする。

デュアロ[一段落したらまたここに戻ってくる! その時は....また話し相手になってくれないか?]

少女[わたしはいそがしいですよ。ですがあなたのようなひとはまったくみかけません。こちらからもおねがいします。さようなら]

ニコちゃんは飛んでいく。

デュアロ(ありがとう....嘘でも嬉しいよ。じゃあ、いくか)

デュアロも飛び立つ。



必要だったのかもしれない。

約束が。

帰ってくる約束が.....



デュアロの戦闘力は落ちていた。

黒いN.ストリームと共に落ちていた。


バビロンは諜報員の手引きで既にバーミントガムへと上陸していた。

カーレントがドアを開ける。

ナナン[カーレント、死ぬなんてバカな事しないでよ....]

カーレント[......行ってきます!]

カーレントは笑顔で頷いた後空へ飛び出す。

ヴァイト[さて隊長、いっちょぶちかましますか]

ソル[面倒な言葉を使うな。時間がないのは承知だな。このまま行]

パオライアン[すいません、少し外に出してもらえますか?]

ソル[どうした急に?]

パオライアン[酔ったかも...外の空気を吸いたいんです]

ヴァイトとソルはちらっと目を合わす。

マレー[1分くらいならいいんじゃないですか?]

ソル[....そうだな。1分で帰ってこいライアン]

パオライアン[行こうナナン]

ヴァイト[......]

ナナン[え? ちょっと、なんで?]

パオライアン[今のうちに新鮮な空気を吸っておくんだよ]

ナナン[い、いいよ私は]

パオライアン[いいから早く!]

ヴァイト[止まれライアン!!]

パオライアンはナナンを連れ出し外に飛び出す。

ナナンは手を振りほどく。

ナナン[何なの一体!?]

パオライアン[くっ!]

ヴァイトが飛び出してきたところで森のなかから一斉に銃を持った兵士が現れる。

ソル[なに!?]

ナナン[!!]

ヴァイト[ちっ....ライアン!!]

パオライアン[.....行こう、ナナン]

ナナン[嘘でしょ...ライアン...!]

敵隊長[早く来いパオライアン!!]

ヴァイト[何で裏切った!?]

パオライアン[裏切ってなどいない!! 俺はカレコシアが崩壊した後ナナンと再会する前にスペリアルに囚われていた]

ナナン[えっ....?]

パオライアン[スペリアルでの生活の保障をもらったんだ! スパイ活動の報酬として....]

ヴァイト[ヘドがでらあ。てめえそれでもカレコシアの人間かよ?]

パオライアン[俺だって当初はこんなつもりはなかった!! だがジ.エンドとハフ.ドラゴンの同盟、更には...]

パオライアンはナナンを見る。

ヴァイト[何だよ? 言ってみろコラア!!]

パオライアン[この戦争連合側は負ける! 俺達の生活は保障されているんだ! ナナン、行こう!]

ナナン[ライアン....どうして!]

ヴァイト[バカがよ....ハフは知らんがジ.エンドがこのまま大人しくしてるとおもってんのか?]

パオライアン[無知とは哀しいな。あいつらの切り札は完成しようとしている]

ヴァイト[切り札?スペリアルの事か?]

隊長[パオライアン! 約束を違える気か!? さっさとこっちへくるんだ!]

ナナン[目をさましてライアン!! ジ.エンドは戦争を誘発しているのよ!]

パオライアン[....俺にとってカレコシアという国そのものが存在意義だった。その次に大切なのがお前だ、ナナン]

ナナン[.....ライアン、お願い]

ソル[そしてグラヂュアリも売ったという訳か?]


ナナン[え....]


ソル[5日ほど前グラヂュアリと連絡がとれなくなった。俺達、いや、カーレントがいない時にあそこが襲われるのは都合がいいな]

マレー[な....何故黙っていたんですか! 指揮官!!]

ソル[パオライアン....違うなら違うと言ってくれ。ここにいる全員に]

パオライアン[........]

ナナン[ねえ...嘘って言ってよ!]

隊長[10秒以内に来なければお前ごと射殺する! 1!]

パオライアンはスペリアル兵の元へ歩き出す。

ナナン[待ってライアン!!]

ナナンは涙を流す。

パオライアンは隊長の隣まで来る。

隊長[まあまあ良くやったと誉めてやる。よし! 全兵]

パオライアンは腰につけた爆弾を見せる。

隊長[......何だ?]

パオライアン[連合軍の情報を聞き出さないまま私をここで死なせますか? 生き延びたとして重度の火傷に責任もついて一生を苦痛と歩む事になりますよ。運が良ければね]

隊長[貴様....私を脅すつもりか! 英雄の座を捨ててまで.....?]

パオライアンはナナンを見る。

パオライアン(愛している....それしか分からない)

パオライアンは涙を流しながら首を横に振る。

ナナン[ライアン!!]

隊長[......カーレント.メディアスを追う! バビロンはこいつのせいで取り逃がした! 全兵引き上げるぞ!!]

ヴァイトは無理矢理ナナンをバビロンに乗せる。


スペリアル兵は引いていく。

ソル[引き上げていくぞ....]

マレー[どうなったんだ?]

ナナン[分かってた....]

ヴァイト[あ?]

ナナン[私はいつだって彼の一番にはなれなかった。でもカレコシアが崩壊した時、それでもいいって思えた。あの人を支えられるならそれでもいいって。でも...グラヂュアリまで....!]

ソルはカーレントに無線を繋ぐ。

ヴァイト[....あいつ、ハナッからお前が付いてきてくれないんじゃないかと思ってたと思うぜ]

ナナン[えっ....]

ヴァイト[そういう気がすんだよ、あっさり離しやがって.....(無器用過ぎるぜパオライアン)]

ナナ(ライアンはいつも私に気兼ねしていた。何度大丈夫と言ってもいつも.....)

ヴァイト[愛情表現、なのかもな.....俺には分からんか]


カーレント[こちらカーレント! 聞こえます!]

ソル[パオライアンはスペリアルのスパイだった! 私達はイスカラブ監獄へ戻り補給をすませ引き返す! お前も戻れ危険だ!]

カーレント[大丈夫ですよ....]

バーミントガムへ続々と戦艦が飛んでくるが、カーレントの目によってN.ストリームと化し乗員は堕ちていく。

カーレント[俺にはこの目の力があります! スペリアルの技術は何一つ通用しません! 父とウィザさんを連れて俺もすぐイスカラブ監獄へ戻ります!]

ソル[待て! 危険]

カーレント[っ!?]

左目に痛みが走る。

カーレント[何だ?]


ジラン[来たかレパード.....]

ジランは次々とベルチを産み出していく。

オーキッド[こちらまもなくですよ!]

レスtoレスへのゲートの向こうから黒い赤ん坊が這ってくる。

ウィザ(も、もう限界....サイ.ビーさんが息を吹き返すまでと思っていたけど!)

サイ.ビーは以前ベッドの上だった。

ウィザ(ごめんなさい....絶対にNo-3を誕生させる訳にはいかないの!許して!)

ゲートが

オーキッド[!!]

ジラン[なにい!?]

キャンセリングされ、閉じる。

オーキッド[バ、バカな....キャンセリング!? こんな高等技術どこでならった!?]

ジラン[オーキイイイッド!! ゲートが消えたぞ!!]

ウィザ(ありがとう、王子!)

ウィザは確実にハフへ飛ぶためサイ.ビーに触れようとする。


ウィザ[か....?]


サイ.ビーがウィザの喉を掴む。

ウィザは気づいた。

ウィザ(ち...違う....)

サイ.ビーの中にベルチが見える。

ウィザ(最初から....生きてなかったんだ....ベルチが心臓を動かして....私、バカ....)

オーキッドはウィザを殴り飛ばす。

オーキッド[お前ー!! お前があああーーー!!]

ウィザ[げほっ、うえっ!]

異次元移動は肉体と精神の一致が必要となる。喉を掴まれた時点で既に無理だった。

ウィザ(お兄...ちゃん....)


マレーの胸の傷が熱を帯びる。

マレー[.....ウィザ!?]

ソル[どうしたマレー?]

マレー[ウィザだ....そうか!既に念の射程距離に入っていたのか!!]


残っているスペリアルの戦艦からワイルドポリス改が飛び出してくる。

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