No,6
誠次のクラスの座席(わかりづらいと思いますが一応
+が誠次、*がアヤノ、@が翔太、「・」が他生徒です
教卓
・・ ・・ ・・1
・・ ・・ ・・2
・・ ・・ ・・3 廊
窓 *・ ・・ ・・4 下
側 ・+ @・ ・・5 側
・・ ・・ ・・6
男子が多いため、真ん中の列の前から五番目、六番目の四人は男同士で隣席です。悲しいですねww
声が聞こえたので振り向くと、後ろのドアに見覚えのある子が立っていた。生徒会長の香坂彩夏だ。振り向いたのを戻そうとすると目が合った。彼女は俺に用があるらしく、《他クラスのものは教室に入ってはいけない》校則を無視してずかずか入り込んでくる。
―――え?、生徒会長が破るのか?
まぁ、誰もそんな校則知らねーぜという風に気にも留めず他クラスの教室に入っている。勿論俺も含めてだ。生徒会だからどうだとかいうやつは黙ってろ。
「久しぶり~!!でさぁ、今月の生徒会新聞だけど……」
香坂は俺の前までくると、最後尾の席に腰かけて言った。俺の斜め後ろにあたる席だ。……久しぶりと言われたが、二日前にあったばかりであることは置いておいて。
俺は彼女の視線が一瞬揺らいだのが気になった。それは俺の後ろ、九条アヤノにである。睨みがほんの一瞬見え、思わず反応してしまったが、気のせい気のせい。干渉すれば面倒なことになりかねない。
「あぁ、なんか代議員会のあいさつ運動を取り入れるって言ってたぞ。今回は誰が書こうか」
俺は月に一度発行される、生徒会新聞の担当をしている。担当者の役員は5名で、生徒会長が主になるのだが交代制で書いている。先月の見出しは生徒会選挙。これはまた別の話だ。
「じゃあさ、二人で書こうよ!」
「……ッ!!」
身を乗り出して香坂は言ってくる。思わず照れるがそれを狙って言ってる感じがするので怖い。俺はこれでその気になるような男ではないが、その気になる男の場合は落ちるだろう。正直言うとそれを連発するのがめっちゃ怖い。
それはそうと、気のせいかクッを押し殺したような声が聞こえた気がする。まぁ、いいか。
「わかった。そうだ、確か明日は雨が降るって言ってたような。降ったら明日やろうぜ。なるべく早いほうがいいだろ?」
「さすがセージだね!じゃぁ、明日の放課後生徒会室に集合!」
そういって彼女は立ち上がった。おっと、ここで言い忘れた。面倒なことにならないように、言わねばならないことがある。
「あ、香坂!雨が降らなかったら……」
名前を呼んだだけなのに、すごく俺は睨まれた。その圧倒するような覇気のこもる目に、俺の背に寒気が走る。ここで誤字。正しくは、苗字で呼んだだけなのに…だ。
「彩夏って呼んでって言ったじゃん」
「ご、ごめん、彩夏。雨が降らなかったら、お互い部活な」
彼女は友人に苗字で呼ぶのを許さない。呼んだ瞬間、先ほど俺に効かせた睨みが炸裂するのだ。勿論、興味のないものや嫌いな者は無視するので気にならないみたいだが。
俺が訂正して精一杯ナチュラルに作った笑みで微笑むと、彼女は一瞬で睨みをどこへ行ったかのようにひっこめると、俺よりも数倍上手な笑みで微笑んだ。これは恐らく作った笑みだと俺は思う……。
「うん!雨を祈ってる!!」
ようやく彼女は去っていく。不思議と、俺の口からため息が漏れた。神経を使ったな。と実感する。後ろを向いて話していたので前を向くことにする。後ろにずっと気配を感じていたのだが、案の定、アヤノはずっと席に座っていた。読書に集中していたのだ。いかにも優等生らしく。
香坂……じゃなくて彩夏さんが去っていくのを感じ取ったのか、俺のほうを振り向くとアヤノはあからさまに呆れ顔をした。
「なんだよ」
そういうとアヤノはそっぽを向いて読書に戻る。
……なんだあいつ?俺が疑問を覚えたのと、チャイムが鳴るのは同時だった。
二時限目は理科だったかな。
「このように化学式を覚えておかないと化学反応式を解くのは………」
教卓の前では長身の若い教師が黒板に板書を取っていた。俺は真面目に授業を受けるやつなので、すぐさまノートを取るべくペンを走らせた。ここで一つ思ったが、生徒会=真面目集団。という誤解を解いておこう。
実際このクラスには三人の生徒会がいるが、誰しも生徒の手本とは言い難い。たとえば俺の斜め前席でノートを熱心にとっているように見えるアヤノは、後ろからは絵をかいてるのが筒抜けであるし、逆隣りの翔太は爆睡中♪
……それでもアヤノは成績上位であるし、翔太も数学と国語だけは100点にかなり近い。
あくまで噂だが生徒会長の香坂……じゃなくて彩夏さんは小学校でガラスを10枚以上割ったとか。かくいう俺も遅刻の常習犯なので人のことは言えないが、遅刻は何故か消えているので関係のない話だ。
とまぁ、生徒会と言ってもおかしなやつらが集まった集団でしかない。まぁ、仕事はちゃんとやる良いやつの集まりだというのは保障する。
化学反応式の練習問題に苦戦していた俺のほうへとアヤノが振り向き、何やらノートの端切れを渡してきた。
なんだこれ……!?
そう思った瞬間アヤノはすぐさま前を向いてしまう。紙切れには一言書かれていて、女子がよくする《授業中に回す手紙》の類のものらしい。
『10時にチャットROOMね』
何故ルームだけROOMなのかは全くわからなかったが、何か用のあるということはわかった。10時なら全然大丈夫なので、俺はただ一文字『了』と書いて紙切れをアヤノの席にそっと置いた。幸い理科教師は黒板のほうを向いている。バレたところで……だが。
そして唐突に 夜
少しばかり眠い目を擦りながら、俺はPCを立ち上げた。そして《お気に入りバー》に登録している俺がよく使うチャットルームを開く。この部屋はアヤノもよく使っていて、そのほか様々な知り合いも使っている。
時刻は10時02分。俺はアヤノが入室している部屋を見つけ、クリックする。部屋名は《知り合い限定》となっていた。これなら他のものは入ってこないだろう。普通の奴なら。
――――――セージさんが入室しました――――――
セージ:よう。 10:03:01
アヤ:遅いよ!遅刻だよ! 10:03:09
セージ:たかが二分だろ 10:03:15
アヤ:違いますぅー、三分ですぅー 10:03:20
セージ:細かいなww 10:03:34
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