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毒に侵されながらも、私は世界を殺す竜を斬る ――その息が止まるまで、私は死ねない

掲載日:2026/04/17

森は静かに死にゆく。


炎はなかった。


叫び声もなかった。


ただ、落ち葉だけが…一枚、また一枚と…何も残らなくなるまで。


彼女は黒焦げになった木々の間を歩いた。


一歩踏み出すごとに、枯れた土埃が舞い上がった。


彼女は布切れで口を覆ったが、それでは足りなかった。


「…もう始まっている…」


彼女の指が震えた。


毒。


それは目に見えない…しかし、至る所に存在していた。


空気の中に。


彼女の肌に。


彼女の血の中に。


しかし、彼女は止まることはできなかった。


今、止まることはできない。


ここまで来たのだから。


最初の症状は軽かった。


めまい。


そして…重苦しさ。


まるで自分の体が自分のものではないかのように。


「…もし止まったら…死んでしまう…」


彼女は歩き続けた。


ブーツが乾いた根を踏みしめる音がした。


その時、彼女はそれを感じた。


圧力。


異様な鼓動。


まるで世界そのものが…狂ったように呼吸しているかのようだった。


「…そこにいたのね…」


彼女は顔を上げた。


そして、それを見た。


竜。


威厳などなかった。


美しさもなかった。


それは…異様だった。


鱗は黒かったが、病的な緑色の光がそこから漏れ出ていた。


息を吐くたびに濃い霧が立ち込め、地面をゆっくりと溶かしていった。


竜が歩いた場所では…


生命が消滅した。


「…あなたが…」


少女は剣を抜いた。


「…すべてを殺している者…」


竜は首を回した。


その目は彼女に釘付けになった。


そこには怒りも、憤怒もなかった。


ただ…認識だけがあった。


まるで彼女がそこにいる理由を既に知っていたかのように。


空気が重くなった。


霧が迫ってきた。


彼女は走った。


毒が肌を焼いた。


肺が焼けるように痛んだ。


「ちっ…!」


彼女は枯れた根の間を飛び越えた。


動きが鈍くなっていった。


呼吸が…浅くなっていった。


「…失敗するわけにはいかない…」


彼女は思い出した。


部屋。


横たわる人影。


荒い息遣い。


「…待ってて…」


彼女は歯を食いしばった。


「…もう少しだけ…耐えて…」


竜が口を開いた。


炎ではない。


毒だ。


黒い霧が爆発した。


彼女は地面を転がった。


腕の力が抜けるのを感じた。


動かない。


「…近づいてくる…」


毒が。


彼女の体内に。


広がっていく。


「…それから…急いで…」


彼女は小瓶を取り出した。


小さい。


かすかに光っている。


…すべてはこれにかかっている…


竜は前進した。


ゆっくりと。


意識的に。


まるで避けられない死を覚悟したかのように。


彼女は彼に向かって走った。


まっすぐに。


ためらうことなく。


竜は攻撃した。


彼女は剣を投げた。


傷つけるためではない。


気をそらすためだ。


竜はそれを弾いた。


そしてその瞬間――


彼女は既に彼の目の前にいた。


…捕まえた…


彼女は小瓶を彼の胸に叩きつけた。


ガラスが粉々に砕け散った。


光が爆発した。


竜は咆哮した。


初めて。


世界を揺るがすような咆哮。


彼の鱗にひびが入り始めた。


緑色の光が…白く変わった。 ―今だ!


彼女は剣を構えた。


彼女は飛び上がった。


全身が痛んだ。


視界がぼやけてきた。


しかし、そんなことはどうでもよかった。


「やらずに死ぬわけにはいかない!」


彼女は剣を突き刺した。


深く。


首に。


竜は倒れた。


森は静まり返った。


彼女もまた倒れた。


膝をついた。


荒い息を吐きながら。


「…やった…」


しかし、何かがおかしい。


ひどくおかしい。


彼女は周囲を見回した。


空気は…


まだ毒に満ちていた。


「…違う…」


彼女は竜を見た。


その体は溶け始めていた。


しかし、毒は…


残っていた。


「…あなたじゃない…」


彼女の手は震えていた。


「…ただ…心臓が…」


そして彼女は理解した。


竜は…


原因ではなかった。


原因は器だった。


核だった。


毒は死んでいなかった。


放出されていた。


「馬鹿…」


彼女は弱々しく笑った。


彼女は血を吐いた。


「あなたを殺せば…全てが解放される…」


空が暗くなった。


空気が重くなった。


世界は…崩壊しつつあった。


しかしその時…


風向きが変わった。


一瞬。


ほんの一瞬。


しかし、それは確かに。


彼女は顔を上げた。


「…まだ…」


彼女は立ち上がった。


苦労しながら。


「…まだ…」


彼女は再び剣を突き刺した。


さらに深く。


心臓へ。


光が爆発した。


しかし今回は…


毒ではなかった。


静寂だった。


空気は…


そのままだった。


毒は…


消え去った。


竜は…


毒を放出しなかった。


毒を封じ込めたのだ。


そして、その核を正しく破壊することで…


浄化した。


彼女は倒れた。


弱々しく。


空を見上げる。


青い。


初めて。


「…やった…」


彼女は微笑んだ。


弱々しく。


「…もう…息ができる…」


彼女は目を閉じた。


そして世界は…


再び息を吹き返した。

ここまで読んでいただきありがとうございます。

この物語が少しでも面白いと感じていただけたら、

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次回も全力で書きます!

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