167話 仕方ないよ...2
ジラン(ガキに随分と借りを作ってしまった。まあ最後に勝つのは....と思っているのはスペリアルも同じだろうが。ハフはともかくな)
ブラック(何を考えているジラン....しかし奴がここにいるのは多分オーキッドというゲート生成のジ.エンドの仕業だろう。少なくとも先のエイザ.ナップの里への襲撃でゲートは閉じられたと見ていいか?)
ジランの目先にウィザがいた。
ウィザ[いつか....エイザ.ナップの里への襲撃からいつかこんな日が来ると思ってた....]
ジラン[要領のいい女は好きだ。レスtoレスへのゲート生成の為にはヴァリの血をひくお前が必要だ]
ブラック[バカな事を! 誰がお前らに....]
ウィザ[やるわ]
ブラック[!?]
ジラン[よく状況を理解しているようだな]
オーキッドが現れアンセスタへのゲートを開く。
オーキッド[くっ....]
ベルチがオーキッドを支える。
ウィザ[条件は2つ!]
ジラン[.....条件?]
ウィザ[ハリディ.マシコリンのスペリアルでの完全治療を望むわ! 2つめは....サイ.ビーさんを必ず生かしてあげて]
ブラック(ウィザ.....)
ジラン[もう少し対等に物事を見極められる女かと思ったんだがな....]
ジランの気迫にウィザは震える。
ジラン(まあ....従えておくか)
ジランは分かったと了解する。
ウィザ[もし約束を破ったらゲートなんて破棄するから!]
オーキッド(無理だな。一度ゲートが大きく開けばこんな小娘ごときでは止められん。純粋な否定世界はな)
ブラック[ウィザ! 本気かお前は!!]
ウィザ(ゲートは開けさせない。それは任せて)
ブラック[お前は戦闘体じゃない!1人では....!]
ウィザ(仕方ないよ、ニラックさんだって....)
ブラック[!!]
ウィザ[ジラン....ドラゴンは元の場所に帰して、アンセスタに]
ジラン[それは出来ん。我々の行動が筒抜けになる]
ウィザ[ドラゴンは私がいなきゃ誰とも会話出来ないわ]
ジラン[信用出来んな。自分で帰したらどうだ? ドラゴンは殺せ!!]
ウィザ[!!]
ハフ兵(偉そうに私達に命令を...)
ハフの女達がドラゴンを囲む。
ブラック[ウオオオオオオオオ!!]
ブラックは回転しながら尾でハフ兵を吹っ飛ばす。反対側にいたハフ兵が槍を投げつけてくる。
ブラック[くうっ!!]
怪力で投げつけられた槍はブラックの硬い皮膚を裂く。
ウィザ[止めて!]
ジラン[だったら自分で帰してみせろウィザ.ラキ!]
ウィザ(ヴィディ先生....)
ブラック[おおおおおおおおおおおお!!]
ブラックは尾でハフ兵を叩こうとするが、ハフ兵は左右に別れブラックを囲む。
ウィザ(やってみます!)
ウィザは意識して祈る。ハフ兵がブラックの右足を槍で突く。
ブラック[つう!]
ブラックはその兵を噛もうとするが後ろからハフ兵が槍でつついてくる。
ブラック[ゾロゾロと!?]
尾で吹き飛ばすがその下からハフ兵が突っ込んでくる。
ブラック[GYAAAAAAAA!!]
ブラックは空を飛ぼうとするが、四方八方から飛んできた鎖がブラックをがんじがらめにする。
ブラック[やはりハフか!対策されている!GOAAAAAAAAAAA!!]
ブラックは口を開けグリコーゲン砲を放つ。鎖が前方部分破れ、ハフ兵が6人爆発に巻き込まれる。ハフ兵が10人程ドラゴンに飛び乗ってくる。
ブラック[まずい!!]
鎖で上手く動けない。
その時
ブラック[え!?]
ブラックにノイズが走り、ハフ兵が瞬間移動しながら吹っ飛ぶ。
オーキッド[これは....]
空間にノイズが走る。ブラックが薄くなっていく。
ブラック[移動か?......ウィザ! 必ず迎えに来る! マレーと一緒にな!!]
ウィザは寂しい笑顔を見せる。カッと光ると、ブラックは消えてしまう。
オーキッド[次元間異移動だ....ポイントを跳躍させた]
気を失うウィザをジランが担ぐ。
ジラン[お前の見立て通りだったなオーキッド。時は近い]
ポピュガ[何だと!?]
ポピュガは高級なコップを投げつける。
ハフ兵[も、申し訳ありません!!]
ポピュガ(アンセスタ侵攻の為とはいえあの女が助かると僕の立場が....畜生!)
全員でマレーを抑える。
ワーチ[落ち着けってバカ!]
ヴァイト[くそ! あっちいな!!]
マレー[離せてめえーら! ブラックだけ戻ってきたならウィザはスイヴィアに捕まった可能性が高い!! ニアリバーンからならまたあっちに行けるかもしれねえ!]
バンプート[ほっとけよ、帰ったんだろきっと]
マレー[何だとコラアアアアーーーーッ!!]
エミィ[ブラックが怪我だらけで現れたのよ? バンプート! 謝んなさいよ!]
その様子をブラックは観ていた。
ブラック[GAAAA.....]
マレー[どけお前らああ!!]
ヴァイト[おおおお!?]
熱波で周りが離れる。マレーは走り去る。
ヴァイト[気持ちは....分かるけどよ!]
ワーチ[ふうふう]
ワーチは手を吹く。
エミィ[.......]
マレーは自室に入りカーテンを全部閉める。そしてタオルをグッと口で加え、服を脱ぐ。ナイフを両手で持つ。
マレー[ふう....ふう....]
マレーは覚悟を決めて、胸に傷をつけていく。
マレー[んん....んんん!]
ウィザが念を発するときに現れる赤い文字....それを傷で再現していく。
最後の家族......短い間ではあったが、マレーにとってウィザは妹だった。
マレー[んんんんんんん!!]
カランとナイフを落とす。タオルも落ち、マレーは方膝をつく。
マレー[はあ、はあ、はあ.....]
マレーはそのままブラックの元へ向かう。
ブラック[!!]
血だらけのマレーがブラックに寄りかかる。
ブラック[GAAAA!]
マレー[頼む、答えてくれブラック....ブラック!]
マレーは熱を高めていく。出血が激しくなる。ブラックは尾でマレーを包み込む。
マレー[ブラック....]
意識が朦朧とするなかでかすかに聞こえた。
[スイヴィアでジ.エンドに捕まった!]
全員が指令室に集まるなか、傷の手当てをしたマレーもつく。
マレー[艦長、急いで....!]
ソルはマレーをぶん殴る。
マレー[!?]
ソル[お前が死ねばウィザは助かるのか!? 黙って話を聞け!!]
マレー[........]
ソル[ことのなり行きを王に説明した!その結果我々に命令が下った! 我々は今からーー]