169話 カバの奇襲作戦2/170話 カバの奇襲作戦3/カバの奇襲作戦4
バンプート[そんなつもりじゃあ....]
ヘラニー[落ち着きをデュアロ様。アース.オブ.ザ.チルドレンというのは気まぐれから生まれたものではありません。本能と一緒です。ですから....]
N.ジェイ[そういうことじゃないと思うわよヘラニー....]
デュアロ[俺は....俺はその日暮らしを出来れば良かったんだ。自由に、2人で生きれればそれで!]
ヴァイト[だからジ.エンドがいちゃそれも出来ねえだろうって]
デュアロ[なんだこらあやんのかあ!!]
ヴァイト[おうやってみろ腰抜けが!]
デュアロはヴァイトに殴りかかるが、ヴァイトは簡単にデュアロの腕をとる。
ヴァイト[殴る相手が違うんじゃあねえーか!?]
デュアロからN.ストリームが溢れてくる。
ソル[ヴァイト離れろ!]
ヴァイト[ちっ]
ヴァイトは腕を離す。
デュアロ[俺らは誰の指図も受けない! 俺は俺のために戦う! こいつと....俺の為にだ!!]
デュアロは走り去る。バンプートが追いかける。
ヴァイト[どうしようもねえな...なんであれがチルドレンなんだ?]
ライライ[むしろ君が特別なんじゃよ。いきなり自分を地球存亡の要にされてもな....]
N.ジェイ[じゃあチルドレンはカーレント1人か....]
ソル[........]
カーレント[大丈夫ですよ、あの2人程度なら]
ヴァイト(地味に凄い事をさらっと言ってるな)
ソル[助かる、カーレント。ジ.エンドの仲間が現れないうちに決着をつけるぞ。デュアロを説得している時間はない!]
ヴァイト[空いた枠には俺を連れていけ。あのボンクラよりは役にたってみせらあな]
ソル[......分かった。お前と数名の兵士も乗せよう。ワーチ、フェニックスの修理を早急に頼む]
ワーチ[アイアイサー、既にアローも調整に入ってるしね。出来たら戦場まで最速で飛ばせるよ]
ソル[ああ、頼むな]
N.ジェイ[ブラックは?]
ソル[怪我をした彼に囮役は荷がきついだろう。なるべく静かに入り込みたいしな]
ヘラニー[それに....]
マレー[分かってる。ウィザの念が無い今、俺達は....]
ソル[悲観する必要はない。残りのジ.エンドはカーレント、お前に任せる]
カーレント[はい]
マレー[........]
ライライ[大変な事になったの....スポンサーの命に逆らう訳にもいかんしの]
N.ジェイ[ナナンがいないぶんはあたしら女がカバーしとくよ。艦長、こいつらのこと頼んだよ]
N.ジェイはヴィディの肩をバンバン叩く。
ヴィディ[ったく、ホントに口の悪い女じゃのう]
ヘラニー[私は何とかデュアロ様を説得してみます]
エミィ[なかなか難しそうですね...]
ソル[よし、以後この作戦のコードネームは[カバの奇襲作戦]だ。宜しく頼む!]
ヴァイト[カバあ?]
ライライ[巨体でもって静かに潜る優しき鬼か。いいセンスしとるね]
ヴァイト[ホント、いいセンスだよ]
ウィザとオーキッド、2人でゲートを生成していた。
オーキッド[素晴らしい....No-3の誕生も近いですよ5!]
ジラン[よし....]
ウィザ(....聞こえますかポピュガ様)
ポピュガはスペリアルのビカート107軍病院でハリディに手をかけようとしていた。
ポピュガ(だ、誰だ!? 僕に直接コンタクトしてくるなんて!)
ウィザ(ウィザ.ラキです。次元間移動が出来るポピュガ様となら波長があうと思い発信しました。受け入れて頂いて感謝しています)
ポピュガ(こんな距離を....で、なにようだ? 僕は忙しい!)
ウィザ(ハリディの調子はどうですか?)
ポピュガ(そんな事か....極めて良好だ。それがなんだ)
ウィザ(...私はジ.エンドをこの世に誕生させる訳には行きません。No-3が現れそうになった時はゲートを縮小させてここにいる味方と共にハフへ逃げます)
ポピュガ(ほう)
ウィザ(力関係で言えばNo-3が現れていない以上まだスペリアルが上です。ハリディに何をするか分かりません。その時はお母様を連れてハフへお逃げください!)
ポピュガ(....そういう事か。次元間異移動は可能か?)
ウィザ(はい、この間友達に試してみて可能でした。ハフに移動した後そのまま仲間の元へ帰ります)
ポピュガ(好きにしろ。こっちも勝手にやらせてもらう)
ウィザ(ハリディの事...お願い致します)
ポピュガ(.....待て、キャンセリングは可能か?)
ウィザ(キャンセリング?)
ポピュガ(ゲートはお前ごときの念を断った所で閉じはしない。意図的に閉じるパルスを送り込まなければいけない)
ウィザ(そ、そんな...!)
ポピュガ(安心しろ、余が教えてやる。常にこの波長をオープンにするんだ)
ウィザ(よ、良かった...ありがとうございますポピュガ様!)
ポピュガは念を切る。
ポピュガ(フフ...ジエンドの徒労もこれで終わる。一石二鳥だな。だが気に入ったウィザ.ラキ。血というやつか....)
バビロンは都市ハイライズから海岸線へ向かっていた。ヴィディの代わりにパオライアンが乗車している。パオライアンが強く志願したためである。彼の医療技術はヴィディの折り紙つきだ。
マレー[....カーレント]
カーレント[何ですか?]
マレー[....その、感謝しているよ]
カーレント[とんでもない...それは俺の台詞です]
マレー[え?]
カーレント[俺のことを憎んでいたはずなのにウィザさんは俺の父を救おうとしている。ウィザさんは俺の父と同じことをしようとしているんだ]
マレー[.....ああ]
カーレント[ニラックさんをこの手にかけたのに、父を救おうとしてくれている....父と同じく、自分を押し殺して...血で血を洗う今、彼女を死なせる訳にはいかない、絶対に....]
マレー[....ありがとう、カーレント]
カーレント(そう、例え俺と父に何があろうとも...!)
その1週間前
アローはフェニックスのコクピットにいた。
アロー[ちょっと来てくれワーチ!]
ワーチ[何だよ、忙しいの!]
アロー[このチャンネルだけ周波数がおかしいんだよ。見ろよ]
ワーチ[え~....あ、ホントだ。あれえ?]
アロー[なんだこれ...生き物みたいな...]
ワーチ[ツバウかな]
アロー[...何だって?]
ワーチ[言ってなかったっけ? デューティーシステムは君の脳波と人工脳をリンクさせて起こる現象だから。その反動かも....人工とはいっても元は人の脳だからね。あ、ちょっと呼んでるから、また後で]
アロー[あ、おい!....脳、だと?]
デュアロがベンチでくつろいでいるとヘラニーが来る。
ヘラニー[あの...]
デュアロ[何を言われようが俺は戦いませんよ!]
ヘラニー[そ、そうですか....]
ヘラニーは落ち込む。
デュアロ[....あなたには分かりませんよ、前線で戦う者の気持ちなんて....]
ヘラニー[確かにそうです...ですが今は、どうしてもデュアロ様のお力が必要なのです!]
デュアロ[チルドレンの前に! 俺だって人間だ!!]
ヘラニー[!!]
デュアロは立ち去る。
ヘラニー[....私の、人間的未熟さゆえでしょうか]
ライライがヘラニーの肩に手をかける。
ライライ[わしらはあまりにも重い荷物を彼らに押し付けておる。彼らを責めなど出来ん。戦わない、という道を選んだのなら...それが宿命なのかもしれん]
ヘラニー[私は....でも...諦めません...]
ライライ[ふふ...そういう所はN.ジェイの影響かのお?]
その時GOOOOOON!と管制塔が爆発する。
ライライ[なっ....!?]
ワイルドポリスX2(インヴェレーションの量産型。平っべたい戦闘機)10機が超低空飛行でグラヂュアリ中を駆け巡る。悲鳴がこだまする。
デュアロ[な、何だってよ!?]
デュアロは隠れる。建物のガラス窓が一斉に吹き飛ぶ。更にワイルドポリスバーナックス(隊長機)が遅れてやってくる。
マスカード[ひ、避難じゃーー!キャニーへ病人をうつせえ!!]
悲鳴がこだまするなかワイルドポリスX2から体が機械化された兵士5人が降りる。
グローリア[情報通りだな!]
ナラッブ[ようしてめえーら! さっさと制圧しろ! とりあえず殺しておけばいい!]
5人の機械化された隊長格はかつてカーレントと共に戦場を荒らし回ったフラワーズだった。生身の兵士達は命令されるまま散っていく。
イソール[侵入者か!?女は病人、怪我人をキャニーへ移送しろお!!]