1話:探索者ユーマ
プロローグから少し遡ります。
俺は今日、未知の遺跡を発見した。
発掘協会に入って二年、自分の足で未発見の遺跡を見つけたのは、これが初めてだ。
「おじさんに、いい土産話ができるような遺跡ならいいんだけどな」
俺が十七歳で、単独探索を任されているのは──
故郷の外れに住んでいた、元発掘協会員のおじさんのおかげだ。
もし、おじさんの教えがなければ、俺なんて下積みのまま。
いや、そもそも今頃は遺跡探索なんてやめてただろう。
俺のアドバンテージは、遺跡の知識だけだ。
体力も魔力も平均的。
見た目なんて、帝国のどこにでもいそうな、平凡な青年でしかない。
──だからこそ、遺跡探索はワクワクするんだ。
普通じゃないものに、俺は出会えるかもしれない。
「お前、なんで変なとこだけ勢いいいんだよ」
……おじさんによく言われたっけな。
さて、肝心の遺跡だが──
様式から見て、これは古代の兵器工廠らしい。
ガーディアンの出現は覚悟している。けど、去年奮発して買った“携行型雷球兵装”がある。
あれがあれば、中小型くらいの相手なら対応できるはずだ。
入口は狭い。つまり、大型は出ない。
小型はシールド兵装で防げるし、中型なら、グラップリングガンを併用すれば回避できる。
──よし、行くか。
俺は、少しだけ緊張しながら、その未知の遺跡へと足を踏み入れた。
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