154話 焦がれ焦がれて5
黒い雨がどしゃ降りとなる。
フットライト[この雨はお前たちチルドレンの力を弱め僕らの力を上げる。だがその真なる力は大地を枯らす事だ。腐雨と僕は読んでいる!]
植物や大地そのものが死滅していく。
ヴァイト[大変だ艦長! 艦のあちこちが変色してやがる!]
ヘラニー[この黒い雨のせいかも...]
ソル[...すまん、チルドレン。エレジー、前進しろ! どこか屋根がある所へ移動するぞ!]
デュアロ[く、黒くなっていく...]大地が黒く、広がっていく。
フットライト[水位もどんどんどんどん上昇していく! このまま]
サイオウ[あのばかでかい人形に比べれば訳はねえ!]
フットライト[.....フフ]
デュアロとサイオウは近づく。
サイオウ[奴を殺れば止められるかもしれない! かもな!だが時間はもうない!! 一気にN.ストリームを放出して...!]
デュアロ[え? で、でも俺!]
フットライト[確かに僕が死ねばシャムもきえちまうだろうよ! だがこの状況....どう打破するお2人さんよ!]
ヅドンっ!!という音と共にデュアロは吹っ飛ぶ。
サイオウ[!?]
フットライトが目の前にいる。
サイオウ[ぶったぎったらあああーーーーん!!]
サイオウは薙刀をブンブン振り回すが、フットライトは片手で弾いていく。
サイオウ[いがっ!]
弾かれただけでサイオウは態勢をくずす。
サイオウ[うお..!?]
N.ボールを生み出せない。
瞬間アコーディーが砕け散り、薙刀も吹き飛ぶ。
サイオウ[があああああ!!]
サイオウも吹っ飛ぶ。
フットライト[だからまずはあの船だね!!]
フットライトはエレジーへ向かおうとするがデュアロが立ちはだかる。
デュアロ[あそこだけにはいかせねえよ...!]
デュアロの拳が輝く。
フットライト[ふ...似ているな、君]
デュアロとフットライトは高速で打撃戦を繰り返す。
デュアロ[せいやあああああああーーーーっ!!]
デュアロ[よっしゃおらおらおらおいおいおいおいよっとくらあーーっとなあ!!]
まるであやすようにデュアロの1つ1つのパンチをフットライトは受けたりよけたり捌いたりする。
デュアロ(効いて...ねえ!?)
デュアロの両手の連打をフットライトは両手で弾く。
フットライト[よし! 面白かったぜ!!]
フットライトの蹴りがデュアロのみぞおちに突き刺さろうとするが、翼で守る。が、衝撃が突き抜けてくる。デュアロ[あがっ!!]
デュアロはクノジに体を折り曲げ絶句している。
デュアロ[~~~~~っ!!!!]
フットライト[効いたなあ....このクソ寒い腐雨の中で貴様ら生ぬるい奴らに勝ち目あるかよ!?]
デュアロ[うがああああっ]
デュアロはフットライトの右拳をガードするが、尚吹き飛ばされる。
デュアロ[ハアッ!ハアッ!]
サイオウ[く....くそ...何にも出ねえ....戦う術が...]
デュアロ[うあああああ!]
デュアロの蹴りをかわしたフットライトは
フットライト[おらよお]
デュアロの右肩を蹴り上げる。
デュアロ[ぎゃあああああーーーーっ!!]
右肩が破壊される。
フットライト[子供達よ! 眠れ!]
サイオウ[突貫だああああああ!!]
サイオウはデュアロへ向かう。
その時!
下の森から爆発音がする。
フットライト[ーー!?]
マレー[黙って見てろっていうんすか...]
ヴァイト[しゃあねえだろ。この雨は危険だ。普通の人間は出ない方がいい]
マレー[俺は普通の人間じゃあない!こんな...こんな役たたずでは俺は....!]
ヴァイト[分かるがよ.....]
ヴァイトは剣を床に投げ捨てる。
マレー[!!]
ヴァイト[分かるがよ....!!]
ウィザはブラックの前でひたすら祈っていた。
ウィザ(いや...駄目! こんな危険な事...)
その様子を陰からヴィディが観ていた。
その3分前....
アロー[動くなよ...!]
アローは銃を構えている。その手には新型のGPSが握られている。
オーキッド[.......]
アロー(この黒い穴がゲートか...?)
ジランが白髪のまま寝ている。
オーキッド[銃ごときで私がやれると?]
銃口がジランに向けられる。
オーキッド[!!]
アロー(どうだ、弱っているこいつなら...)
オーキッド(....わずかだ。供給を絶って攻撃する。ゲートが保たれているのは一瞬!)
オーキッドはゲートへの供給を断ち、B.N.ブレードでアローに襲いかかる。
オーキッド[侮辱は許さんぞヒヨコモードがあああああーーーーっ!!]
が
オーキッド[!?]
オーキッドの目の前を耳をこんざくような音ともに何かが通り過ぎる。
オーキッド[.....銃か?ちっ!!]
オーキッドはすぐゲートへのB.N.ストリームの供給を再開する。
アロー[は...はあはあ....]