冒険者スバルの旅
「話をしよう。昔居た愚かな男の話を。
まず話を聞く前にこの話は全てが本当だとは思わないでくれ。過去の記憶というものはどんなにありのままを伝えようと思っても聞き手が経験していない以上丸々綺麗に伝わるなんて事は有り得ないということを忘れないでほしい。
そこをわかった上で聞いてくれ。この話を。世界に関わり世界を壊すことも救う事もできなかった男の話を。」
子供達は静かに男の話を聞くのだった。
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男の名前はスバルと呼ばれているらしい。―尤も、その名前が本名なのかどうかなど本人しか知らないがそんなことはどうでもいいだろう。―
スバルの基本的な情報として
・年齢は10代後半
・容姿は可も無く不可も無くといったところ
・剣術の腕前は町周辺の中程度の生物ならまず倒せないことはないだろうという程度
このぐらい判っていれば物語に支障はないだろう。
そのスバルがこの町にやってきたわけとは…
「何か…食い物…」
食料の調達である。しかし簡単に手に入るならこんなフラフラと町を歩くなんて事はないわけで、
「金も無いし働き口もない…」
という訳である。
「………さん…………兄さん」
「あ〜声が…聞こえる気がする…」
「おいおい、こんな所でぶっ倒れてもらっちゃ困るんだって」
「……わかっ……た。わかったから、何か食いもんでも飲みもんでも恵んで、くれ」
くたっとその場に崩れるスバル。
気がつくと布団に横たわっていた。此処は何処だろう。男はそう思った。
「よう、目が醒めたか。」
男が尋ねる。
「ああ、どうにかな。…此処は何処だ?」
スバルは気怠さを覚えながら尋ねたそうな。
「此処か?此処は俺がやってる酒場だよ。いやあ驚いたぜ。広場が騒がしいから覗いてみりゃあんたがぶっ倒れてるんだからよ。」
ガハハと豪快に笑いながら男―酒場の主人が語ったそうな。
「ところであんた、どうして道のど真ん中でぶっ倒れてたんだ?」
正直に話すのも恥ずかしいので空腹の所をどうにかしてごまかしながら話そうとしたところ
グゥ…
腹がなった。主人はガハハと豪快に笑いながら食料を持ってきてくれたんだそうだ。
「助かった。まともな食事なんて一週間振りだったんだ。この礼は必ずさせてくれ。」
「いやなに、困った時はお互い様さ。ところであんた、この町に何しに来たんだ?ここいらじゃ見ない顔だしな。仕事でも探してんのか?」
「まあそんなところだ。そうだ、此処で酒場をやっているならこの町の事もよく知ってるんだろう?何か仕事を紹介してくれるような所知らないか?」
「そうだなぁ……そういえば町の中心に近い所に頼み事を書いておく掲示板みたいなもんがあるんだ。そこなら仕事が見つかるかも知れないぜ?行ってみたらどうだい?」
「ああ、そうさせてくれ。世話になったな。」
ああ、と答えながら主人はスバルを見送ったんだ。
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「今日はこの辺にしよう。ちょっとつまらなかったかな?ごめんよ。」
男の話を静かに聞いていた子供達は男がそういうと拙い言葉であるが素直な感想を男に投げかけていた。
「ありがとう。このお話の続きはまた今度話してあげよう。今日はもう遅い。親御さんが心配するまえにお帰り。」
そして日の落ちかかった公園には男が一人だけになり…
「私も行こう。」
そういって公園を後にするのだった。
うむむ…文章書くのって難しいですね。
一応この作品は連載予定です。流石にこの題材だと単発はな…って感じですしね。
物語としてはとりあえずありきたりなスタートです。今後の展開を考えるのは面白そうではありますが…恐らく固有名詞は主人公と残り3人が限度でしょうか。主は名前考えられません。
ではこの辺りで一旦締めとしたいと思います。