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勇者様を召喚したら光り輝いてました  作者: 早々にフリーランス


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686/742

第683毛 相反


……


………


その場は


騒ぎを聞きつけたボタニストさんが収めてくれた。


俺は

簡単な事情聴取で済んだ。


『絡んだ理由』を彼等はボタニストさんへ話していたが


『依頼を受けるうえで、家柄は関係ない』

『私的な理由付けをしているのは、寧ろ絡んだ側である3名のほう』


と、結論付けられた。


それでも難癖をつけようとした彼等だったが


ボタニスト「問答無用!!とぉっ!!」バキッ


3名「「「ぐぇっ!!!!」」」ガシャーン



後から来たボタニストさんから、いきなり飛び蹴りをくらっていた。


もっとも


そのボタニストさんは『やり過ぎ』という事で


最初から対応してくれていたボタニストさんから

簀巻き(すまき)にされていたが。



ともあれ



その場から離れた俺はひとり



路地裏に来ていた。





衝動は


まだ



止まっていない。





ラックス「…ッハァ…ハァ………フゥ………」ダンッ



路地裏の壁に

背を預ける。



心の臓あたりをギュッと掴む。




ラ「………ハァ……お前………何をしようと……いや、何をしたかった??」ギリッ





……………



ラ「………お前……また……『枯らそうと』しただろう………」



……


………ラ


……ラックス……



ラ「!!……お前……名前を………」



……


……ラックス……



ラックス………セ…


セイ……


セイ……チョ……




ラ「何だ?? 俺のせい、とでも言うつもりなのか?」





……セ………セイ…………


チョ……セイ……




ラ「?? 上手く調整ができていないのは、認めるけど……だからってアレは、やり過ぎだ。勝手にヒトを枯らしちゃダメだ」



……


……ラックス……ラックス


……マ……マ……




ラ「?? マ?」



……マ……マ……マモ………





ラ「? 『魔が差した』とでも言うつもりか? それで済む話ではないよ」



………マ………マ………





ラ「……ふぅ………いいか。確かにボクは、お前というチカラ……『スーパーリッチ』の扱いが、決して上手くはない。でも、そもそも俺は、チカラ…スキルに頼りたくないんだよ」



………ラックス……ラックス………





ラ「……俺は、誰かを枯らしたりはしたくない。『肥やす』ことも……ただのリーブの民のひとりである俺が、誰彼構わずやっていいことじゃない。…だから……申し訳ないけど『余計な事はしないでくれ』」



……


……ヨ……


……ヨケイ……


……………




ラ「………それに、言うつもりはなかったけど………お前……その………エルターお母様のとき、何かしでかしただろう」



……!!


………エ……



エルター………


……シデ……


シデ………カ………




ラ「………何をした? ……母上が憎かったのか?? ……それとも………キュレルが??」



……



………ニク……



ニク………カラ……



カラ……シ…タ………


シ……タク………



カラ…カラ………カラ……………




ラ「………っ………」ギリッ




ラックスは




深く息を吸う。




ラ「いいかよく聞け」




……


………


………




ラ「…今後、俺の家族に手を出そうとするなら、容赦はしない。…俺自身がどうなろうと、お前を止める。…忘れるな」



……


……ラックス……


……ラ………


カラ………


カラ…カラ……………



ラ「………とりあえず、少しばかり受け答えができるようになったのはよかった。受け答えができるなら、俺の想いも分かるだろう。…頼むから、もう出てこないでくれ」






ラックスはそう言い



ゆっくりと歩き出した。






ミタマ(この場合、心)は




どこが空虚に感じられた。

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