166話 仕方ないよ....
[来たれ....]
声が響き渡る。
ウィザ[え?何?]
ブラック[俺じゃない、何だ!?]
[この天朝霊柔なる地へ....ウィザ.ラキ!]
空間がネジ曲がっていく。
ウィザ[こ、これって、ブラッ...]
ウィザはブラックにしがみつく。
ブラック[!!]
2人の目の前にはスイヴィアの綺麗な風景が広がっていた。
沢山のハフの女性、そして玉座には男の子が座っている。男の子は倒れこむ。
ウィザ[ここ....スイヴィア!? 次元移動した!?]
ブラック[スイヴィア!? ここが....!]
男の子[ハアハア...成功したか]
男の子は倒れ、女たちに運ばれていく。
ウィザ[どう言うこと....私以外に次元移動を使え...いえ、あの場所からここまではポイントがずれすぎてるのに!]
???[俺が説明しよう]
墨で塗ったくったような細い男が現れる。
ウィザ[誰! ハフじゃない、あなた!]
ジラン[わたしの名はジラン。ジ.エンドオブ.レインボウの1人で元カレコシアの王だった男です、ウィザ元王女様]
ウィザ[ジ、ジ.エンド!? 何でここに!]
ブラック[ジランだと!? なぜここにいる!!]
ジラン[ここから北のトゥーリアン.エヘレッソウの氷中の中で遺体が見つかった。状態は極めて良好...スペリアルの技術で精子を抽出し、ハリディ.マシコリンの体内で受精]
ウィザ[.....え?]
ジラン[そして生まれたのが先程の君主、ポピュガ様だ]
ウィザ[子供....ハリディの...]
ブラック[な、なんと言う事だ....スペリアルとジ.エンド、ハフが組んだのか!!]
女[ウィザ.ラキ!]
ウィザ[.......]
女[ハリディ様がお待ちである。ついてこい!!]
ウィザ[ハリディか.....ドラゴンには手を出さないで]
ジラン[もちろん、ここはハフですよ?]
ウィザはハフの女たちに連れられていく。ブラックはジランを睨む。
ジラン(余計なものまでついてきたか....まあいい)
ウィザが部屋に入る。
ウィザ[!]
痩せ細ったハリディが布団にくるまって寝ていた。
ウィザ[ハリディ....!]
ハリディ[ウィザ様....]
ハリディは手を伸ばす。ウィザは手を握る。ハリディは涙を流す。
ハリディ[何も....何もお変わりありませんねウィザ様....もうこちらでは10年の年月が流れました。会いたかった、ウィザ様....]
ウィザ[10年....ごめん、ごめんなさいハリディ....]
ウィザも涙を流す。
ウィザ[トゥーリアン.エヘレッソウには手を出すなとあれほど言ったのに....]
ハリディ[例え死の病にかかろうとも、次元移動を使える男が欲しかったのです....私はもう長くありません、ポピュガが次期王となるでしょう]
ウィザ[あきらめないでよ!スペリアルの技術をもってしてもダメなの?]
ハリディ[ポピュガに止められているのです]
ウィザ[えっ....?]
ハリディ[私は...あの子といても貴女を忘れられなかった。それがあの子をこのような人格に形成したのでしょう....これは神罰なのです、貴女を裏切った...]
ウィザ[そんなことないよ....ないってば!]
ハリディ[お帰りください早く....もうここはヴァリ様の時代とは違うハフです。ポピュガは次元間異移動を....げほっ、おえ!]
ハリディは吐血する。
女[どけ!]
ハリディ[早く逃げて....がっ]
ウィザは部屋から追い出される。
ウィザ[.......ジ.エンド]
ウィザの目付きが鋭くなる。
ジラン(アンセスタへの侵攻へのバックアップ....)