165話 3つの顔4
164話は短編小説として出しましたので(花は散る-戦場の殺人鬼-)興味のある方は是非読んでいただけると幸いです。本当はサイ.ビーがカーレントをおぶりながら戦線を走るというシーンを書きたかったのですが、時間が許さない為断念致しました。この165話は164話の捕捉みたいなものです。
カーレント、ヴァイト共に気絶。ヴァイトもカーレントもダメージはあったが、命まで達する傷はなかった。
病院にて。
ウィザ[許せません]
マレー[.......]
ウィザ[そんな過去があったから、人格が違うから許せっていうんですか?]
ヴィディ[分かる、分かるよウィザちゃん....だがカーレントの本意ではないんじゃ。理解してくれないか?]
ヴィディは頭を下げる。
ウィザ[......]
マレー[カーレントがチルドレンである以上彼の力は必要だ。分かってくれ....ウィザ]
ウィザ[そんなのっ...!]
ヴィディ[あの写真がキーになってるはずなんじゃがな...]
ウィザ[いい加減にしてください!!]
ヴィディ[!]
ウィザ[誰も....ニラックさんの事は考えていないんですね...!!]
ウィザは走り去る。
マレー[....すまない、ウィザ]
ウィザはブラックの元にいた。
ブラック[そうか....]
ウィザ[酷いでしょ? あんな人達だなんて思わなかった!]
ブラック[...仕方ないのさ。これから先、多分もっと激しい戦いとなる。数多くの死傷者が出るかもしれない。それで頭がいっぱいなんだ皆]
ウィザ[........]
ウィザはブラックにもたれかかる。
ウィザ[アンセスタって戦ってばかり....人が死んでも知らんふり。スイヴィアは戦争なんてなかった]
ブラック[そうか。私にも人が理解出来んよ。木々の空気でも吸えばイライラなどすぐに忘れるようなもんだがな....]
ウィザ[お兄ちゃん言ったの。私を守ってくれるって....でも]
ブラック[....スイヴィアに帰りたいか?]