第692毛 分岐
メ「…っ…貴方がたは……あの子を最初から『邪魔者』としてミテいた。あの子は、それが分かっていたんです。あの子に、一度でも、優しい言葉をかけましたか? あの子と正面から向き合って、生まれたことや、どうしていきたいか、を話しましたか? あの子が自身の混在したチカラをどう扱おうか悩んでいるかもしれない、と…『不安がっている』かもしれない、と、なぜ思わなかったのですか!?」ハァ…ハァ…
キュ「……母…上………」ジワッ
キュレルの目に
涙が滲む。
メ「あの子…リオンは、ずっと不安そうでした。ずっと、寂しそうでした。そうですよね、『いらないもの』として思われ続けたのですから。…確かに、行いは間違えていたかもしれません。でもそれは、『何が間違いか』を教えなかった……いえ、それ以前に『どうしていくべきか』をキチンと話さなかった……受け入れなかった貴方がたの責任が大きいはずです!!『枯らす』と言う行為自体ではなく、なぜ『枯らす』という事をしようとしたのか、その部分の気持ちになぜ寄り添わなかったのですか!!貴方がたは………貴方がたは…………身勝手に………自分達が正しい、と…………自惚れて………グスッ………」ハァ…ハァ…
モ「…メトリーさん…」ソッ
モイスチャーは
メトリーの右肩をそっと支える。
モ「…少し、落ち着かれてください」
メ「っ…す、すみません………」ハァ…
モ「……いえ、貴方様の想いは、間違えていないと、私も思います」
メ「!!」
キュ「……母上………」グスッ
メ「……キュレル………」
ヘラ「……………」
ラキ「……………」
アリガトネ「……………」
レノア「……………」
イヴ「……………」
シゲル「…メトリー氏。ありがとうございます。さて、シャカ氏。私も含め、少々気持ちが昂ってしまった事は、お詫びモウし上げます」
シャカ「……………」
シ「ヘラ氏や貴殿が、エルター氏を想い、多くの尽力をされた事は事実ですし、結果、エルター氏をはじめとした『リッチ家』の支えとなったのも、また事実でしょう。しかしながら、貴方がたは『エルター・リッチ氏の幸せ』にしか焦点を当てなかった。…いや、エルター氏が幸せなら、家族も幸せだと『思い込んだ』。例えその家族に、貴方がたの言う『招かれざる存在』がいたとしても、あくまでエルター氏そのものを優先したのです。それが、今の状況につながっているのではと、私は考えます」
シャカ「…………………なるほど、ね……」
シャカは
軽く目を閉じる。
シャカの脳裏には
エルターの………
エルターの……………
シャカ「……………」パチッ
アリガトネ「……シ、シャカ様……………」アセアセ…
シ「………とはいえ、私自身、この件に関しては部外者と言えますし、無礼な物言いをしてしまった事は否めません。…それでも私は、今の考えを変える気はありません。………故に」
シゲルはそう言いながら
『仲間』を見渡す。
パンテーン「………?」
アーデランス「…シゲル様?」
コーデルワイス〘……………〙
シャルル「……………(何だか……シゲル様……お辛そうな……)」
エクステ「……………」
ヨル「え……え??」ドキドキ…
メトリー「……!! ……シゲル様……まさか………」
キュレル「え??」
モイスチャー「……………」
シゲル「……………」スッ
シゲルは
シャカと
他の『神々』を見る。
シゲル「……これはあくまで私の『意思』です。…今の考えも含め、明確に貴殿等……つまり『天上のカミガミ』と思想や考え方が異なっていくのであれば、この場、この状況から、私は……貴殿等と『対立』致します」




