14話 強くなりたい
両手を突き破り、その一撃は顔面に到達しアイッドは空高く飛び、落ちる。そして気絶する。
ウィークス(は、早く...戻らないと....)
クラムショットに乗り込むが運転の仕方が分からないうえ、故障していた。ウィークスはそのまま徒歩でロイザン渓谷へ向かう。
ーー日の光がウィークスを照らし、それを背にロイザン渓谷へとたどり着いた。
ウィークス[ーーーーーー!!!!]
ウィークス[......そんな]
そこにはカレコシア人と共に、ロンリー、ヴァイト、フラム、エスコートが倒れていた。
ウィークスはがくっと膝をつく。
ウィークス[また.....また....かよ.......]
涙があふれ止まらない。
ウィークス[またかよおおおおおおおおおーーーーーーっ!!!!!]
だがかすかに
ウィークス[.....!!]
かすかに何かがうごいた。
それは手だった。
急いでウィークスは4人の脈を調べる。ヴァイトのみがかろうじて生きていた。
ウィークス[はあ、はあ、はあ]
溢れる涙を拭い、ヴァイトを担ぎミストへ向かった。
ーーーしばらくして....ミストの兵士が砂丘で倒れている2人を発見。保護......ミストへ運ばれた。
ウィークスはベッドの上で静かに目をさます。
看護婦[あ、起きま.....きゃあっ!]
王によばれている事を知りながらも、ウィークスはすぐさまヴァイトの元へ駆け付ける。
ヴァイトは車椅子に座っていた。
ウィークス[ヴァ....]
顔を見てすぐ分かった。
ヴァイト[.......]
ヴァイトは精神を病んでいた。
ウィークス[...........]ウィークスはそのまま、立ち尽くした。
その晩、ミスト城からウィークスは姿を消した。
4日後......
カレコシアの爆撃でボロボロになったキャニーにウィークスはいた。食料もなく力なく地べたに座って壁にもたれている。ネカロパ[これからどうする気だ? あては無いんだろ?]
ウィークス[.........]
ウィークスは一向に口を開かなかった。
ウィークス[.....なあネカロパ]
ネカロパ[何だ?]
ウィークス[強くなりてえよ]
ネカロパ[.....お前のジジイの念が強くてな....我を縛り付けるのだ。お前はこれ以上我を扱いきれんよ]
ウィークス[わかってんだよ.....アーバレストがあったって、それだけじゃあ勝てねえ事なんて。だけどよ....もっと、もっと、何発でも振るえるような体さあれば....]
ネカロパ[だったらまずは体を鍛えろ]
ウィークス[....そうだな]
ネカロパ(ちっ....あのジジイの記憶か? いや、それにしては古い.....サークルでもクロスでもねえ。我が宝玉に支配される前の記憶か....?)
だがすでにウィークスには体力無い。
ウィークス[鍛え....なきゃ]
立つことすらままならない。
ネカロパ[ちっ....]
ウィークスはくやしなみだを流す。
ネカロパ[おい.....]
ウィークス[約束を....守れなかった! 戻れなかった! 僕は....僕は.....]
ウィークスはヒステリックになる事が多くなっていた。