177話 NFM-戦場の殺人鬼-6(2)
長いので2話にまとめました。
もうジ.エンド関係なく戦ってますね(汗)
ツバウと紫の巨人の関係がいまいち分からないですね。変なオチになってなければいいですが.....
爆煙が漂うなかデュアロは全裸でボロボロの状態で立っていた。
輝く翼は再生され、向こうを観ている。
デュアロ[........]
デュアロは赤く沈んだ獣を観ている。赤い霧に包まれたそれはナラッブと同じ武器、同じ体....デュアロは、そいつをNFMの仲間と認識する。
グラヂュアリからはウルズヘッドの活躍とスペリアル軍の退却によりほとんど銃声は消えていた。
イプニック[君達!]
ワーチ[!]
イプニック[ウルズヘッドの者だ!僕たちが援護する! 脱出するぞ!]
ワーチ[脱出......]
ワーチはズイーブを見る。
ワーチ[いや.........]
イプニックはワーチを平手打つ。
ワーチ[!!]
イプニック[俺が後ろを守る!お前らは前に歩け! 歩くんだ! 下をみるな!!]
ワーチ[.........守る]
ワーチは自分を慕ってくれてきたメカニックマン達を見る。
メカニックマン[主任.....]
ワーチは涙を拭い、怪我をしているメカニックマンを背負う。
ワーチ(いく....ズイーブ、私がみんなを守るよ)
ヴィディ[あまり乱暴にせんでくれ!]
ヴィディもウルズ兵に支えられる。
そうして地下通路への大行進が始まった。
ワーチはフェニックスを見る。
ワーチ(私の責任だ....どうにかしてアローもすく)
急にフェニックスがジャンプすると、その下をナニかが突っ込んできて壁に激突する。
ヴィディ[う、うああ...なんじゃ!?]
イプニック[いいから! 行って行って!!]
フェニックスはゆっくりホバリングしている。壁の中から凶器の表情を浮かべたデュアロが現れる。
ワーチ[デュアロ....!]
イプニック[早く行って!]
2頭の高速戦が始まった。
イプニック(バカなことを....もうここは崩れるというのに!)
フェニックス[BUOOOO....]
デュアロ[おせええええええええええええええ!!]
フェニックスのミタムラによる斬りつけをかわしデュアロはフェニックスの頭部にしがみつき高速の打撃を打ちまくる。
デュアロ[DAAAAAAAAA!!]
フェニックス[RAHUOOOOOO]
フェニックスは高速でグラヂュアリ中を建物を吹き飛ばしながら飛び回る。
デュアロ[かあああ!!]
ガコンッ! と頭部の装甲具が外れ人工脳を覆っているカバーが表れる。そこには[永遠に愛している]と書かれていた。
フェニックス[wowwow]
フェニックスはまたも奇妙な音を出しながらブラッディを発動する。赤い粒子が広がり、デュアロはダンスでも踊っているかのように巻き込まれながら爆発し続ける。
デュアロ[っ!!]
が、何か黒い物体が弾けた反動を利用してその場から離れ飛ぶ。
フェニックスはそこへ2発のレールガンを撃つが、デュアロはかわす。さらにそこへ回り込んでアフレックスミサイル12発がデュアロへ迫る。
デュアロ[小手先のおお!!]
デュアロは追尾されながらフェニックスの周りを逃げ惑う。アフレックスミサイルをあちこちの建物にぶつけて数を減らしていくが、そこへきたレールガンがデュアロへヒットする。
デュアロ[効かねえ....俺はチルドレンもジエンドも超えたんだ....]
デュアロは黒い翼に守られダメージを受けていない。黒い翼は硬質可していく。
各地の爆発が大きくなっていく。ブラッディや爆弾の爆発連鎖でもはやサイオウとグローリアは戦うどころじゃなくなっていた。
サイオウ[ハアハア...くっ....]
サイオウの周りにはスペリアル兵の死骸が転がっている。
サイオウは建物の中のグローリアを確認せずにその場から走り去る。
サイオウ(みんな....)
フェニックスは蹴りで翼ごと吹き飛ばそうとするが
デュアロ[おう!]
デュアロは建物を壁にしてとどまる。デュアロがバッと翼を広げると黒い突風が吹きフェニックスは押される。そこへデュアロの翼が降り下ろされるが
フェニックス[VOOOO!]
フェニックスはミタムラで受ける。黒い翼がぐにゃぐにゃと歪むとバンッ! と吹き飛ぶ。
デュアロ[何だと!?]
フェニックスはとどめを刺そうとミタムラできりつけるが、吹き飛んだ無数の羽がフェニックスへ襲いかかる。
フェニックス[FYOOOOOOOOOOU!!!]
ブラッディが発動し、無数の爆発で羽は吹き飛ぶ。ザシュッ! とミタムラを爆煙の中突き刺す。手応えはあった。
フェニックス[.......oo]
が、爆煙が晴れてみると、さっていたのは黒い鎧にだった。デュアロがいない。フェニックスのレーダーは下からの接近物を感じとる。ミタムラを刺したまま蹴りで下を蹴る。バサッと羽が吹き飛ぶ。デュアロではなく羽だけだ。無数の羽がフェニックスに突き刺さり、建物に張り付けとなる。
フェニックス[BAAAAAAAAAA!!]
デュアロ[アアアアアアアアアアーーーーッ!!]
吠えるフェニックスにDUDON!とデュアロが体当たりする。デュアロは両手にN.ストリームを溜めようとするが、沸き上がらない。
デュアロ[とど....?]
フェニックスのショルダーカノンがデュアロに照準をつける。
デュアロ[はっ!]
デュアロは蹴りでカノンを蹴り飛ばし明後日の方向を向かせる。それがまずかった。ショルダーカノンは建物にぶつかり建物にヒビが大きく入る。更にショルダーカノンが発射され暴発、爆発し建物が損壊する。左上付近の壁が崩壊し、フェニックスの左腕が自由に動くようになる。左手はがしっとデュアロを掴む。
デュアロ[苦し紛れだそれはああ!!]
斬!と弱った翼で左手が斬りおとされる。だが切り終わった隙に左手のレールガンがデュアロに直接ヒットする。が、即死の近距離でも黒い鎧の再生で受け止めていた。鎧は砕ける。デュアロは翼でフェニックスを捌こうとするが、またもやブラッディが発動される。フェニックスの辺り一面が爆発し、爆煙で見えなくなる。
デュアロ[げほっ....]
鎧は限界だった。ダメージが全身に散らばるがそれでも鎧は砕けとんだ。
デュアロ[ハア...ガフっ.ハア....]
デュアロの口から血が流れ落ちる。
デュアロ[........]
爆煙の中から不気味にフェニックスが顔を出してくる。
デュアロ[来るか....来いよ。こっちこいよてめえ]
デュアロはほとんど散ってしまった羽を広げ拳を握る。
フェニックス[wooooooooooow!!]
デュアロ[!!!]
フェニックスはいきなりの加速でデュアロを捕まえ、一緒にそのままグラヂュアリ中を高速で低空飛行する。建物はもうほとんど壊滅しており、2頭は疾走していく。
デュアロ[がはっ.....う、おおおおお....]
デュアロは翼でフェニックスの腕を斬ろうとする。斬れてはいくが力が入らない。
あまりのスピードに脳が揺れる!
脳が、溶ける
デュアロは死ではなく[溶ける]気がした。
その時
フェニックス[GAI....OU...OOOOO]
フェニックスの高度が更に下がっていく。
燃料だった。
ブラッディはGオイルを周りに散布する武器。
燃料が尽きる!
ギャギャギャギャギャとフェニックスがコンクリートを掠れて飛んでいく。ひばなが炎と化し、フェニックスの飛んでいった後に火の線が出来る。
フェニックス[WOOOOOOOOOOO!!]
デュアロ[ひか...れ....翼よ、俺は自由だ....!]
が、そのまま2頭は地面にガン!と一度衝突したあと、なん回転もして吹き飛んでいき燃え上がる。そして土壌の部分で刺さるようにしてようやく止まる。デュアロはフェニックスの腕の中にいなかった。
フェニックス[WOW....wo.....]
フェニックスは燃えながら立ち上がる。身体中からオイルが漏れ爆発し出す。
がーー
フェニックスはただ漫然と飛んでいた訳ではなかった。フェニックスは小さなダムの前に立っている。グラヂュアリの生命線である。フェニックスは崩れるようにでかい水溜まりに落ちる。DOOOON!と水蒸気爆発を起こす。
そして....ゆっくりと水の中からそいつは現れた。
装甲は全て外れており、細い、実に骸骨のような機体が地上へ上がってくる。全身から腐臭漂う煙を出しながらゆっくりと歩き出す。そしてすぐ横を見る。
ワーチ[あ、アロ.....]
すぐとなりは倉庫だった。倉庫は崩れ去っており、ワーチのみがフェニックスを止めようと残っていた。
自分の調整してきたものは.....
フェニックス[OGOO....gobo..gobogobo....]
フェニックスはワーチに近づいていく。オイルがどんどん流れ落ち、ガタガタとフェニックスは揺れ出してくる。ワーチは後ずさりしながらも逃げなかった。
ワーチ[い、嫌.....]
フェニックスは手を差し出してくる。
ワーチ[来ないで]
フェニックス[ONEECHAN.......]
ワーチ[来ないでアロー!!]
アロー!
アロー[はっ!!!]
アローは目を覚ます。と同時に黒い衝撃吸収ボディカバーが外れ
アロー[......ぐはっ!]
アローは熱帯と化したコクピットの中で吐く。アローの目覚めにより脳の主導権がツバウからアローに移る。フェニックスはぐったりとゆっくり横に倒れていく。
ワーチ[あ.....アロオオオオ!!]
ワーチが駆けつけようとした時だった。DADUNN!!と高速で何かがフェニックスに突っ込みフェニックスは横に一回転する。ワーチは突風で倒れる。
デュアロだった。
フェニックスの頭にデュアロがついている。死んでいてもおかしくない状態である。血だらけのデュアロは[永遠に愛している]と書かれている人工脳のカバーへ手を降り下ろそうとする。
デュアロ[GYAAAAAAAAAAAAAAAA!!!!!]
その時!
瞳.....
デュアロの目にサイオウが映る。サイオウが向こうに、肉眼で確認できる距離にいた。サイオウも驚愕している。
サイオウ[デュアロ....!]
一目で分かった。たった一目で。
デュアロ[サ....サイオウ.....]
デュアロは手を止め、黒い涙をブワっと流す。
それは羞恥心か....
黒く汚れた自分を兄弟に見られる恥ずかしさ。
デュアロ[うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!!!]
デュアロは飛び去っていった。