176話 NFM-戦場の殺人機-5
グローリア[どうした! 何が起こっている!?]
グローリアは看護婦が体を張って守ろうとした男の顔を見ずに看護婦の死体を投げ捨て外に出る。
グローリア[....バーナックス?]
バーナックスが逆方向へ飛んでいく。
スペリアル兵[指揮官! どこへ向かわれるんですか!?]
指揮官[あんな化け物命がいくつあっても足りるか! ここを出たら各個にグラヂュアリに仕掛けておいた爆弾を起動させる!これは現場判断だ!]
スペリアル兵[NFM隊はどうするんです!?]
指揮官[俺達はあいつらのせいで何度臭い飯食わされた!? 知ったーーー]
急に暗くなる。
瞬間!
考える暇もなくバーナックスは地べたに尾で叩きつけられ爆発する。
それは血だらけのブラックだった。
外から来た3機のワイルドポリスをたたきふしていた。
ブラック[GA...GA...ウィザがいないとキツいな....]
ブラックは仁王の如くグラヂュアリの周りを見回す。それはウルズヘッドに促されての事だった。
ウルズ兵[彼が味方だという報告は受けていたからな....身ぶり手振りだったが取り敢えず守れという事は伝わったようだ]
各地の爆弾が爆発していく。
グローリア[くっ...無能どもが。ナラッブ、タイムリミットだ! 退くぞ!]
ナラッブはウルズ兵に囲まれていた。
ナラッブ[先に行け! 金魚のフンどもが五月蝿くてな!!]
グローリア[急げよナラッブ!]
グローリアはキャスタリング(ブースト加速式ローラーダッシュ)で走っていく。
???[貴様らあああああーーーーーーっ!!]
サイオウ[!!]
サイオウの目がカッと見開く。目の前には看護婦の死体が散乱している。
サイオウ[!?]
サイオウは外へ駆け出す。血とGオイルと腐臭が漂う地獄の光景が広がっていた。
サイオウ[ど、どこだ....俺はどこへ来た?]
デュアロ[うわああああああああああああああ!!]
サイオウ[!!]
......かすかに、雄叫びのようなデュアロの声が聞こえた。
サイオウ[また...デュアロか....どこだ!?今行く!]
サイオウはアコーディーを身にまとい飛び立つ。すると建物の陰で何か光っている。グローリアがRR2単射型極大レーザーをブラックに狙いをつけている。ブラックは上空のサイオウに気づく。
ブラック[サイ...!]
サイオウの視線にブラックが気づくと同時に大きな青白い光りがブラックの視界を遮る。サイオウのお陰でいち早くタイミングを得られたブラックに出来るのはタメの間に合わない小さなグリコーゲン砲を吐き出す事だけだった。ブラックの顔面で大爆発を起こす。ブラックは雄叫びをあげながら仰け反るように倒れる。顔には火傷を負い、更に目をやられてしまっていた。
グローリア[最大出力でトカゲ一匹やれんのか....!しかしなぜ急に]
上を見上げるとサイオウが怒りの形相で向かってくる。
グローリア(サイオウ.オーラウンダーズ!? ベッドの上じゃあ...くっ!)
グローリアはエネルギーを使いきったRR2を切り離し片方のRR2で攻撃する。
サイオウ[敵でいいんだなイヤオオオオオオオーーーッ!!]
グローリア[うおおおおおおおおおーーーーっ!!]
RR2散弾型で放たれたレーザーがグローリアの目の前でサイオウに多段ヒットする。グローリアは後方に倒れる。
サイオウ[つ、つう!!]
アコーディーが悲鳴をあげてひび割れる。
グローリア[ターゲットインサイトオオオ!!]
グローリアは座ったままサイオウに単射型でレーザーを射つ。
サイオウ[アコーディー....耐えてくれ]
サイオウは飛び上がりレーザーを回避する。
サイオウ[アコーディー再生が遅いぞ! 状況が分からん!?]
グローリアの散弾型レーザーをサイオウは薙刀で切り飛ばす。
サイオウ[!?]
グローリアが地上にいない。
サイオウ[逃げたか...?]
後方の地上から爆発音がする。サイオウは振り向く。しかしそれは先ほど切り離したRR2が爆発しただけだった。グローリアが建物の陰からサイオウの後部目掛けて単射型レーザーを射つ。
グローリア[悪いなカーレントオ!!]
轟音にサイオウは気づくが手遅れだった。直撃し爆発する。
グローリア[!!]
が、爆煙の中からN.ボールがグローリア目掛けて迫ってくる。
グローリア[それくらい予想ずみだぜチルドレン! 俺が何の為になあ!!]
グローリアは後方にキャスタリングで飛ぶ。N.ボールは建物とぶつかり爆発する。グローリアはRR2を散弾型に切り替える。サイオウは上空から旋回しながら薙刀でグローリアに向かってくる。
サイオウ[オオオオオオオオオオオオオオオオオ!!]
グローリア[ハナからてめえの足止めさえ出来りゃあ満足なんだがこちとらエネルギーがパンパンでなあ!!]
レーザーのショットガンがサイオウに再び襲いかかる。
サイオウ[そりゃあ俺のセリフだ]
グローリア[....ん?]
サイオウは自らにN.ボールをくらわせ爆発する。
グローリア[なっ....!?]
さらにその爆発にレーザーが当たり続け爆発し続ける。
グローリア[見失う?明日を捨てたか!!]
爆発の中からアコーディーの破片が無数にグローリアへ降り注ぐ。
グローリア[物真似だなこれは!!]
グローリアは集束率を更に解放しショットガンを放つ。アコーディーを粉砕する事に成功するがーー
グローリア[いや、機械なものでね]
グローリアは背後の接近物を感知する。足から出たバルカンが目標に撃たれる。接近物は勢いを無くし落ちる。
グローリア[よし! チルドレンを始末....!?]
グローリアが振り向くとそこには薙刀が腹に刺さったスペリアル兵がいた。ゴッ!っとグローリアの足元で音がする。
グローリア[.....てめえ]
サイオウがN.ブレード手にグローリアの脇腹についている。
サイオウ[くそやろうが]
サイオウは苦笑する。サイオウをレーザーガンを持ったスペリアル兵が囲んでいた。グローリアは首を横に振る。
サイオウ[やってみなけりゃわかんねえだろ]
グローリア[撃て貴様らあああーーーーっ!!]
スペリアル兵[し、しかしこの距離では...!?]
サイオウ[2度目のご挨拶だなあああああああああ!!]
グローリア[己がああ!!]
グローリアは腕から出たレーザーカッターでサイオウに斬りかかるがサイオウはN.ボールを身にまとい、グローリアは建物の中へ吹き飛ばされる。
スペリアル兵[う、うてえええええええええ!!]
次々とレーザーガンがN.ボールに直撃し、N.ボールはひび割れていく。
サイオウ[やるか使いっぱどもが俺と!!]
サイオウはN.ボールをそのままアコーディーへと変化させ装着する。
スペリアル兵[うちつづけ! うちつづけえ!!]
サイオウ[グラヂュアリ!?]
腹に薙刀が刺さったスペリアル兵は、サイオウが死体に薙刀を突き刺してグローリアへ投げつけたものです。