157話 焦がれ焦がれて8
サイオウは暗闇にいた。
サイオウ(やるだけやったよな...はんとによ...)
サイオウは少し歩く。ロストーレがいた。
サイオウ(よう、行こうぜ)
サイオウが手を出すとロストーレは粉々に砕け散る。
サイオウ(........)
その後ろには、人間の頃のフットライトがいた。
サイオウ[.....オオ]
アロー[やった...]
デュアロ[ど、どうなってんのか説明してくれ軍人さんよ...]
フットライトがアロー達を見る。
デュアロ[来るか...!]
フットライト[無粋な奴らばかりですまなかった。なるべく殺すように努力する]
デュアロ[...やってみろ。やってみろよてめえええこらあああーーーっ!!]
デュアロは冷や汗をかいていた。
フットライト[....?]
その時だった。
デュアロ[.....ん]
風が止んだ。
オーキッド[.....え?]
特に何も起きていないのに何か静寂さを感じる。
アロー[!?]
最初に見たのはアローだった。
アロー[う、うわああああああああああああああああああああああああ!!!!]
アローは気絶する。
デュアロ[おいっ!?]
デュアロも上を見上げる。
雲が割れ、巨大な女性らしき顔が地上を覗きこんでいる。
オーキッド[!!]
フットライト[何!?]
その顔は何か意味不明の言語を喋り続ける。
ソル[ああああ! 頭が!!あたまがああ!!]
ヘラニー[耳を塞いで!! 外は観ないで!!]
エレジー内もパニックになる。
フットライト[てめえ....!!]
フットライトの形相が変形するほど歪む。そして雲の中から巨大な手がサイオウ目掛けて降ってくる。
デュアロ[お...おああああああーーーっ!!]
デュアロはアローを捕まえオーラダッシュで逃げる。
その輝く腕はレーザーのようにサイオウに降り注ぎ、大地と衝突し弾け飛ぶ。サイオウの体も浮かび上がる。
サイオウ[ホオオオオオオオオオオオオーーーーッ!!]
サイオウは一気に呼吸する。
サイオウ[ハアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア....]
そのままフットライトの前に行く。
オーキッド[あの糞野郎...!!]
フットライト[よう]
サイオウ[ロストーレを...殺したのか?]
フットライト[.....そうだ。僕が殺した]
サイオウ[あああああああああああああああああーーーーーーっ!!]
サイオウから出た光は竜巻となり天と地を結ぶ。
デュアロ[はあ、はあ....地球が、笑っているのか?]
レパードは空を見上げる。
レパード[祭りが始まったのか]
竜巻が吹っ飛びN.ストリームの突風が地上を、空間を撫でる。
オーキッド[うわっ]
シャムがオーキッドを守る。
ソル[くっ...掴まれ!!]
エレジーがグワングワン揺れる。
突風は森を吹き飛ばしていき、海が大きく波をあげる。
フットライト[...こい、血族よ]
そこにいたのは体に金色のラインが入り、黄金の眼差しをもったサイオウだった。N.ストリームが湯気のようにたっている。
サイオウの右拳をフットライトは両手でガードする。
フットライト[効くかっ....?]
そこから2人の高速乱打戦が始まった。
デュアロ[対等だ...エセンスを発動したジ.エンドと....]
拳や蹴りがあたりあう度、突風が大地を撫でていく。
オーキッド[4!!]
サイオウ[クアアッ!!]
サイオウの蹴りでフットライトはぶち飛ばされる。
フットライト[うう!!]
サイオウはそこからフットライトの後ろに回り込み
サイオウ[あいいいいいいいいいいーーーーっ!!]
上空へ蹴りあげる。
フットライト[はがっ....]
そこへサイオウは頭突きで突っ込み、左手でフットライトの首を掴み、腹に5連打を叩き込む。
サイオウ[バアアアアアアアアアーーーーッ!!]
フットライト[ゴホゴハッガッぎゃあ!!]
そしてフットライトの顔をハイキックで吹き飛ばし、飛んでいくフットライトのスピードに合わせて
サイオウ[シュウウウウ....]
後ろ回し蹴りを綺麗に放つ。
フットライト[あがっ!ひいいいいーーーっ!]
フットライトは空中で一回転しながら飛んでいくが、サイオウはラサ(N.ストリームを爆発させ、超高速で移動する事)でフットライトの吹き飛ぶ先へ回り込み、フットライトの胴体へフックをいれる。
フットライト[ほごっ!?]
サイオウはラサで前後に回りながら左右のフックを12発打ち込む。
サイオウ[ダラダラダラダラララララ!!!]
フットライトは次に来たフックを両手で弾く。
フットライト[ンダラアアアーーーーーって!!]
フットライトの中段蹴りがサイオウの腹に入る。
サイオウ[ぐううっ!!]
くのじになったサイオウの腕を掴み
フットライト[オオオオオオオオオオオオラアアアアアアーーーーーッ!!]
海に投げ飛ばす。
ドーン!! と音を出し、波しぶきが上がり、サイオウは海底に突っ込んでいた。フットライトは追撃しようとするが
フットライト[!!]
海が丸く凹み、巨大なN.ボールが上がってくる。
フットライト[散らせええええ!!]
フットライトはB.N.ブレードで受け止める。
フットライト[うあああああああああああ!!]
N.ボールが押されていく。
サイオウ[ゆああああああああああああーーーーーっ!!]
サイオウが海からN.ボールへ突っ込み、N.ボールをぶち破りフットライトの顔面に膝げりをする。
フットライト[こっ....!]
のけ反るフットライトに肘うちをくらわせようとするが、フットライトはバクテンして離れる。
フットライト[!?]
そこへサイオウが体当たりしてくるが、フットライトは跳び箱を飛ぶようにサイオウの頭上を飛ぶ。
サイオウ[ち!]
サイオウが振り向くとフットライトの頭突きがサイオウの顔面を捉える。
サイオウ[かかっ....]
フットライト[いっしゃあああああああ!!]
フットライトの右フック、左の足先蹴り、左のハイキックから
サイオウ[グホッ...]
サイオウの懐へ入る。
フットライト[....?]
サイオウの腹とフットライトの腹の間に小さいN.ボールがある。
フットライト[調子の...いい...]
サイオウ[Bomだ]
そのN.ボールは一瞬で大きくなり、2人を巻き込んで大爆発を起こす。
オーキッド[4ーーー!! シャム!! 行け!!]
シャムは動かない。
オーキッド[シャム....!?]
2人は海中で打撃戦を繰り返していた。サイオウが吹っ飛ばされ、海から吹き飛び、岩を貫通し、廃墟に突っ込み、壁をぶち壊し止まる。フットライトは猛スピードで追ってくるが、サイオウが廃墟の中にいない。
フットライト[はあ、はあ!]
サイオウ[くたばれいいいいいやあああああああああああーーーーーっ!!!]
直径14mはあるN.ボールを上空から廃墟に落とす。
フットライト[!!]
フットライトは壁を2つ回転しながら、ぶち壊しながら外に飛び出す。廃墟はN.ストリームと共に崩壊していく。
サイオウ[ゴアああああああああ!!]
フットライト[うぬれらああああああああああああ!!]
2人は同時に体当たりし、別々の方向へ吹っ飛んでいく。
サイオウ[ハア.....ハア....]
フットライト[ハアハア.....]
2人共大の字に寝ていたが、フットライトは上体をゆっくり起こす。
フットライト[っ....く]
オーキッド[4! 何故ブレードをつかわ.....!?]
フットライトはそれはそれは清々しい顔をしていた。
オーキッド(笑っている....?)
デュアロ[ジ.エンドと同じだ....ダメージを平等に全身に散らして致命傷を避けている!]
天の巨大な顔の呟きは続く....