第690毛 執着
シャカ「……ん〜?? なんだって?」
シャカは、眼だけで笑う。
シゲル「おや、この距離で、聴こえなかったのですかね? 自惚れていますよ、とモウし上げました」
シャカ「……………」
アリガトネ「…アワワワワ………ラ、ラキ様………」
ラキ「ん?」
アリガ「と、止めなくては……」
ラキ「え?なんで?」
アリガ「な、なんでって………」
ラキ「面白そうだから、ミテようよ〜♬」
アリガ「……………(さっきと同じ流れ………)」
メトリー「シ、シゲル様………」ハラハラ…
シ「メトリー氏、モイスチャー氏等のお側へ」
メ「え…で、ですが……」
シ「問題ありません。少々、お灸を据える必要があるだけです」ニコッ
メ「お、お灸………。わ、わかりました!!シゲル様……どうか……あの子を………」
シ「お任せください」
メトリーは一礼し、モイスチャー等のもとへ向かう。
シャカ「………俺っちに、『説教』でもするつもりかい?」
シ「ハハハ。私達の世界に当てはめたとしても、本来、おシャカ様というお立場の方には到底考えられない事ですがね、今回に限っては、まぁ致し方ないかと」
シャカ「ふ〜ん、じゃぁ、説き伏せてみてよ。俺っちを! 時間は、そんなにないよ〜♪」バッ
シャカは両手を広げる。
シ「ふむ。承知致しました。…と、言っても、問答のようになるかもしれませんが…」
シャカ「へえ?」
シ「まず、大前提からお伝え致しますね」
シャカ「ん〜?」
シゲルは、シャカだけでなく、その他のカミガミを見渡す。
シ「貴殿等…テンカイの者たちは、まさに文字通り『リーブの民』を見下していますね?」
ラキ&アリガトネ「「!!」」
ヘラ「……………」
シャカ「ん? どういうことだい? そういうふうに、ミエタのかな?」
シ「まぁそうですね。程度の差はあれど、『チカラを持たぬ下界の者共』という認識はあるかと思います。まぁ、だからこそ今、『見下す』という言葉が貴殿等に通じたのでしょう」
アリガ「……………」←ちょっとショック
シャカ「ふ〜ん…まぁいいや♪その前提があっての話は?」
シ「ああ、すみません。もう一つ。どちらかというと、こちらが重要な前提です」
シャカ「ん?」
シゲルは
ダカラ・グリーンを見る。
ダカラ「??」ビクッ
シ「…貴殿等は、『チカラ』よりも『個』を優先し、かつ、『カミ』と『チカラ』は別々のものとして、捉えていますね?」
ラキ「! ………(へぇ……なるほど…ね………)」
ヘラ「……………」ジー
シャカ「………それってさ、わざわざ言うことある? 当然じゃないのかい??」リンッ
シ「そうですか。貴殿等の中では、やはり『当然』なのですね」
シャカ「……………で、何が言いたいのさ」
シ「はい。以上の前提を踏まえて、お話し致します。シャカ氏」
シャカ「…ん〜??」
シ「貴殿は、エルター氏…もっと言うと、『不死ではない』エルター・リッチ氏に、執着し過ぎていますね」




